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愛に囚われた天使~シャルスティーヤ~
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放出されたあまたなる黄金の光の、そのあまりの神々しさと偉大さに。手こずっていた天使たちから一斉に歓喜に満ちた霊気が上がった。
だが、それらの声に応じることもなく。取り憑かれたかのように一心不乱に光を放つ。光り輝く美しき翼と長い髪を雨に濡らしながら。
やがて雨雲さえも蹴散らして。雲が消えて晴れた空に虹が広がると――
(あぁ・・・)
とようやく手を止めて。黒い滴が流れ落ちる顔を上げて静かに瞳を閉じた。
この憤りをどうしたらいいのか。幸いなことは、ラシュレスタにあの時の記憶が一切ないことだ。だが、見せつけられた自分は鮮明に覚えている。した相手もだ。それがどうしようもないほどに耐えがたく許しがたい。
「シャルスティーヤさま・・・あの、ありがとうございました」
おずおずと声をかけてきたネイオロスに。青空に戻った空と同じ色に瞳を変えて応じた。
「ん・・・他の場所はどうだ?」
「あ、はい。なんとか浄化できております。大丈夫かと。それよりも、シャルスティーヤさま・・・あの・・・だ、大丈夫ですか?」
いつもと何かが違うと察したのか。長年の右腕でもあるネイオロスに尋ねられ、微笑みで返す。
「あぁ、大丈夫だ。問題ない。魔王ゼフォーも居るべき場所へと落ち着いた。一丸となって迅速に対応してもらえたことに感謝している」
その言葉を合図にしたかのようにザッと周りの空間に天使たちが跪く。ゆっくりと時間をかけて一体、一体をねぎらうように見渡しながら一呼吸を置く。と高らかに告げた。
「正式には天界で話すが、まずはこの場にいる者へ報告する。この度、我はラシュレスタを取り戻した」
ハァァと息をのむような気配が湧き上がった。あの行く末が心配だった同胞をようやく取り返せたとは。多くの者の顔に喜びが満ちる。
「ラシュレスタは我にとって番いの天使なのだ。ゆえに魔王ゼフォーたる存在に執拗に狙われ、そそのかされ、長らく囚われた。だが浄化を済ませ、忘却の河の守護者として今日からまた我らとともにいる。喜んでくれ」
「シャルスティーヤさま・・・」
生きとし生けるもの、万物に万人に分け隔てることなく。無償なる愛を与える最高位たる天使から、番いという言葉を聞かされて。一瞬、動揺の気配がその場に流れる。
けれども自分たちの誇り高き存在が選んだ相手なのだ。道なのだ。誰が不服や異論などあろうか。
「誠に、誠に・・・おめでとうございます、シャルスティーヤさま!!」
ネイオロスが感極まった涙声で告げるや否や「シャルスティーヤさま、おめでとうございます!!」と一同が一斉に喜悦に満ちた清らかなる光を全身から放った。
「ん、ありがとう・・・これも皆のおかげだ。心から感謝する」
だが、それらの声に応じることもなく。取り憑かれたかのように一心不乱に光を放つ。光り輝く美しき翼と長い髪を雨に濡らしながら。
やがて雨雲さえも蹴散らして。雲が消えて晴れた空に虹が広がると――
(あぁ・・・)
とようやく手を止めて。黒い滴が流れ落ちる顔を上げて静かに瞳を閉じた。
この憤りをどうしたらいいのか。幸いなことは、ラシュレスタにあの時の記憶が一切ないことだ。だが、見せつけられた自分は鮮明に覚えている。した相手もだ。それがどうしようもないほどに耐えがたく許しがたい。
「シャルスティーヤさま・・・あの、ありがとうございました」
おずおずと声をかけてきたネイオロスに。青空に戻った空と同じ色に瞳を変えて応じた。
「ん・・・他の場所はどうだ?」
「あ、はい。なんとか浄化できております。大丈夫かと。それよりも、シャルスティーヤさま・・・あの・・・だ、大丈夫ですか?」
いつもと何かが違うと察したのか。長年の右腕でもあるネイオロスに尋ねられ、微笑みで返す。
「あぁ、大丈夫だ。問題ない。魔王ゼフォーも居るべき場所へと落ち着いた。一丸となって迅速に対応してもらえたことに感謝している」
その言葉を合図にしたかのようにザッと周りの空間に天使たちが跪く。ゆっくりと時間をかけて一体、一体をねぎらうように見渡しながら一呼吸を置く。と高らかに告げた。
「正式には天界で話すが、まずはこの場にいる者へ報告する。この度、我はラシュレスタを取り戻した」
ハァァと息をのむような気配が湧き上がった。あの行く末が心配だった同胞をようやく取り返せたとは。多くの者の顔に喜びが満ちる。
「ラシュレスタは我にとって番いの天使なのだ。ゆえに魔王ゼフォーたる存在に執拗に狙われ、そそのかされ、長らく囚われた。だが浄化を済ませ、忘却の河の守護者として今日からまた我らとともにいる。喜んでくれ」
「シャルスティーヤさま・・・」
生きとし生けるもの、万物に万人に分け隔てることなく。無償なる愛を与える最高位たる天使から、番いという言葉を聞かされて。一瞬、動揺の気配がその場に流れる。
けれども自分たちの誇り高き存在が選んだ相手なのだ。道なのだ。誰が不服や異論などあろうか。
「誠に、誠に・・・おめでとうございます、シャルスティーヤさま!!」
ネイオロスが感極まった涙声で告げるや否や「シャルスティーヤさま、おめでとうございます!!」と一同が一斉に喜悦に満ちた清らかなる光を全身から放った。
「ん、ありがとう・・・これも皆のおかげだ。心から感謝する」
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