459 / 545
8 騎士一族と黒鉄編
1-2
しおりを挟む
昼休憩が終わった後、私は第三騎士団の団長室に寄って、午後の分の仕事を受け取った。
いやまぁ、団長室で仕事をしてもいいんだけど。私がここで仕事をしていると、何かと、
「団長、闘技会の陣形のことで話が、あ、エルシアがいるのか」
とか、
「副団長、作戦の訓練のことで話が、あー、エルシアがいたか」
とか、まるで私自身が悪い空気のような扱い。
うん、気分悪いよね。もの凄く悪いよね。
ストレスがたまること、この上なく、ヴァンフェルム団長と魔術師長のパシアヌス様に許可を取って、別の場所での書類整理をすることになったわけ。
別場所での書類整理は前例があって、問題なくこなせたので承認も早かった。何より、団長たちは私を追い出したかっただろうし。
前例というのは少し前のこと。グラディアの第一王女で五強の杖の主、デルティ殿下の特訓の時のことだ。
あの時は、お披露目会で五強の主だと紹介できる程度まで、デルティ殿下の魔術力の底上げを命じられ、おかげで王女宮に入り浸っていたから。
しかし、団長室での私の仕事がなくなるわけではなく、代わりにパシアヌス様や事務方さんたちがするにしても溜まる一方。なので、自然と王女宮で書類整理をする羽目になった。
機密性の低い、業務日誌や巡回報告などの整理作業が主だったため、王女宮で仕事をしていてもぜんぜん問題なし。
デルティ殿下の特訓は出来るし、書類整理ははかどるし。王女宮にとっても第三騎士団の事務方さんたちにとっても双方メリットがあったので、かなり喜ばれた。
もちろん、喜んでもらえて、私だって嬉しいし気分もいい。
むしろ、闘技会直前のこの時期に、ニグラート辺境騎士団を優先する私が、第三騎士団いること自体がダメダメだ。
気分も悪くなって当然。しかも、双方ともに気分が悪いという最悪さ。
そんなことを考えながら、私は午後の分の書類の山を受け取って、フィリアとバルトレット卿を引き連れて、またもや、魔導図書館にやってきていた。
今度は安眠しないよう、気を引き締めておかないとね。
私はそんなことを決心して、図書館の扉をくぐったのであった。
そして。
扉をくぐったとたんにそんな決心は、霧消することになる。
「学習エリアを使っていいって」
「学習エリア?」
「そうそう。四階になっちゃうんだけど、声出しオーケーのエリアなのよね」
と言われて、リュネットに紹介されたのが件の学習エリアで。図書館内なのに声を出して喋るのがオーケーなのはどうしてなのか、疑問に思ったのは私だけではなかった。
「リュネット嬢、図書館内は静かに本を読んだり調べ物をするところなのではないのかしら?」
と、フィリアが尋ねてくれた。
その質問を待ってたとばかりに、ムフフと笑うリュネット。オホンと咳払いをすると、物知り顔で説明をしてくれたのだった。
「つまり、原則として、閲覧エリアは声出し不可、学習エリアは声出し可、ということみたいですね」
「学習エリアは研究のために討論したり出来るように、ということみたいだね」
リュネットに説明されて連れてこられた学習エリア。
場所が四階。階段で四階。かなり足腰にくるけど、エリアとしては快適そのものだったのだ。
こんな快適空間があるなら、最初から教えてくれればいいのに、と思ったことはナイショにしてある。
いやでも、本当にここは快適だった。四階にあるのを除けば。
大きな窓もあって明るいし。書架のエリアとは廊下を挟んで離れてはいるけど、遠い距離でもない。
もっとも四階にあるのは、実用的な魔術書ではなく、名のある魔導具についての記録がほとんどで。わざわざ四階まで上ってきて読む人はいないようは本を見事に詰め込みました、的な本棚だった。
ここの本を読むのは相当な魔導具マニアな人くらいだと、私でも思う。しかも、四階まで上り下り出来る体力があるマニアさん。いるか、そんな人。
