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ほぼ全裸にしてやったおばあさんを

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 ですが、そこは妻を心より愛するおじいさんです。
 ほぼ全裸にしてやったおばあさんを両腕に抱えるとすくっといきなり立ち上がりました。

「今日はとても楽しい一時をありがとうございました。
 我々は年なものですからこれ以上は眠気に勝てません、もう、お開きにしましょう」

 全く説得力のない言葉を全くにこやかではない瞳で言われました。
 もちろん従うしかありません。
 邪魔するな、今すぐ帰れとおじいさんのオスの瞳が雄弁に物語っているのですから。
 逆らえるはずがありません。
 軍服姿で待機していたオイロケ地蔵の出番はどうしましょうなんて言えるはずもありません。

「そ、そうですね…では、すぐに原状回復を…」
「いえ、それは後日でかまいませんから」

 ぴしゃりと告げられて、後日があるんだと思いながらインテリ地蔵が、は、はいと応じました。

「では、おまけもその時で…」
「いえ、それは今ください」

 即答でおじいさんがねだりました。
 ジゾーズが、もぅおじいさんったらと心の中でツッコみます。
 そんなわがままも許されてしまう美貌なのです。

「じゃあ、ちょっとあの…お手数ですが一度またお座り頂いて…」

 高速で提案を天秤にかけた結果、おじいさんの中でこのまま突撃セックスタイムより寿命を一緒にする重要さがやはり勝ったのでしょう。
 ふーっと息を長く吐くとおばあさんをソファーの上に下ろしました。
 おばあさんが急いで服を床から取り上げて身に付けます。
 その姿は恥ずかしさから首まで真っ赤です。
 人の露出にはうるさいというのに、あっという間にみんなの前で脱がされた自分は何なのだろうかと。
 見せびらかしたかったおじいさんの二重基準ダブルスタンダードにはまいってしまいます。

「ショタ、例の玉手箱を」
「ん、わかった」

 パタパタと舞台裏にショタ地蔵が姿を消し、すぐにまた戻ってきました。

「こちらを開けて頂くと煙が出ますが、それは気にしないで下さい。
 演出上の単なる蒸気なので、ささ」

 朱色の紐が括られた黒の漆に金色の唐草模様が描かれた豪華な箱が差し出され、二人で持つように誘導されます。
 手にしたおじいさんとおばあさんが視線を合わせました。

「おじいさん、これは一体…」
「ん、お地蔵さまが私たちの寿命を一緒にしてくれるらしい」
「えっ…」
「ずっと…最後の時までずっと一緒だよ…そしてずっと愛してる」
「おじいさん…」

 ジゾーズがキラキラとした瞳となって二人を見つめます。
 寵愛する者と寵愛される者へのときめきが止まりません。

「ささ、どうぞ、お二人で紐を解いて下さい」

 このまま押し倒して押し倒されて、弄って弄られて、喘がせて喘がされての。
 そんな激流のような営みが今にでも始まってしまいそうな気配にインテリ地蔵がすぐさま促しました。
 シュルッと朱色の紐を解けば、ふわぁと白い煙が箱から一面に溢れ出ます。
 シーンと場が静まりかえりました。

「……」

 はい、以上をもってして終了です。
 何も起こりません。
 興ざめです、興ざめです。
 全くの興ざめです。
 何一つ盛り上がりません。

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