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裸足の呪縛(前編)
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「お~い、一年! 着替えたらすぐ泳ぎ込みだぞ! もたもたすんな! 」
「三年生いなくなったからって気ィ抜くんじゃねえぞ! 」
「ほら、男子もう始めてるよ! 女子も急いで! 」
更衣室の外からはもう声が上がっていた。
サポーターを着け、青色のハーフスパッツを着ける。授業じゃないから柄は自由だった。昔はブーメランパンツが主流だったというけど、今はだいぶ違う。もっとも、そのお陰でぼくはだいぶ助かっている。
更衣室を出ると9月の残暑が素肌を蒸し、足の裏のコンクリートが熱いくらい。
隣の女子更衣室からも水着になった女子部員たちが出てきた。
ガヤガヤワイワイ言いながら出てきた彼女たちも、そのほとんどがスパッツクローズバック・ハーフレッグタイプという、膝の上までのヤツを着ている。こういう水着だ。
女子も昔はシンクロの選手が着るようなハイレグで背中が大きく開いたタイプのワンピースが主流だったらしいんだけど、この方がタイムもいいし、いわゆる「好奇の視線」を避ける意味もあるという。
もっとも、ぼくが所属する水泳部は地域の強豪校。メンバーの多くが幼少中とスイミングに通っていて女子の水着姿なんてもう慣れっこになっているし、今年はダメだったが過去にもインハイに出た先輩たちがいる。プールサイドで、
「なあ、今度入った一年生ムネデカイな」
とか、
「アイツ、あいかわらずいいケツしてんな、勃起っちゃうぜ!」
などという不謹慎なことを考えて鼻の下伸ばしたり股間を膨らませたりしているようなヤツは、まずいない。そんなヒマもないし。
だが、ぼくの場合は、ちょっと違う。
「おい、きんたま! 先行くぞ!」
準備終わった同級生のヤツが次々飛び込んでゆく。3年生引退直後だから率先垂範して下級生たちを引き締めねばならないのだ。
ちなみに、ぼくの名前は紺野環(こんのたまき)。
この名前のせいで小学校から「きんたま」とか「タマキン」とか呼ばれてきた。でも、それで傷ついたりしたことは一度もない。
成績はいい方だったし、スポーツもスイミング通ってたぐらいだからそこそこできる。そういうヤツはイジメの対象になったりはしないものだということをなんとなく学んできた。
それに、このアダ名のお陰で女子まで「キャー」とか「クスクス」とか「・・タマ」とか言って、密かにぼくをチェックしているのも知っている。一度なんかHR中にクラスのある女子が、
「先生、それはキン・・・、紺野くんが知ってます」
とか漏らしちゃってクラス中が大爆笑したこともある。ぼくのほうも、
「おいー、おまえなー!」
とか笑って流したりした。ぼくは陽キャなのだ。
だけど、その陽キャの陰で、他人には絶対に知られたくない性癖を持っていた。
ぼくはキャップを被り直し、首に掛けたゴーグルのバンドを調整するふりをして、なにげに女子たちの方をチラ見する。コンマ1秒以下、超短時間で。
それも、足を。
ざぶ~ん!
ぼくは、飛び込む。
50メートルを10往復。毎回1000メートルの泳ぎ込みをしていると、股間のモッコリも収まる。さっき、「助かっている」と言ったけど、それはそういうことだったんだ。
ぼくは、女の子の足に惹かれるのだ。俗に足フェチともいう。
同じ水泳部の女子だと、裸足を見る機会も多い。
その中でもぼくは、ある一人の同級生の女の子の足に惚れこんでいる。
彼女の名前は志垣涼音(しがきすずね)。
去年、部活に入ったとき、英語でstarting platform あるいは starting brock という飛び込み台からスズネがスタートした一瞬!
ぼくは、彼女の足、足の裏に釘付けになった。
顔はそこそこ。ムネは小さいくらい。カラダもまだ出来てなくてムキムキじゃないしお尻も小さい。
でも、スラリと伸びた脚の先、足の形がとっても、めっちゃ、キレイだったのだ!
ああ! 一度でいいからあの足に触りたいっ!
あの足で顔を踏まれたいっ!
あの足のニオイを嗅ぎたいっ!
あの足を、舐めたいっ!
叶うことなら女子更衣室か彼女の家のバスマット、足ふきマットになってもいいっ! 生まれ変わったら是非そうしたいっ!