でもでも、覗いてみるとこれがけっこうおもしろそう。
なので私は、午後の分の仕事を一時間で終わらせると、残りの時間は読書にあてることにした。
お披露目会で勢揃いした『五強』や、闘技会のことでユリンナ先輩から話が出た『バイフェルム』。
ここらへんの記録でもないかと思って、表題を端から確認していくと、あるわあるわ。バイフェルムの話。
「意外と五強の記録は少ないんだね」
「それをいうのなら、三聖の記録はもっと少ないですよ、お嬢」
書架までついてきたフィリアが横から口を挟んできた。
「三聖の話なら、直接、本人たちに聞けばよくない?」
「お嬢なら可能ですね。五強の話も直接、五強に聞けばいいのでは?」
「あー、その手がなくはないか」
私は五強の一つ、木精のリグヌムを思い浮かべた。
五強の中で唯一、ちゃんとした主を持つのが木精のリグヌム。他の五強は仮の主を持つだけなので、ほぼ、人間には従わないと思っていい。
だとすると、話が通じて、人間の意に添ってくれるのはリグヌムだけ。
問題があるとすれば、リグヌムに会うにはデルティ殿下と会わなければならないこと。この人がまた、面倒くさくてゾゾッとする。
「でも、デルティ殿下が面倒なのて却下」
「ですよね」
フィリアが投げてきた話なのに、当のフィリアも投げた後で気がついたのか、私に即同意してきた。王女宮の偽爽騎士でも思い出したのか、嫌そうな顔をして。
こうして私たちは、五強やバイフェルムに関係する本を集めて、それぞれ学習することにした。
それから。
「五強のことは少し分かったけど」
「あの時、筆頭殿が言ってた『五界』の意味はよく分からないままですね」
フィリアもしっかり覚えていたようだ。
お披露目会でクズ男がメチャクチャなことをした際、五強を『五界』と呼んでたことを。呼び間違えはあり得ないので、確かに何かの意味がある言葉なんだろうけど。
「どこにも書いてないし。セラフィアスとクラヴィスも知らないんだよね?」
「知らないと言うより」
「興味ないね」
私は顕現した私の杖二人にも確認する。
顔を見合わせて肩をすくめる二人。
二人の答えは、言ってみれば当然の内容。
「鎮圧のセラフィアスが、わざわざ五強なんて気にかけると思うか?」
傲慢そうな口調でセラフィアスが言うと、
「鍵穴のクラヴィスが、そもそも五強なんて気にしないと思うけど?」
と皮肉っぽい口調でクラヴィスが続く。
説明する気もなく、知りもしないなら、何しに顕現したんだろ、この二人。
私とフィリアは顔を見合わせるのだった。
そこへ。
「お嬢、大変です! アイツがいます!」
「バルトレット、少し、静かに出来ないわけ?」
ゼイゼイと息を切らせて、バルトレット卿が書架のところに駆け込んできた。
フィリアの言い分はもっともだけれど、それにしてはバルトレット卿の様子がただならない。
何があったのか聞こうとして、フィリアに邪魔される。
「第三騎士団から邪魔者扱いされて居場所がなくなって追い出されたお嬢が、魔導図書館で静かにもくもくと仕事をしているっていうのに」
言い方、言い方が酷い。
「事実なのは一番最後だけだからね」
フィリアをジロッと睨んで黙らせて、今度こそ聞こうとしたところで、バルトレット卿の方が先に口を開いた。
「落ち着いてる場合じゃないですよ、アイツが、まだ、いるんです!」
中途半端に言いたいことだけを言って、バルトレット卿は黙り込む。まぁ、どういうわけか息を切らせていたしね。
「「アイツ?」」
息を切らせてそれ以上言葉を続けられないバルトレット卿を見ながら、私とフィリアと杖たちが、同時に首を傾げたのだった。
いやまぁ、団長室で仕事をしてもいいんだけど。私がここで仕事をしていると、何かと、
「団長、闘技会の陣形のことで話が、あ、エルシアがいるのか」
とか、
「副団長、作戦の訓練のことで話が、あー、エルシアがいたか」
とか、まるで私自身が悪い空気のような扱い。
うん、気分悪いよね。もの凄く悪いよね。
