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少しだけならいいでしょ?

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「困ります」

 おじいさんがきっぱりと拒みました。
 自分は総攻めで知られていた時代に多少のやんちゃをしていて知っています。
 けれども総受け路線を随分と昔に卒業し、一途で純朴となった愛するおばあさんにその手の物を見せるわけにはいきません。

「あ、大丈夫ですよ、おじいさん、わかっています。
 我々も一応仏の眷属ですから」

 そんなおじいさんにフフッとインテリ地蔵がまた笑いました。

「おじいさんとおばあさんは互いに愛し合っていて他の者の露出なんて興味はありません。
 おじいさんはおばあさんに見せたくもないでしょうし、おばあさんもおじいさんに見せたくないでしょう…だから、ほんの少しだけです」

 いや、ちょっと待ってと。
 その瞬間、おじいさんは思ってしまいました。
 こちらの事情を理解しているのなら、なぜやると。
 やらなくていいだろと喉まで出かかります。

「もう健全も健全。
 その手の界隈からすれば詐欺だろってくらい健全です、ほんのちょろっとはだけるくらいですから」
「いや、すみませんが……それは本当に勘弁して下さい」
「えっ…」

 おじいさんの断固として拒絶する声にシーンとその場が静まり返りました。
 あんなに明るく馬鹿騒ぎをしていたジゾーズがみんなしてションモリとしてしまいました。

「えっと…どうしても…ですか…喜んで頂けるかなと思っていたのですが…」
「……」
「お、おじいさん、ね、いいじゃないですか、ほんのちょろっとなら」

 その場の空気を読んで、おばあさんが救いの手を出しました。

「それはもちろん過激なのは困りますけど…でも、ほんのちょっとなら…見てみたいかも」
「おばあさん…」

 ジゾーズがキラキラとした瞳となっておばあさんを見つめます。

「でも、オレは君がオレ以外の…その…裸とかを目にするのがやなんだ」
「おじいさん…」

 ジゾーズがキラキラとした瞳となって今度はおじいさんを見つめます。
 おじいさんの溺愛執着ぶりにときめきが止まりません。

「オレは君以外は見たくない。だから君もオレ以外は見ないで」

 なんということでしょう。
 すごい想いです。
 愛が重いです。
 こうなるともう完敗の乾杯です。
 ごめんなさい、本っっ当に余計な企画でと。
 ジゾーズが一同そろって土下座をしようとしたその時です。
 おばあさんがふわりとおじいさんに身を寄せて、ぼそりとその耳元で何かを呟きました。

「ッ!!」

 するとおじいさんがブルッと身震いしておばあさんを凝視しました。
 その瞳は驚きに満ちながらもどこか嬉しそうに輝いています。

「だから…ね、少しだけ…少しだけならいいでしょ?」

 おばあさんの甘ったるさを含む声での問いかけにコホンとおじいさんが咳払いをしました。

「いや、でも…」

 と返事をしながらも、気持ちが反転したのが手に取るようにわかります。
 そして傍らで見守るジゾーズにはその理由をしっかりと分かっていました。
 なんてったって一応は仏の眷属ですから。
 小声だろうとちゃんと聞こえます。
 おばあさんはこう言ったのです。

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