最高天使に恋をして~忘却の河のほとりには~

壱度木里乃(イッチー☆ドッキリーノ)

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淫欲に堕ちた妖精王子

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 魔獄谷一万魔族 淫魔の上で
 淫らな孔を 突いて 突きまくりましょう
 あん あぁ、ぁん あんぁん あんぁん
 あん あぁ、ぁん あんぁん ぁん(あはん)・・・
  
 音に合わせて、人形が腰を前後に動かし、股間で見事に反り返ったモノを突き入れるかのような動きを見せる。しかもそれだけじゃない。

 下の淫魔は顔をカクンカクンと動かして喘ぐ表情を見せ、上の淫魔にいたっては自分の長い尻尾を使って自らの孔もズクズクと突いている。その技巧の無駄な凝りよう。

 あん あぁ、ぁん あんぁん あんぁん
 あん あぁ、ぁん あんぁん ぁん(あはん)・・・

 ラシュレスタがスッと立ち上がった。

 「用事がないのでしたら、これで・・・」

 この後の行く先を踏まえて、バルコニーへ向かおうとした美しい背中を魔王がとがめる。

 「こ、こらぁ・・・な~にをいっておるのだぁ~ そなたは~ 二番からが見どころではないか・・・芸術性のない奴めぇ・・・まったくぅ・・・やれやれぇ・・・まぁ、よい・・・」

 魔王がポンッと魔鏡をサツに向かって投げた。

 「ラシュレスタよ、我はそなたに文句があるのだぞぉ・・・我が気がつかぬと思っておるのか~? そなた・・・最近、リリートゥ伯爵と・・・」

 足は止めたものの、立ち上がったままの相手。注意を向けさせるために、魔王がそこで一度、あえて口を閉ざした。冷ややかに見下ろす者と頬杖をついた者と。互いの視線が絡み合う時間。

 十分、間を取ってから魔王が口を開いた。

 「仲良しこよしで・・・・乳繰り合ってるようだが・・・そなた、我の妃という自覚があるのか~? 身体が疼いて寂しいというのなら、夫である我に素直に言わぬか~ 存分に可愛がってやるというのに~」

 「・・・・・・もとより、妃やらなんやらといった関係性が成り立っておりませんが、現状にご不満があるようでしたら、今すぐその大元の解除を」

 「いやいや、別に解除するほどの不満ではないのだぁ~ リリートゥは我も前々から狙っていた者・・・が・・・我のアレが? 大きすぎて? 壊れますぅ~ 無理ですぅ~ 怖いですぅ~ とか言っては、なんだかんだとかわされててのぅ・・・まぁ・・・つまり~ ん~? 言いたいことはのぅ・・・・・・我も混ぜぬかぁ~ なぜ誘わぬのだぁ~ そなたとリリートゥでは・・・楽しすぎるだろぅ」

 あまりにもくだらない。時間の無駄だな――用件がないにもかかわらず、呼び出されることにはなれているが。

 「リリートゥ伯爵と楽しみたいということでしたら、ご自身で直にお誘いを。では、失礼」

 軽く会釈をして、また歩き始めた。

 「おぅおぅ、また、なんともけちぃ奴よのぅ・・・」

 歩みを止めない背中に魔王が声をかけた。

 「あぁ~ そうだぁ~ そう言えばぁ~ 我らが司令官殿は~ ご存じだったかのぅ~ この魔界に不法侵入者がいたことを~」

 最後に本題を持ってくる、このいやらしさよ―――ラシュレスタが内心、舌打ちをした。

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