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第1章
赤毛の花嫁の嫁入り
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第一章 赤毛の花嫁の嫁入り
洋という国はもともと草原の民であったが洋の初代国王が政略戦争を行なってからかなりの領土を広げてきた。王河というところを征服しいたのち大陸の中央から東までを統一し、今では色々な毛色の人間までが、貿易や学問の研究のためにやってきていた。戦争は終わっていたが、たくさんの人間がやってくるため、犯罪や乱闘は日々耐えなかった。
都 朱の守りをしていたのが、退役兵である将軍蘭雪順であった。
国王の執務室で、将軍蘭雪順はその端正な顔をしかめていた。
「私には身に余りすぎます。公主の婿として役不足です。非礼を覚悟して申し上げますが、今回のことは辞退させていただきたく存じます。」
「雪」と王がいった。その女性ともとれるその顔はどこか面白そうだった。
「我が君」
「雪 君とは乳兄弟の仲で、赤ん坊のときから一緒に過ごしていたが、そんな困った顔をみるのは初めてだ」とこちらも端正な顔立ちではあるが、こちらは女性とも見紛う顔である王が面白そうに言った。
「嫁をもらうことは初めてで」
「何ごとも経験だ」
雪順はふと真面目な顔になった
「我が君 私は叩き上げの成り上がりです。 確かに将軍という座についていますが、
この国には、何代も前からの貴族の方がいらっしゃいます。
その方たちを差し置いて私が公主様を頂くことはできかねます。」
「正論だな 蘭雪順 だが、今回は大丈夫だ 先の戦の功労賞ということにするからなにも言われまい 余の一番姫なら問題はあるが、先の皇帝の一番末の公主 世の妹にあたるが
それならなにもいわれまいよ」
「しかし私はがさつですし、雅でもありません。軍でそだちましたから、荒れくるものです」
「雪 私は雪に末公主をもらって欲しいんだ」と王の口調が有無を言わせない口調になった。
2組の双眸がふと絡まった。
雪順の顔から困惑さが消えた。
「我が君 それをお望みなら私が公主様を頂戴いたしましょう」と膝を屈し一礼した。
「うむ 礼をいう」
「ではこれにて退出させていただきます。陛下」
雪順が扉の向こうに行こうとすると徐に王が言った。
「公主はな、今年で8つだ」
「・・・」
「失礼いたします。我が君」
執務室からは快活な笑い声が響いていた。
こうして末公主は蘭将軍のもとに嫁いできた。
蘭将軍は歴戦の持ち主で、今まで行くたびの激戦をくぐりぬけ、豪快かつ冷静であると自他共に認識されていたが、この末公主に至っては、頭が追いつかなかった。
初めてその姿を見て驚いたのは、その西域出身であろうとも思わせるくるくるとした赤毛と赤みを帯びた乳白色の肌、緑色の大きな目で まごうことなき子供であった。
先の皇帝が西域から連れて帰った舞姫を後宮に入れたとのことは聞いていたからおよそその姫であろう、出産と共に亡くなったと聞いていたから、きっと周囲から邪険に扱われ、そのため皇帝が結婚年齢に至る前に嫁がせたのだと蘭雪順は考えを巡らせた。
蘭将軍は公主の部屋に足を運んだ。
部屋に足を踏み入れると公主は布団の中にいた。
寝台の端に腰を下ろして蘭将軍は困った。子供の扱いがてんでわからないのだ。
「眠くないのか、怖くないか?」出来るだけ優しく言ってみた
緑の目がじっと将軍の目を見てきた。こくりとその小さな顔がうなずいた。
「俺の名前は雪順だ 雪と呼んでおくれ お前の名はなんと言う」
「末です」声を初めて聞いたが、その消え入りそうな声を聞いて雪順はため息をつきたくなった。
末公主は徐に布団から出て、雪順の前にちょこんと座った。
「今日のお勤めをします。」
雪順は驚き「一体何のことだ」と尋ねた。
「お好きなようになさってください。」
雪順はいきなり石で頭を殴られたような衝撃を受けた。
「おまえはまだ小さいから」
お勤めをしないと叱られます。
驚きを隠しながら、
「 お前が大人になったら思う存分 抱くとも さあ安心してお休み 寝るまで抱きしめてあげよう」
とその小さい肩を抱きしめながら蘭将軍は幼い公主に男女の睦ごとを教えた人間達へ強い怒りを覚えたと同時にお荷物と思っていたこの幼子を愛しいと思った。
気がつくと公主はすでに寝入っていた。
雪順は公主の腕の中でまどろんでいる姿に安堵してそっと公主の耳に口を近づけ、そっと呟いた。
「 俺のお姫様」 雪順の一目惚れだった。
公主はこんこんと寝ていた。
