13 / 40
彼シャツスタイル
しおりを挟む
一度背中を向けるとフリフリとお尻を曲に合わせて振って見せます。
そして前をまた向くとベリッと一気に下衣を全部引き剥がしたのです。
「!!」
まさにそれは一瞬の出来事です。
もはやマジックショーの域、実際は面ファスナーってすごいなぁの域です。
中から出てきたふんどし一丁の姿は笑いを取るためでしょう。
ですが大変です。
大変なことが起きてしまっています。
口元を手で押さえて驚いているおばあさんの横でおじいさんの目に剣呑とした光がただならない勢いで宿ってしまいました。
まずい、どうしてそこまでやったんだ、尻を振るとこまででよかったのにと。
インテリ地蔵も一瞬にして青ざめ、焦ります。
音楽を急いで変えるとインキャ地蔵を押し出しました。
怒気視線を烈火の如くくらったヤンチャ地蔵もまた逃げるようにして裏へと引っこみました。
「えっと…あの…インキャ…地蔵…です」
紹介のアナウンスもなく舞台に突然立たされた青年がおずおずと名乗ります。
実にやる気のない感じでマントを外しました。
「えっ…」
脱いだというのにさらに分厚い外套を中に着ていて、その姿におばあさんが首を傾げました。
しかも、そのまま何事も起きずに音楽だけが流れていきます。
頬まで長い前髪をかき分けることも口パクで歌うことすらしません。
しばらくしてインキャ地蔵があきらめたかのようにため息をつきながらコートを脱ぎました。
「あっ…」
パサリと落とされるや否や、ダボダボのシャツを着た姿が現れました。
袖も長く襟元も鎖骨が見えるほどにゆるく、下にパンツを履いてるのどうかわからない丈の状態です。
つまりは彼シャツスタイルです。
予定外にしてしまったお泊まりの翌日設定です。
露出された生足におじいさんがまたムッとした気配を見せました。
けれども――
「あ、これならできるかも…」
ボソリと横で呟いたおばあさんにパァアと顔色が一瞬のうちに逆転しました。
おばあさんの魅力おそるべしです。
にやける口元を押さえるかのようなおじいさんの仕草にジゾーズとしては安堵しかありません。
「はいはい、では次も気持ちよくいきましょ~、うちらがエース、インテリ地蔵~!!」
場の雰囲気が回復しての出番になってインテリ地蔵が堂々と舞台へと立ちました。
バッとマントを勢いよく放り投げれば、ビシッと決まったスーツ姿です。
まるで処女のように、ヘイなどと。
ここでもまたどこかの外国の曲を口パクしながら。
わざと水で濡らして後ろに撫でつけていた黒髪に両手を差し入れて、悩ましげに首を振って無造作に乱します。
シュルと指先でネクタイを緩めて眼鏡を取ると唇に先セルをあて、チラリと赤い舌を出しました。
「あっ…」
声を上げたおばあさんの反応にスッとおじいさんの目が半分閉ざされました。
ギクリとインテリ地蔵が固まります。
全く露出していないというのに一瞬にしてかなり嫌われた感がするのはなぜでしょうか。
ものすごく睨まれています。
おばあさんからすれば、おじいさんに似合いそうな服と眼鏡だという意味合いの、あっ…だったのですが、おじいさんにはアッ、ンッのアッに聞こえています。
今や敵視です。
そして前をまた向くとベリッと一気に下衣を全部引き剥がしたのです。
「!!」
まさにそれは一瞬の出来事です。
もはやマジックショーの域、実際は面ファスナーってすごいなぁの域です。
中から出てきたふんどし一丁の姿は笑いを取るためでしょう。
ですが大変です。
大変なことが起きてしまっています。
口元を手で押さえて驚いているおばあさんの横でおじいさんの目に剣呑とした光がただならない勢いで宿ってしまいました。
まずい、どうしてそこまでやったんだ、尻を振るとこまででよかったのにと。
インテリ地蔵も一瞬にして青ざめ、焦ります。
音楽を急いで変えるとインキャ地蔵を押し出しました。
怒気視線を烈火の如くくらったヤンチャ地蔵もまた逃げるようにして裏へと引っこみました。
「えっと…あの…インキャ…地蔵…です」
紹介のアナウンスもなく舞台に突然立たされた青年がおずおずと名乗ります。
実にやる気のない感じでマントを外しました。
