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ヤってるとこ、撮ろうぜ

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「あ、すみませ~ん、一応写真はお断りしてるんです」

 店番の慣れた感じの返事に、ほら見ろと。
 もう恥ずかしいだろと思ったの束の間。

「でも葉書として売ってるので、ぜひこちらを」
「なんだ、売ってんじゃん」
「はい、あと…殿さまとおじいさんがお使いになった客間を使用頂いた方限定販売グッズも当日はご用意してあります」

 えげつないです、えげつないです。
 商売根性がとてつもなくえげつないです。

「へぇ、そりゃ楽しみだよな」

 どのくらい寝かしたら、転売でいい値段になるだろうかと。
 こちらも負けずとえげつないワルコがニヤリと笑います。

「では三ヶ月後にお待ちしております」

 深々とお辞儀する店番を背に陰間茶屋を後にしました。

「あ~、さっすがに腹減ったよなぁ」

 外に出ると大きくのびをしたワルコが、なぁ、ルオと肩を組んできます。

「今日はさ、もう、どっかに泊まろうぜ」
「えっ」
「いいだろ? かわいがってやるよ」

 赤く長い舌を見せびらかすようにしてペロリと。
 ワルコがワルオから視線をそらさずに上唇を舐めました。
 それこそトゥンクどころではありません。
 ズッックンッです。
 そのあまりにも性的セクシャルな仕草にワルオの肉体が反射的に疼きました。
 はだけたシャツの襟から見える鎖骨といい、筋トレで肉厚になった胸元といい、そのねちっこい視線といい、オス臭が半端ありません。
 さすが、感じてる振りをしていたビジネス系ネコからバリバリ気持ちいいタチに目覚めた男は違います。

(ダメ…このままじゃ…またメスになっちゃう…)

 ワルオが慌てて顔を下げました。

「動画も撮ろうぜ」
「えっ…」
「ワ・ルーイじいさんとばあさんがヤってるとこ」
「ッ!!」

 耳元で囁かれて反論の言葉が出遅れてしまいます。

「メイク一式も持ってきてるしさ、神おじいさんの聖地でベータのじいさんとばあさんもしっぽり体験で~す…ってな」
「だ、だめだって…そ、そんなの…」
「いいじゃねぇかよ、減るもんじゃねぇし」
「へ、減るよ」
「なにが?」
「そりゃ、だって…ほのぼので売ってるわけだし…そ、それに…」

 抱かれるのがおじいさんの方なわけですからワルオとしては複雑です。
 ウケるかどうか、よりも自分の気持ちが複雑なのです。

「アダルト路線は人気が低迷したらの…最終手段なわけ、だからさ…」
「早々に切り替えた方が爆上がりだと思うけどな…じゃ、ま、プライベート動画ってことで」
「えっ…」
「ガンガンに突いているとこ、撮ってやるよ」
「だ、だめだって」
「ほら、行くぞ」
「だから…だ、だめだって」

 頬を赤く染めてワルオが拒みました。
 ハメ盗りなんかされちゃったら困ると小さく返します。
 ですが、ワルコは譲る気はありません。

「チッ、満室か…みんな、どこもおんなじこと考えてるんだなぁ」
「ほんとだ」

 歩いてまわれば、即席系列店全てに満室御礼という立て札が立っています。
 おそるべし、おじいさんの威力です。
 それとちゃっかり便乗する人の根性もです。
 おじいさんの聖地でラブってきましたとSNSでアピールしたい人たちで溢れているのでしょう。

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