外には雪がはらはらと降っていた。
洋という国はもともと草原の民であったが洋の初代国王が政略戦争を行なってからかなりの領土を広げてきた。王河というところを征服しいたのち大陸の中央から東までを統一し、今では色々な毛色の人間までが、貿易や学問の研究のためにやってきていた。戦争は終わっていたが、たくさんの人間がやってくるため、犯罪や乱闘は日々耐えなかった。
都 朱の守りをしていたのが、退役兵である将軍蘭雪順であった。
国王の執務室で、将軍蘭雪順はその端正な顔をしかめていた。
「私には身に余りすぎます。公主の婿として役不足です。非礼を覚悟して申し上げますが、今回のことは辞退させていただきたく存じます。」
「雪」と王がいった。その女性ともとれるその顔はどこか面白そうだった。
「我が君」
「雪 君とは乳兄弟の仲で、赤ん坊のときから一緒に過ごしていたが、そんな困った顔をみるのは初めてだ」とこちらも端正な顔立ちではあるが、こちらは女性とも見紛う顔である王が面白そうに言った。
「嫁をもらうことは初めてで」
「何ごとも経験だ」
雪順はふと真面目な顔になった
「我が君 私は叩き上げの成り上がりです。 確かに将軍という座についていますが、
この国には、何代も前からの貴族の方がいらっしゃいます。
その方たちを差し置いて私が公主様を頂くことはできかねます。」
「正論だな 蘭雪順 だが、今回は大丈夫だ 先の戦の功労賞ということにするからなにも言われまい 余の一番姫なら問題はあるが、先の皇帝の一番末の公主 世の妹にあたるが
それならなにもいわれまいよ」
「しかし私はがさつですし、雅でもありません。軍でそだちましたから、荒れくるものです」
「雪 私は雪に末公主をもらって欲しいんだ」と王の口調が有無を言わせない口調になった。
2組の双眸がふと絡まった。
雪順の顔から困惑さが消えた。
「我が君 それをお望みなら私が公主様を頂戴いたしましょう」と膝を屈し一礼した。
「うむ 礼をいう」
「ではこれにて退出させていただきます。陛下」
雪順が扉の向こうに行こうとすると徐に王が言った。
「公主はな、今年で8つだ」
「・・・」
「失礼いたします。我が君」
執務室からは快活な笑い声が響いていた。
こうして末公主は蘭将軍のもとに嫁いできた。
蘭将軍は歴戦の持ち主で、今まで行くたびの激戦をくぐりぬけ、豪快かつ冷静であると自他共に認識されていたが、この末公主に至っては、頭が追いつかなかった。
初めてその姿を見て驚いたのは、その西域出身であろうとも思わせるくるくるとした赤毛と赤みを帯びた乳白色の肌、緑色の大きな目で まごうことなき子供であった。
先の皇帝が西域から連れて帰った舞姫を後宮に入れたとのことは聞いていたからおよそその姫であろう、出産と共に亡くなったと聞いていたから、きっと周囲から邪険に扱われ、そのため皇帝が結婚年齢に至る前に嫁がせたのだと蘭雪順は考えを巡らせた。
蘭将軍は公主の部屋に足を運んだ。
部屋に足を踏み入れると公主は布団の中にいた。
寝台の端に腰を下ろして蘭将軍は困った。子供の扱いがてんでわからないのだ。
「眠くないのか、怖くないか?」出来るだけ優しく言ってみた
緑の目がじっと将軍の目を見てきた。こくりとその小さな顔がうなずいた。
「俺の名前は雪順だ 雪と呼んでおくれ お前の名はなんと言う」
「末です」声を初めて聞いたが、その消え入りそうな声を聞いて雪順はため息をつきたくなった。
末公主は徐に布団から出て、雪順の前にちょこんと座った。
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「お好きなようになさってください。」
雪順はいきなり石で頭を殴られたような衝撃を受けた。
「おまえはまだ小さいから」
お勤めをしないと叱られます。
驚きを隠しながら、
「 お前が大人になったら思う存分 抱くとも さあ安心してお休み 寝るまで抱きしめてあげよう」
とその小さい肩を抱きしめながら蘭将軍は幼い公主に男女の睦ごとを教えた人間達へ強い怒りを覚えたと同時にお荷物と思っていたこの幼子を愛しいと思った。
気がつくと公主はすでに寝入っていた。
雪順は公主の腕の中でまどろんでいる姿に安堵してそっと公主の耳に口を近づけ、そっと呟いた。
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外には雪がはらはらと降っていた。
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