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秒でイチコロ
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『服を脱ぐ参考にしたい…だって、いつも脱がされてばかりだけど…たまには脱ぐところを見せたいから』
こんな告白を聞いてしまった日にはイチコロです、イチコロです。
こりゃもう秒でイチコロです。
これで落ちないオスはいません。
「じゃ、まぁ、はだける程度なら…例えば歌いながらとか? 歌が主でほんの少し…はだける程度なら…ま、いいかなとは思うけど…」
案の定おじいさんは落ちました。
おばあさん、さすがですとジゾーズが脱帽したのは言うまでもありません。
「あくまでも歌がメインで!!」
譲歩した体裁を保ちながらおじいさんが念を押し、はいっとジゾーズが大きく返事をしました。
舞台裏に移動すると円陣を組んで、大丈夫だよな、過激になってないよなと互いに確認し合います。
ショタ、インテリ、インキャ、ヤンチャ、ガチムチ地蔵が揃ってオイロケ地蔵により注意を促しました。
曲も被らないようにします。
えいえいおーと叫んで気合いを入れるとノリのいい音楽とともにまずはショタ地蔵が先陣を切りました。
「まずはやっぱりこの地蔵でしょ、永遠の少年、ショタ地蔵~!!」
煽りのうまいヤンチャ地蔵の紹介とともに小柄な身体が肩を揺らしながら舞台を闊歩します。
この時代の地蔵菩薩さ、掴め、1番の座、カモン、カモン、カモンなどと。
元気な曲を口パクしつつ、投げキスしつつ花道の真ん中で立ち止まるとバサッとマントを放り投げました。
(わぁ…)
光線が舞台に観客席にと乱舞して照らす中、現れ出た異国風の少年装におばあさんの顔が輝きました。
白いシャツに紺のリボンタイ、サスペンダーで持ち上げられた紺と緑のチェック柄の短パンにソックスガーターベルトで留められた長い靴下と。
当初は男児の体操着で上も下も脱いだら白ブリーフ一丁を計画しておりましたが、おじいさんの前でそんなことを決めたら一発退場です。
できるはずがありません。
ショタ地蔵がこちらにしてよかったとおばあさんの笑顔を見てグッと手を握りしめました。
クルクルした茶色い巻き毛に愛らしい大きな瞳と。
見た目だけならば孫の世代なのです。
町に働きに出たイケメンの息子たちには次世代がいて、おばあさんからすると微笑ましくてたまりません。
そして、そんなおばあさんにおじいさんの目も釘付けです。
脱いだ上着を片手で振り回しながら退場する少年が温かなまなざしで見送られると、掴みはおっけと他のお地蔵さんたちも安堵しました。
「次はこのオレさま、みんなのナイスガイ、ヤンチャ地蔵~!!」
マイクをインテリ地蔵に手渡しながらカーボーイハットを被ったヤンチャ地蔵が身体を上下に弾ませながら花道へと歩いてきます。
バッとマントを脱ぎ捨てると異国の西部劇の衣装が現れました。
オレに心を開いてよ、ダーリンなどと。
異国の曲を口パクしつつ左右の腰のホルダーから銃を抜いてクルクルクルと両手で回して見せます。
カシャッとまた収めてきれいに決めると、わぁと感動するおばあさんの前で太腿まで覆う黒革のジーンズカバーに手をかけました。
こんな告白を聞いてしまった日にはイチコロです、イチコロです。
こりゃもう秒でイチコロです。
これで落ちないオスはいません。
「じゃ、まぁ、はだける程度なら…例えば歌いながらとか? 歌が主でほんの少し…はだける程度なら…ま、いいかなとは思うけど…」
案の定おじいさんは落ちました。
おばあさん、さすがですとジゾーズが脱帽したのは言うまでもありません。
「あくまでも歌がメインで!!」
譲歩した体裁を保ちながらおじいさんが念を押し、はいっとジゾーズが大きく返事をしました。
舞台裏に移動すると円陣を組んで、大丈夫だよな、過激になってないよなと互いに確認し合います。
ショタ、インテリ、インキャ、ヤンチャ、ガチムチ地蔵が揃ってオイロケ地蔵により注意を促しました。
曲も被らないようにします。
えいえいおーと叫んで気合いを入れるとノリのいい音楽とともにまずはショタ地蔵が先陣を切りました。
「まずはやっぱりこの地蔵でしょ、永遠の少年、ショタ地蔵~!!」
煽りのうまいヤンチャ地蔵の紹介とともに小柄な身体が肩を揺らしながら舞台を闊歩します。
この時代の地蔵菩薩さ、掴め、1番の座、カモン、カモン、カモンなどと。
元気な曲を口パクしつつ、投げキスしつつ花道の真ん中で立ち止まるとバサッとマントを放り投げました。
(わぁ…)
光線が舞台に観客席にと乱舞して照らす中、現れ出た異国風の少年装におばあさんの顔が輝きました。
白いシャツに紺のリボンタイ、サスペンダーで持ち上げられた紺と緑のチェック柄の短パンにソックスガーターベルトで留められた長い靴下と。
当初は男児の体操着で上も下も脱いだら白ブリーフ一丁を計画しておりましたが、おじいさんの前でそんなことを決めたら一発退場です。
できるはずがありません。
ショタ地蔵がこちらにしてよかったとおばあさんの笑顔を見てグッと手を握りしめました。
クルクルした茶色い巻き毛に愛らしい大きな瞳と。
見た目だけならば孫の世代なのです。
町に働きに出たイケメンの息子たちには次世代がいて、おばあさんからすると微笑ましくてたまりません。
そして、そんなおばあさんにおじいさんの目も釘付けです。
脱いだ上着を片手で振り回しながら退場する少年が温かなまなざしで見送られると、掴みはおっけと他のお地蔵さんたちも安堵しました。
「次はこのオレさま、みんなのナイスガイ、ヤンチャ地蔵~!!」
マイクをインテリ地蔵に手渡しながらカーボーイハットを被ったヤンチャ地蔵が身体を上下に弾ませながら花道へと歩いてきます。
バッとマントを脱ぎ捨てると異国の西部劇の衣装が現れました。
オレに心を開いてよ、ダーリンなどと。
異国の曲を口パクしつつ左右の腰のホルダーから銃を抜いてクルクルクルと両手で回して見せます。
カシャッとまた収めてきれいに決めると、わぁと感動するおばあさんの前で太腿まで覆う黒革のジーンズカバーに手をかけました。
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