Children Of The God's

鈴木ヨイチ

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第1章

新しい家族

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「俺は父ちゃんを超えるよ」
「よく言った。だが、まずは俺に勝てなければ、シナズさんの背中すら見えないぞ」

「あぁ、ゴウラクもガンジョウもシナズも、皆俺が超えるよ」

「シナズさんを超えるか……あの人は強い。でも、あの人以上に努力をすれば、ノーマならきっと勝てる」

「ありがとう。でもさ、勝つのは無理じゃない? もういないし」

「そんな事は無い。今はこれしか言えないが、いずれノーマにも分かる。強くなればな」

 今の俺には意味が分からないけど、今はまだそれでいいし、考えようとも思わない。

 考えなくても分かるようになるまで、強くなればいいだけだから。

 そしたら、ゴウラク師匠の期待にも応えられるし。

「あ、ノーマ。ここにいたんだ」
「おう」

 ウルが来てくれた。帰ろうとして俺を探してたけど、俺が台所を閉め切ったから、明かりが漏れなくて、中々見つからなかったらしい。 

「声が聞こえたけど、開けていいのか迷っちゃった」

「すまない、俺が引き止めてしまったんだ」
「あ、いえ、全然大丈夫です」

「じゃあ、今日はこの辺にしておこうか」
「うん、どうせまた明日来るし。じゃあありがとう、ゴウラク師匠」

「あぁ、気をつけて帰るんだぞ」
「ありがとう」
「ありがとうございます」

 台所を出て、ウルと2人でゴカイの元に向かった。

「師匠って何?」
「俺の相手をしてくれてるからな」

「あ、そうなんだ。じゃああたしの師匠は、ユウビさんて事だね」
「そういう事だな」

 そんな話しをしながら戻ると、ゴカイはまだ寝てた。

「さっきに起こしたのに……」
「じゃあ、すぐ起きるか」

 ゴカイを揺さぶると、眠たそうに目を擦りながら起きた。

「帰るか。もう20時過ぎてるし」
「あぁ……うん……そうだねぇ」

 そして、じいちゃん家を出て、帰路に就いた。

「じゃあ、まずはウルん家から行くか」
「え、いいよ。今日は明るいし」

「いや、ウルん家から行く。なぁゴカイ」
「うん、女の子だからねぇ」

「はぁ? あんたより強いんだけど」
「い、いや、そう言う意味じゃなくて……」

 ウルが、またゴカイに怒った。今は別に止める必要も無いから、放っておいた。

 それから、ウルの家に着くまで、ゴカイは怒られ続けた。

「ウル、もう止めとけ。家着いたぞ」
「え、ほんとだ。命拾いしたわね」
「してないよ……どんだけ怒るんだよぉ……」

「じゃあ、ありがとね。ノーマ。また明日」
「おう、じゃあな」

 ウルが家の中に入ったのを確認して、歩き出した。

「ねぇノーマ……僕にお礼は?」
「無かったな」

「なんか言ってよ! 仲間なんでしょ!」
「仲間なら気にすんな。それに、お礼言われたくて送って来たのか?」

「うぅぅ……それは……そうだねぇ」
「だろ。じゃあ気にすんな」

「分かったよ」

 単純な奴で助かった。それから他愛も無い話しをしながら歩いて、俺ん家の近くまで来た。

「じゃあ、僕はこっちだから」
「なぁ、お前俺ん家住めば?」

「え、なんで? それは迷惑だからいいよ」
「だってお前1人だろ。ならいいじゃん。ファジーもマーザも迷惑だなんて、思ってねぇし」

 昨日ファジーに話した事を、ゴカイに言ってみた。

「ほんとにいいの?」
「俺が聞いてんだよ! お前がいいか嫌かだろ」

「じゃあ…………行きたいな」
「よし、決まりだな。今からお前ん家に、必要な物だけ取りに行くぞ」

「今から? 明日でいいよ」
「今決めたんだから、今行くんだよ。場所分かんねぇから、早く行くぞ」

 ゴカイは納得した様子で、歩き出した。やっぱり単純な奴で助かったし、素直な奴だった。

 5分程歩くと、ゴカイの家に着いた。見た目は普通のアパートで、中に入らせてもらうと普通のワンルームだった。

「お邪魔しまーす。綺麗じゃん」
「どうぞ、物が無いからねぇ」

「俺はなんか手伝う?」
「あぁ、すぐに終わるから、座って待っててよ」

「じゃあ、なんかあったら言ってくれ。ちょっと寝てるから」
「分かったよ」

 邪魔にならないように、端の方で横になってると、夜闘の時に見た棚が、目に入った。

 何が入ってるのか気になって、3段ある内の1番上の引き出しを開けてみると、黒い封筒が入ってたから手に取った。

「なぁ、これ何?」
「うん? どれ?」

 手に取ったその封筒を、ゴカイに見せた。

「あぁ、それがリストだよ。シークから届いたやつ」
「そうなんだ。ファジーに渡したんじゃないの?」

「いや……今日持って行こうとしたんだけどさ……1人で持ってたくなくて、忘れた事にしちゃったんだよ……」