そして、そしてっ・・・。
あの足で、ちんこをスリスリして欲しいっ!
もし、もし、それが叶うなら。
ぼくは、ぼくはっ!
・・・死んでもいいっ!!!
そんなことを考えていると股間もハレツしそうになる。だから、泳ぎ込みは助かるのだ、逆に。
「おおっ! コンノ、すげーぞ! 昨日より一秒も速くなってる。こりゃ大会記録もユメじゃないぞ! ガンバレ!」
泳ぎ込みに続いてすぐタイム計測。顧問の言葉はそれなりに嬉しかったが、それよりも何よりも、スズネの足が気になって仕方がない。
タイムのログを見るふりして、絶対にガン見にならないように気をつけつつ、ぼくの目は、スズネの足を追っていた。
ああ、早く帰ってスズネの足を想いながら、スズネの足に踏まれるのを想像しながら、スズネの足でコカれるのを妄想しながら・・・。
思いっきし、シコりたいっっっっっ!
そんな妄想三昧の部活が終わった。
最後に、股間を鎮めるために「もうひと泳ぎします!」と言って居残った。
「おい、お前たち! コンノを見ろ! 人一倍努力した者が最後の栄冠を勝ち取るんだ! ああでなくてはイカンそっ!」
顧問の、カン違いもいいとこの言葉がウザかったが、股間も鎮まったことだし、アガることにした。
が、その時。
ぼくに注がれている視線があるのに気付いた。
矢田知恵。
3年生引退後に水泳部の部長になった女だ。ちなみに、女子たちがカゲで彼女のことを、
「ヤナチエ」
と呼んでいることをぼくは知っていた。
女子の中ではタイムが一番いい。そして、肩幅も広くてケツもデカイしフトモモも立派。
だけど致命的に性格が悪いらしい。
男子だからあんま知らないで済んでいるのはありがたかったけれど。
ちな、足の形も醜いんだ。幅が広すぎて、まるでカエルの足みたい。もっとも、だからタイムもいいのだと思わないでもなかったが。
その「ヤナチエ」がぼくをじっと睨んでいたのだ。
ちな、コイツは他の女子と違いウェアはハイレグのヤツ。こんなの。
コイツの性格の悪さを知らない一年は、入った当初こそ、
「ヤダセンパイ~♡」
「センパイかっこいいっす~♡」
とかチヤホヤしてたが、次第にそのエグさエゲツなさを知ったのか、徐々に取り巻きをやめていった。女子も男子も。
気にせずに水からあがり、耳抜きをしながらぼくは更衣室に向かった。
着替えを終えたらもう誰もいなかった。
陽も落ちかかっていた。
最後に退出するヤツがプールの中やサイドの忘れ物などのチェックをして更衣室やゲートの戸締りをし、職員室にカギを返すことになっていた。
誰もいないプールサイドをぐるりと回り、一応の見回りを終えて校舎に向かうゲートを通ろうとしたとき。
ふとみると、スタート台の後ろのベンチの上に何かあるのに気付いた。
近づいてみると、ゴーグルだった。名前がある。
なんと、あのぼくの愛すべき足の持ち主、スズネのだった!
とたんに、
「ぐっふっふ! これ返してほしかったら、足舐めさせて! オネガイ!」
などという邪(よこしま)な、しかもくだらない考えが浮かんだが即座に却下した。
「何考えてんの? このド変態! 」
そう言われるだけならまだしも、退学とかに発展したらアホ過ぎる。
そのままにもしておけず、女子更衣室のドアの前にでもかけておくか、とクラブハウスに行ってみた。女子更衣室をノックしてみた。返事はなかった。ドアに手をかけた。
開いてるし!
開けてみた。
男子のとは違う、甘い匂いがまだ充満していた。
入ってみた。
夕暮れの光がナナメに差し込む更衣室の中。ぼくの目は、自然にロッカーに囲まれたベンチ、そのベンチに囲まれた足ふきマットに注がれた。
何気にベンチに座り、足ふきマットを手に取ってみた。
その、ちょっとカビ臭い、だけど何とも言えない官能を刺激する匂い。
もしかすると、スズネもこのマットで足を拭いたんだろうか。
そう思うと、またもぼくの下半身が反応した。
ああ・・・。
その時だった。
「おい! そこで何してんだ、きんたま!」
開いたドアを塞ぐように、制服姿のヤナチエが立っていた。しかも、
どんっ!