ストレスがたまること、この上なく、ヴァンフェルム団長と魔術師長のパシアヌス様に許可を取って、別の場所での書類整理をすることになったわけ。
別場所での書類整理は前例があって、問題なくこなせたので承認も早かった。何より、団長たちは私を追い出したかっただろうし。
前例というのは少し前のこと。グラディアの第一王女で五強の杖の主、デルティ殿下の特訓の時のことだ。
あの時は、お披露目会で五強の主だと紹介できる程度まで、デルティ殿下の魔術力の底上げを命じられ、おかげで王女宮に入り浸っていたから。
しかし、団長室での私の仕事がなくなるわけではなく、代わりにパシアヌス様や事務方さんたちがするにしても溜まる一方。なので、自然と王女宮で書類整理をする羽目になった。
機密性の低い、業務日誌や巡回報告などの整理作業が主だったため、王女宮で仕事をしていてもぜんぜん問題なし。
デルティ殿下の特訓は出来るし、書類整理ははかどるし。王女宮にとっても第三騎士団の事務方さんたちにとっても双方メリットがあったので、かなり喜ばれた。
もちろん、喜んでもらえて、私だって嬉しいし気分もいい。
むしろ、闘技会直前のこの時期に、ニグラート辺境騎士団を優先する私が、第三騎士団いること自体がダメダメだ。
気分も悪くなって当然。しかも、双方ともに気分が悪いという最悪さ。
そんなことを考えながら、私は午後の分の書類の山を受け取って、フィリアとバルトレット卿を引き連れて、またもや、魔導図書館にやってきていた。
今度は安眠しないよう、気を引き締めておかないとね。
私はそんなことを決心して、図書館の扉をくぐったのであった。
そして。
扉をくぐったとたんにそんな決心は、霧消することになる。
「学習エリアを使っていいって」
「学習エリア?」
「そうそう。四階になっちゃうんだけど、声出しオーケーのエリアなのよね」
と言われて、リュネットに紹介されたのが件の学習エリアで。図書館内なのに声を出して喋るのがオーケーなのはどうしてなのか、疑問に思ったのは私だけではなかった。
「リュネット嬢、図書館内は静かに本を読んだり調べ物をするところなのではないのかしら?」
と、フィリアが尋ねてくれた。
その質問を待ってたとばかりに、ムフフと笑うリュネット。オホンと咳払いをすると、物知り顔で説明をしてくれたのだった。
「つまり、原則として、閲覧エリアは声出し不可、学習エリアは声出し可、ということみたいですね」
「学習エリアは研究のために討論したり出来るように、ということみたいだね」
リュネットに説明されて連れてこられた学習エリア。
場所が四階。階段で四階。かなり足腰にくるけど、エリアとしては快適そのものだったのだ。
こんな快適空間があるなら、最初から教えてくれればいいのに、と思ったことはナイショにしてある。
いやでも、本当にここは快適だった。四階にあるのを除けば。
大きな窓もあって明るいし。書架のエリアとは廊下を挟んで離れてはいるけど、遠い距離でもない。
もっとも四階にあるのは、実用的な魔術書ではなく、名のある魔導具についての記録がほとんどで。わざわざ四階まで上ってきて読む人はいないようは本を見事に詰め込みました、的な本棚だった。
ここの本を読むのは相当な魔導具マニアな人くらいだと、私でも思う。しかも、四階まで上り下り出来る体力があるマニアさん。いるか、そんな人。
でもでも、覗いてみるとこれがけっこうおもしろそう。
なので私は、午後の分の仕事を一時間で終わらせると、残りの時間は読書にあてることにした。
お披露目会で勢揃いした『五強』や、闘技会のことでユリンナ先輩から話が出た『バイフェルム』。
ここらへんの記録でもないかと思って、表題を端から確認していくと、あるわあるわ。バイフェルムの話。
「意外と五強の記録は少ないんだね」
「それをいうのなら、三聖の記録はもっと少ないですよ、お嬢」
書架までついてきたフィリアが横から口を挟んできた。
