中島と暮らした10日間

だんご

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35 中島10日目。ちょこっと報告

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 『(カッカッカッカッカッ)』
 『(カッカッカッカッカッ)』

 『カァ~カァ~カァ~カァ~!』
 
 『カァ~カァ~カァ~!!』


 ……ウルサイです。
 御近所の早朝ハッスルがウルサイ。
 なぜ寝てる真上を駆けるのか……
 屋根透けてるの?
 しかも、
 5時だよ?
 眠いよ……
 連日会社で眠そうにするなんて……ダメ、絶対。
 二度寝しよぅ……

 『カァ~……』

 『カァ~?』

 『カァ~カァ~……』

 『カァ~カァ~?』

 『カァ~!カッカッカッカッカッ!』

 『カァ~?カッカッカッカッカッ!』


 えっ?
 爆笑?
 爆笑なの?
 何のネタで?
 メッチャ笑ってる感じなんだけど?
 何?
 何の話?
 まさか自分をネタに笑ってない?
 えっ?ただの被害妄想なだけ?

 『カァ~カァ~?』

 『カッカッカッカッカッ!』

 マジで気になるんだけど?!

 『『カッ!(バサバサ)』』

 どうゆう事?
 ねぇ、どうゆう事?
 ヤベェ……気になって二度寝できねぇ。
 起きよう……

 「中島、おはよ。今、朝メシ取ってくるなぁ」

 『…………』

 外は結構寒くなって来たな。
 もう上着無しじゃ辛い。
 はぁ~……うわぁ、息白くなってない?
 気のせい?
 ちょっとだけ白い。
 うわぁ~……
 急いで葉っぱを回収して、家に避難。
 パジャマで外出るのは、もうやめよう。
 寒くてダメだ。

 中島の葉っぱを入れておく。
 今日も中島に直撃して、頭をブンブン振っている。
 いや、上半身を激しく振っている。だな。

 「すまん。中島」

 多分、今日で最後だから許してくれ。 
 夜からは薫がくれるはずだ。
 無理やり食わされても、耐えろよ?中島。

 思えば……
 よく自分が、青虫と生活できたよなぁ。
 あんなに大っ嫌いだったのに……
 食事をやったり、ケースの掃除したり。
 前じゃ考えられないもんなぁ。
 まぁ、青虫が脱皮するって事も知ったし?
 危機が迫れば水を飲むって事も知ったしな。
 絶対これから使わない情報だけども。
 新しい事を知ったって、勉強になったってヤツなのかな?
 自分が生きる上で、全く役に立たない知識だけども。
 貴重な体験だと言えば、そうなんだよな。

 『シャクシャクシャクシャク』

 ……準備しよう。



 「じゃ、行ってくるぞ?中島」

 『シャクシャクシャクシャク』

 ……いっぱい食っとけ。


 
 「おはようございま~す」 

 「おはよう、田中君」

 「おはようございます」

 課長と佐々木さん、ちょうどそろってらっしゃる。

 「すいません。昨日、妹と連絡つきまして、無事でした」

 「本当かい?良かったねぇ!」

 「良かったです。……どこの山を越えてたんですか?」

 それ自分も気になってるヤツです。

 「それが、充電が切れそうとかで、今日朝イチの飛行機に乗るとしか分からなくて……」

 「それは……大変だったねぇ……」

 「かなり個性的な妹さんなんですねぇ…」

 ここ最近、自分への憐れみ度数が増加傾向な気がしてならないよ。
 『不憫』って2人の顔に書いてあるもの。

 「まぁ、帰ったら色々聞く予定ではありますから、ハッキリすると思います」

 「それもそうだね」

 「一先ず、これで安心って事ですね?」

 「ですねぇ……本当にお2人には相談に乗っていただいて、ありがとうございました」

 「無事ならそれで結構」

 「そうですよ。無事で良かったですよ。さ、仕事仕事」

 「はい」

 人に恵まれたんだろうな自分。
 本当にありがたいです。
 一安心で仕事開始します。
 感謝です。



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