片脚をあげて、ドアを塞いだ。
万事休す、だ。
後編に続きます。
「三年生いなくなったからって気ィ抜くんじゃねえぞ! 」
「ほら、男子もう始めてるよ! 女子も急いで! 」
更衣室の外からはもう声が上がっていた。
サポーターを着け、青色のハーフスパッツを着ける。授業じゃないから柄は自由だった。昔はブーメランパンツが主流だったというけど、今はだいぶ違う。もっとも、そのお陰でぼくはだいぶ助かっている。
更衣室を出ると9月の残暑が素肌を蒸し、足の裏のコンクリートが熱いくらい。
隣の女子更衣室からも水着になった女子部員たちが出てきた。
ガヤガヤワイワイ言いながら出てきた彼女たちも、そのほとんどがスパッツクローズバック・ハーフレッグタイプという、膝の上までのヤツを着ている。こういう水着だ。
女子も昔はシンクロの選手が着るようなハイレグで背中が大きく開いたタイプのワンピースが主流だったらしいんだけど、この方がタイムもいいし、いわゆる「好奇の視線」を避ける意味もあるという。
もっとも、ぼくが所属する水泳部は地域の強豪校。メンバーの多くが幼少中とスイミングに通っていて女子の水着姿なんてもう慣れっこになっているし、今年はダメだったが過去にもインハイに出た先輩たちがいる。プールサイドで、
「なあ、今度入った一年生ムネデカイな」
とか、
「アイツ、あいかわらずいいケツしてんな、勃起っちゃうぜ!」
などという不謹慎なことを考えて鼻の下伸ばしたり股間を膨らませたりしているようなヤツは、まずいない。そんなヒマもないし。
だが、ぼくの場合は、ちょっと違う。
「おい、きんたま! 先行くぞ!」
準備終わった同級生のヤツが次々飛び込んでゆく。3年生引退直後だから率先垂範して下級生たちを引き締めねばならないのだ。
ちなみに、ぼくの名前は紺野環(こんのたまき)。
この名前のせいで小学校から「きんたま」とか「タマキン」とか呼ばれてきた。でも、それで傷ついたりしたことは一度もない。
成績はいい方だったし、スポーツもスイミング通ってたぐらいだからそこそこできる。そういうヤツはイジメの対象になったりはしないものだということをなんとなく学んできた。
それに、このアダ名のお陰で女子まで「キャー」とか「クスクス」とか「・・タマ」とか言って、密かにぼくをチェックしているのも知っている。一度なんかHR中にクラスのある女子が、
「先生、それはキン・・・、紺野くんが知ってます」
とか漏らしちゃってクラス中が大爆笑したこともある。ぼくのほうも、
「おいー、おまえなー!」
とか笑って流したりした。ぼくは陽キャなのだ。
だけど、その陽キャの陰で、他人には絶対に知られたくない性癖を持っていた。
ぼくはキャップを被り直し、首に掛けたゴーグルのバンドを調整するふりをして、なにげに女子たちの方をチラ見する。コンマ1秒以下、超短時間で。
それも、足を。
ざぶ~ん!
ぼくは、飛び込む。
50メートルを10往復。毎回1000メートルの泳ぎ込みをしていると、股間のモッコリも収まる。さっき、「助かっている」と言ったけど、それはそういうことだったんだ。
ぼくは、女の子の足に惹かれるのだ。俗に足フェチともいう。
同じ水泳部の女子だと、裸足を見る機会も多い。
その中でもぼくは、ある一人の同級生の女の子の足に惚れこんでいる。
彼女の名前は志垣涼音(しがきすずね)。
去年、部活に入ったとき、英語でstarting platform あるいは starting brock という飛び込み台からスズネがスタートした一瞬!
ぼくは、彼女の足、足の裏に釘付けになった。
顔はそこそこ。ムネは小さいくらい。カラダもまだ出来てなくてムキムキじゃないしお尻も小さい。
でも、スラリと伸びた脚の先、足の形がとっても、めっちゃ、キレイだったのだ!
ああ! 一度でいいからあの足に触りたいっ!
あの足で顔を踏まれたいっ!
あの足のニオイを嗅ぎたいっ!
あの足を、舐めたいっ!
叶うことなら女子更衣室か彼女の家のバスマット、足ふきマットになってもいいっ! 生まれ変わったら是非そうしたいっ!
そして、そしてっ・・・。
あの足で、ちんこをスリスリして欲しいっ!
