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まさか…ここで…?

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(ひぃ~た~す~け~て~~)

 一生懸命に築き上げた先ほどまでの好感度がゼロどころかマイナスになった気配を察して、インテリ地蔵が早々に白旗をあげました。
 そんな仲間の救援信号にすぐさまガチムチ地蔵が反応し、入れ替わるようにして花道に立ちます。

「つ、次の、ガチムチ地蔵は鍛えられた…いや違う…そう、ガテン系ファッションだ~!!」

 おじいさんの前でおばあさんの気を引くような肉体美は決して見せてはならない。
 わかってるよなと。
 ヤンチャ地蔵が祈るような気持ちになってガチムチ地蔵を紹介しました。
 そんな仲間に大丈夫、わかってるってと。
 ガチムチ地蔵も思念伝達テレパシーで応じます。
 服装だって当初予定していたSMハード系から変更しています。
 健康路線にしたのですから問題ないでしょう。
 我々はロックユーするゾなどと。
 世界的に有名な歌を口パクしながら、バッと。
 マントを脱ぎ捨てると中に隠し持っていたツルハシを肩にのせて笑って見せました。
 首回りの白いタオルで額を拭い、今日も暑いなぁという演出もやってみせます。
 作業服ジャンパーの前を開けました。

「わぁ、すごい筋肉…」

(ひぃ~お~ば~あ~さぁ~ん~そ~れ~は~~)

 タンクトップのぱっつんぱっつんの胸筋を目にするや否や呟いたおばあさんに、ジゾーズの心の声がハモりました。
 案の定、腕と長い足を組んで舞台を眺めていたおじいさんの瞳にどうしようもないほどの険しさが、それって殺意なんじゃと思えるほどの色味が漂います。
 片手を口元にあてて隣のおばあさんを横目で凝視しました。
 おばあさんからすれば、しっかりと鍛えているんだなぁ程度の純粋な感想です。
 ですが、おじいさんからするとそうではありません。

「えっ…」

 ぐいっとあごを掴まれるや否や深く口づけられて、おばあさんの薄紫色の瞳が大きく見開きました。

「ん~~っ」

 当たり前のように舌を挿し入れられて、そのままポスンッとソファーの上に押し倒されてしまいました。

「お、おじいさんっ…」

 人前いやもとい地蔵前だというのになにを考えているのかとおばあさんが焦ります。

「ちょっ…だ、だめですよっ」

 お構いなしに弄る手があっという間に夜着の帯を取り、着物を脱がし、パサリと床に落としました。

(ま、まさか…ここで…?)

 その時、関係者の驚きの声が一致しました。

 なんということでしょう。
 なんという展開になってしまったのでしょう。
 見たいかと聞かれれば、もちのろんで見たいです。
 元々はストリップショーを予定していたわけであって。
 その会場に相応しい妖しげな光の線やら球やらが激しく、そしてランダムに飛び交い続けています。
 そんな中をジゾーズが立ち竦みながらゴクリと喉を鳴らしました。
 今から絶景が見られるかもしれないのです。
 たまりません。

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