「狙われるって聞いて、ビビったって事か」
「まぁ……そうだねぇ……言わないでねぇ」

「そんな事言わねぇよ。これ見ていい?」
「あぁ、いいよ。もう少し待っててねぇ」

「おう」

 許可を貰って中を見ると、ゴカイの名前が書いてある紙が入ってた。


 ゴカイ様

 ※年齢 17 ※性別 男

 ※両親 無 ※兄弟 無 ※育成神 無

 ※能力 先見
 • 人間を対象として使用可能。 対象の動きを正確に読む事が出来るが、その事だけに集中した状態でなければならない。

 ※能力色 白(非覚醒)
 • 色には、白、茶、銀、金、虹、黒がある。白から虹までは、覚醒により成る事が可能だが、黒には成れない。

 ※勲章(使い方)

 • お金に変えられる。定期授勲章で生活をして、イベント等で貰える勲章は、貯めておく事をお勧めします。

 • 目印を消す事が出来る。育成神が視ていない場合、能力者に色を知らせない為にも、優先順位は高い。

 • 能力の覚醒が出来る。1段階ずつよりも、虹まで1度に覚醒した方が、消費が少なく済む。

 ※勲章(消費)

 • 換金。1勲章、1000シン

 • 目印を消す。勲章の数、100

 • 覚醒。勲章の数、1段階100、2段階200、3段階300、4段階500、全段階1000。

 ゴカイ様は現在、育成神が3ヶ月以上視ていない為、次に視られるまでの間、月に1度50勲章が貰えています。これは日々の行いで変動し、良い事をすれば上がり、悪い事をすれば下がります。

 そのような事を気にせず、好きなように生きたいと思いませんか?


 全部で3枚あって、1枚目が見終わった。めくって2枚目を見ると、イベントの情報とかが色々載ってて、夜闘の闘い方みたいなのも書いてあった。

 3枚目にも、2枚目の続きで、獲得出来る勲章の数とか、参加した方がいいイベントの事とか、初心者向けの簡単な情報が載ってた。

 文の最後に、シークの文字があった。

「終わったよ」
「あぁ、ちょうど見終わったよ」

「じゃあ、ノーマも一緒だから持ってっちゃおうかな」
「そうだな。てかこの家どうすんの?」

「明日解約してくるよ。僕の荷物はこれで全部で、後は備え付けなんだよねぇ」

「あ、そうなんだ。それにしても少ないな」

 ゴカイは、大きめのリュックを背負って、3段の棚を抱えてるだけだった。

「まぁ、1人だからねぇ。もう行く?」
「そうだな。なんか持つよ」

「じゃあ、玄関にある棚を持って欲しいかな」
「まだあんのかよ」

 玄関に行くと、全く同じ3段の棚が置いてあって、それを持って家を出た。

「お邪魔しました」
「お世話になりました」

 ゴカイは深々と頭を下げて、家とお別れをしていた。
 そんなゴカイを待って、俺ん家に向かった。

「そういやさ、いつから1人で暮らしてんの?」
「16からだよ。それまで施設にいたんだけど、16で出なくちゃいけなくてねぇ」

「へぇ、そうなんだ」
「うん。それで、施設が用意してくれたあの家に住んだんだ」

「なるほどな。やっぱお前凄いよ」
「え、そうかな……ありがとねぇ」

 施設の事は知ってたけど、16で出るなんて知らなかったし、それから1年間1人で暮らしてたなんて、ゴカイを尊敬した。

「でもさ、月1回の勲章は、もう貰えないんだろ?」
「そうだけど、50000シンだと家賃で無くなってたからねぇ」

「あ、家賃かかるんだ」
「そうなんだよねぇ」

「じゃあ、俺ん家来ればかからないから、いいのか」
「いや、少しは出すよ。何も出さないのは申し訳ないからねぇ」

「いや、出さなくていいよ」

 俺が言える事じゃ無いけど、ゴカイに出されると、俺も出さなきゃいけなくなるから、出してほしくなかった。

「それは……ファジーと決めるよ」
「まぁ、そうなるよな……」

「もしかしてだけど……僕が出したら……」
「なんだよ……」

「ダメな理由がある?」
「それは、理由が分かってる奴の言い方なんだよ」

 やっぱり、ゴカイはバカだった。

「あるんだねぇ、理由が」
「なっ、お前わざとか? ねぇよ理由なんて……」

「そうか……あると思ったんだけどねぇ」
「お前……」

 ゴカイは、バカすぎる上に素直すぎた。

「あ、それはまた話すとしてさ、ノーマにまだ見せてない天使がいるんだけど……何か分かる?」

 俺の頭は混乱した。ゴカイにも天使が就いて、俺が知らないから、今見せようとしたのは分かった。

 だけど天使って言ったのに、何か分かると聞いてきた意味が分からなかったから、一応気を使う事にした。

「いや、なんだろ……分かんないから教えてくれよ」
「そうだよねぇ……じゃあ教えるよ。ゴエン、来てくれ」

「もう来てます」

 分かってたけど、天使が来てた。
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