「えっ…」
脱いだというのにさらに分厚い外套を中に着ていて、その姿におばあさんが首を傾げました。
しかも、そのまま何事も起きずに音楽だけが流れていきます。
頬まで長い前髪をかき分けることも口パクで歌うことすらしません。
しばらくしてインキャ地蔵があきらめたかのようにため息をつきながらコートを脱ぎました。
「あっ…」
パサリと落とされるや否や、ダボダボのシャツを着た姿が現れました。
袖も長く襟元も鎖骨が見えるほどにゆるく、下にパンツを履いてるのどうかわからない丈の状態です。
つまりは彼シャツスタイルです。
予定外にしてしまったお泊まりの翌日設定です。
露出された生足におじいさんがまたムッとした気配を見せました。
けれども――
「あ、これならできるかも…」
ボソリと横で呟いたおばあさんにパァアと顔色が一瞬のうちに逆転しました。
おばあさんの魅力おそるべしです。
にやける口元を押さえるかのようなおじいさんの仕草にジゾーズとしては安堵しかありません。
「はいはい、では次も気持ちよくいきましょ~、うちらがエース、インテリ地蔵~!!」
場の雰囲気が回復しての出番になってインテリ地蔵が堂々と舞台へと立ちました。
バッとマントを勢いよく放り投げれば、ビシッと決まったスーツ姿です。
まるで処女のように、ヘイなどと。
ここでもまたどこかの外国の曲を口パクしながら。
わざと水で濡らして後ろに撫でつけていた黒髪に両手を差し入れて、悩ましげに首を振って無造作に乱します。
シュルと指先でネクタイを緩めて眼鏡を取ると唇に先セルをあて、チラリと赤い舌を出しました。
「あっ…」
声を上げたおばあさんの反応にスッとおじいさんの目が半分閉ざされました。
ギクリとインテリ地蔵が固まります。
全く露出していないというのに一瞬にしてかなり嫌われた感がするのはなぜでしょうか。
ものすごく睨まれています。
おばあさんからすれば、おじいさんに似合いそうな服と眼鏡だという意味合いの、あっ…だったのですが、おじいさんにはアッ、ンッのアッに聞こえています。
今や敵視です。
0
あなたにおすすめの小説
星降る夜に ~これは大人の純愛なのか。臆病者の足踏みか。~
大波小波
BL
鳴滝 和正(なるたき かずまさ)は、イベント会社に勤めるサラリーマンだ。
彼はある日、打ち合わせ先の空き時間を過ごしたプラネタリウムで、寝入ってしまう。
和正を優しく起こしてくれたのは、そこのナレーターを務める青年・清水 祐也(しみず ゆうや)だった。
祐也を気に入った和正は、頻繁にプラネタリウムに通うようになる。
夕食も共にするほど、親しくなった二人。
しかし祐也は夜のバイトが忙しく、なかなかデートの時間が取れなかった。
それでも彼と過ごした後は、心が晴れる和正だ。
浮かれ気分のまま、彼はボーイズ・バーに立ち寄った。
そしてスタッフメニューの中に、祐也の姿を見つけてしまう。
彼の夜の顔は、風俗店で働く男娼だったのだ……。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
のほほんオメガは、同期アルファの執着に気付いていませんでした
こたま
BL
オメガの品川拓海(しながわ たくみ)は、現在祖母宅で祖母と飼い猫とのほほんと暮らしている社会人のオメガだ。雇用機会均等法以来門戸の開かれたオメガ枠で某企業に就職している。同期のアルファで営業の高輪響矢(たかなわ きょうや)とは彼の営業サポートとして共に働いている。同期社会人同士のオメガバース、ハッピーエンドです。両片想い、後両想い。攻の愛が重めです。
寡黙なオオカミαにストーカー気質のネコΩが嫁いだ話
かとらり。
BL
誰もがケモミミとバース性を持つ世界。
澪は猫種のΩだった。
引っ込み思案の澪は半ばストーカーのように密かに追いかけている憧れの人がいる。
狼種のαの慶斗だ。
そんな慶斗にいきなり嫁ぐことが決定した澪。話しかけるのも無理なのに結婚なんてできるの?
しかも慶斗は事情があるらしくー…
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる