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第8章 淫毒におかされた肉体が…
6 何をされても気持ちいい
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ほんの少し前まで残酷な制裁をしてみせた男が、そんな非情さなどつゆとも漂わせずに詫びを口にし、手を伸ばしてくる。
口輪が先に外され、外套がまくり上げられた。
「っ…」
大きな手に足首を捕らわれて、ブルルッと反射的に身を震わせる。
ただ掴まれただけだというのに、言いようのない刺激が頭の先まで駆け抜けて、まずい…と息をのんだ。
痛みだけではないのだ。
むしろ逆だ――とその正体にすぐさま思い至り、狼狽えずにはいられない。
だが、そんなわずかな間にも、遠慮なく足を左右に広げられて、逞しい体躯によって両脚の間にしっかりと陣取られた。
「ずいぶんと腫れてるな」
眉間に皺を寄せた美形に、シュル、シュルルッとふくらはぎから靴紐が手際よく解かれて、いともたやすく革靴が脱がされる。
「淫毒を注がれ、霊気を吸われたか」
「あっ…」
「やってくれたな、あのクズが…」
さすがに二カ所も噛まれているとは思わなかったのか。
ジュクジュクとした、牙で付けられた穴が確かめるように指先で触れられて、ビクンッと全身が波打った。
あぁ…と打ちのめされる。
もはや否定しようもない。
窪んだ四つの穴の一つ一つを、流れ落ちる血を拭うようにしながらなぞられる度に走り抜けるのは快感だ。
どうしようもなく感じている。
オルフェウスの言うとおりに、淫らにさせられる毒が注入されてしまっているのだ。
「オル…フェ…ウス…ハァハァ…」
それでも、この湧き上がり続ける劣情の波にのまれたくないと。
名を呼んで、頼むからほっといてくれとまわらない口で懇願した。
これ以上はいいから…と。
けれども、まるで何の音も聞こえていないかのように美しい顔が狙いを定めて下がっていく。
迷うことなく噛み痕に口づけられて、アァッとのけぞった。
「よくも、この身体に傷を付けてくれたな」
瞬時にして怒りを滾らせた者に、腹立たしい痕跡なんか全て消し去ってやるとばかりに、まずはふくらはぎに、次は内股にと。
そしてまた、ふくらはぎにと。
執拗なまでに交互にキツく吸い上げられて、アァッ、アァッ、アァッと立て続けに喘いだ。
(そ、そんな…)
何をされても気持ちがいい。
吸われるだけでなく、ねっとりとした厚みがまわりの肌を這うその感覚もたまらない。
全身が性感帯にでもなったかのようだ。
もっと、舐めてと。
もっと、してと。
つい浅ましく腰をくねらせそうになって、相手が身を起こした途端に必死に掻き集めるようにして外套で下腹部を覆い、分厚い胴鎧の下の昂ぶりを隠した。
「オル、フェウス…た、たのむ…から…」
知られたくない。
オルフェウスには知られたくないと。
波打つように沸き起こる疼きを身を捩って堪え、ハァハァと息を弾ませながら訴えた。
「も、ほっといて…くれ…」
口輪が先に外され、外套がまくり上げられた。
「っ…」
大きな手に足首を捕らわれて、ブルルッと反射的に身を震わせる。
ただ掴まれただけだというのに、言いようのない刺激が頭の先まで駆け抜けて、まずい…と息をのんだ。
痛みだけではないのだ。
むしろ逆だ――とその正体にすぐさま思い至り、狼狽えずにはいられない。
だが、そんなわずかな間にも、遠慮なく足を左右に広げられて、逞しい体躯によって両脚の間にしっかりと陣取られた。
「ずいぶんと腫れてるな」
眉間に皺を寄せた美形に、シュル、シュルルッとふくらはぎから靴紐が手際よく解かれて、いともたやすく革靴が脱がされる。
「淫毒を注がれ、霊気を吸われたか」
「あっ…」
「やってくれたな、あのクズが…」
さすがに二カ所も噛まれているとは思わなかったのか。
ジュクジュクとした、牙で付けられた穴が確かめるように指先で触れられて、ビクンッと全身が波打った。
あぁ…と打ちのめされる。
もはや否定しようもない。
窪んだ四つの穴の一つ一つを、流れ落ちる血を拭うようにしながらなぞられる度に走り抜けるのは快感だ。
どうしようもなく感じている。
オルフェウスの言うとおりに、淫らにさせられる毒が注入されてしまっているのだ。
「オル…フェ…ウス…ハァハァ…」
それでも、この湧き上がり続ける劣情の波にのまれたくないと。
名を呼んで、頼むからほっといてくれとまわらない口で懇願した。
これ以上はいいから…と。
けれども、まるで何の音も聞こえていないかのように美しい顔が狙いを定めて下がっていく。
迷うことなく噛み痕に口づけられて、アァッとのけぞった。
「よくも、この身体に傷を付けてくれたな」
瞬時にして怒りを滾らせた者に、腹立たしい痕跡なんか全て消し去ってやるとばかりに、まずはふくらはぎに、次は内股にと。
そしてまた、ふくらはぎにと。
執拗なまでに交互にキツく吸い上げられて、アァッ、アァッ、アァッと立て続けに喘いだ。
(そ、そんな…)
何をされても気持ちがいい。
吸われるだけでなく、ねっとりとした厚みがまわりの肌を這うその感覚もたまらない。
全身が性感帯にでもなったかのようだ。
もっと、舐めてと。
もっと、してと。
つい浅ましく腰をくねらせそうになって、相手が身を起こした途端に必死に掻き集めるようにして外套で下腹部を覆い、分厚い胴鎧の下の昂ぶりを隠した。
「オル、フェウス…た、たのむ…から…」
知られたくない。
オルフェウスには知られたくないと。
波打つように沸き起こる疼きを身を捩って堪え、ハァハァと息を弾ませながら訴えた。
「も、ほっといて…くれ…」
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