もし、もし、それが叶うなら。
ぼくは、ぼくはっ!
・・・死んでもいいっ!!!
そんなことを考えていると股間もハレツしそうになる。だから、泳ぎ込みは助かるのだ、逆に。
「おおっ! コンノ、すげーぞ! 昨日より一秒も速くなってる。こりゃ大会記録もユメじゃないぞ! ガンバレ!」
泳ぎ込みに続いてすぐタイム計測。顧問の言葉はそれなりに嬉しかったが、それよりも何よりも、スズネの足が気になって仕方がない。
タイムのログを見るふりして、絶対にガン見にならないように気をつけつつ、ぼくの目は、スズネの足を追っていた。
ああ、早く帰ってスズネの足を想いながら、スズネの足に踏まれるのを想像しながら、スズネの足でコカれるのを妄想しながら・・・。
思いっきし、シコりたいっっっっっ!
そんな妄想三昧の部活が終わった。
最後に、股間を鎮めるために「もうひと泳ぎします!」と言って居残った。
「おい、お前たち! コンノを見ろ! 人一倍努力した者が最後の栄冠を勝ち取るんだ! ああでなくてはイカンそっ!」
顧問の、カン違いもいいとこの言葉がウザかったが、股間も鎮まったことだし、アガることにした。
が、その時。
ぼくに注がれている視線があるのに気付いた。
矢田知恵。
3年生引退後に水泳部の部長になった女だ。ちなみに、女子たちがカゲで彼女のことを、
「ヤナチエ」
と呼んでいることをぼくは知っていた。
女子の中ではタイムが一番いい。そして、肩幅も広くてケツもデカイしフトモモも立派。
だけど致命的に性格が悪いらしい。
男子だからあんま知らないで済んでいるのはありがたかったけれど。
ちな、足の形も醜いんだ。幅が広すぎて、まるでカエルの足みたい。もっとも、だからタイムもいいのだと思わないでもなかったが。
その「ヤナチエ」がぼくをじっと睨んでいたのだ。
ちな、コイツは他の女子と違いウェアはハイレグのヤツ。こんなの。
コイツの性格の悪さを知らない一年は、入った当初こそ、
「ヤダセンパイ~♡」
「センパイかっこいいっす~♡」
とかチヤホヤしてたが、次第にそのエグさエゲツなさを知ったのか、徐々に取り巻きをやめていった。女子も男子も。
気にせずに水からあがり、耳抜きをしながらぼくは更衣室に向かった。
着替えを終えたらもう誰もいなかった。
陽も落ちかかっていた。
最後に退出するヤツがプールの中やサイドの忘れ物などのチェックをして更衣室やゲートの戸締りをし、職員室にカギを返すことになっていた。
誰もいないプールサイドをぐるりと回り、一応の見回りを終えて校舎に向かうゲートを通ろうとしたとき。
ふとみると、スタート台の後ろのベンチの上に何かあるのに気付いた。
近づいてみると、ゴーグルだった。名前がある。
なんと、あのぼくの愛すべき足の持ち主、スズネのだった!
とたんに、
「ぐっふっふ! これ返してほしかったら、足舐めさせて! オネガイ!」
などという邪(よこしま)な、しかもくだらない考えが浮かんだが即座に却下した。
「何考えてんの? このド変態! 」
そう言われるだけならまだしも、退学とかに発展したらアホ過ぎる。
そのままにもしておけず、女子更衣室のドアの前にでもかけておくか、とクラブハウスに行ってみた。女子更衣室をノックしてみた。返事はなかった。ドアに手をかけた。
開いてるし!
開けてみた。
男子のとは違う、甘い匂いがまだ充満していた。
入ってみた。
夕暮れの光がナナメに差し込む更衣室の中。ぼくの目は、自然にロッカーに囲まれたベンチ、そのベンチに囲まれた足ふきマットに注がれた。
何気にベンチに座り、足ふきマットを手に取ってみた。
その、ちょっとカビ臭い、だけど何とも言えない官能を刺激する匂い。
もしかすると、スズネもこのマットで足を拭いたんだろうか。
そう思うと、またもぼくの下半身が反応した。
ああ・・・。
その時だった。
「おい! そこで何してんだ、きんたま!」
開いたドアを塞ぐように、制服姿のヤナチエが立っていた。しかも、
どんっ!
片脚をあげて、ドアを塞いだ。
万事休す、だ。
後編に続きます。
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