「三聖の話なら、直接、本人たちに聞けばよくない?」
「お嬢なら可能ですね。五強の話も直接、五強に聞けばいいのでは?」
「あー、その手がなくはないか」
私は五強の一つ、木精のリグヌムを思い浮かべた。
五強の中で唯一、ちゃんとした主を持つのが木精のリグヌム。他の五強は仮の主を持つだけなので、ほぼ、人間には従わないと思っていい。
だとすると、話が通じて、人間の意に添ってくれるのはリグヌムだけ。
問題があるとすれば、リグヌムに会うにはデルティ殿下と会わなければならないこと。この人がまた、面倒くさくてゾゾッとする。
「でも、デルティ殿下が面倒なのて却下」
「ですよね」
フィリアが投げてきた話なのに、当のフィリアも投げた後で気がついたのか、私に即同意してきた。王女宮の偽爽騎士でも思い出したのか、嫌そうな顔をして。
こうして私たちは、五強やバイフェルムに関係する本を集めて、それぞれ学習することにした。
それから。
「五強のことは少し分かったけど」
「あの時、筆頭殿が言ってた『五界』の意味はよく分からないままですね」
フィリアもしっかり覚えていたようだ。
お披露目会でクズ男がメチャクチャなことをした際、五強を『五界』と呼んでたことを。呼び間違えはあり得ないので、確かに何かの意味がある言葉なんだろうけど。
「どこにも書いてないし。セラフィアスとクラヴィスも知らないんだよね?」
「知らないと言うより」
「興味ないね」
私は顕現した私の杖二人にも確認する。
顔を見合わせて肩をすくめる二人。
二人の答えは、言ってみれば当然の内容。
「鎮圧のセラフィアスが、わざわざ五強なんて気にかけると思うか?」
傲慢そうな口調でセラフィアスが言うと、
「鍵穴のクラヴィスが、そもそも五強なんて気にしないと思うけど?」
と皮肉っぽい口調でクラヴィスが続く。
説明する気もなく、知りもしないなら、何しに顕現したんだろ、この二人。
私とフィリアは顔を見合わせるのだった。
そこへ。
「お嬢、大変です! アイツがいます!」
「バルトレット、少し、静かに出来ないわけ?」
ゼイゼイと息を切らせて、バルトレット卿が書架のところに駆け込んできた。
フィリアの言い分はもっともだけれど、それにしてはバルトレット卿の様子がただならない。
何があったのか聞こうとして、フィリアに邪魔される。
「第三騎士団から邪魔者扱いされて居場所がなくなって追い出されたお嬢が、魔導図書館で静かにもくもくと仕事をしているっていうのに」
言い方、言い方が酷い。
「事実なのは一番最後だけだからね」
フィリアをジロッと睨んで黙らせて、今度こそ聞こうとしたところで、バルトレット卿の方が先に口を開いた。
「落ち着いてる場合じゃないですよ、アイツが、まだ、いるんです!」
中途半端に言いたいことだけを言って、バルトレット卿は黙り込む。まぁ、どういうわけか息を切らせていたしね。
「「アイツ?」」
息を切らせてそれ以上言葉を続けられないバルトレット卿を見ながら、私とフィリアと杖たちが、同時に首を傾げたのだった。
24
あなたにおすすめの小説
果たされなかった約束
家紋武範
恋愛
子爵家の次男と伯爵の妾の娘の恋。貴族の血筋と言えども不遇な二人は将来を誓い合う。
しかし、ヒロインの妹は伯爵の正妻の子であり、伯爵のご令嗣さま。その妹は優しき主人公に密かに心奪われており、結婚したいと思っていた。
このままでは結婚させられてしまうと主人公はヒロインに他領に逃げようと言うのだが、ヒロインは妹を裏切れないから妹と結婚して欲しいと身を引く。
怒った主人公は、この姉妹に復讐を誓うのであった。
※サディスティックな内容が含まれます。苦手なかたはご注意ください。
【完結】二度目の恋はもう諦めたくない。
たろ
恋愛
セレンは15歳の時に16歳のスティーブ・ロセスと結婚した。いわゆる政略的な結婚で、幼馴染でいつも喧嘩ばかりの二人は歩み寄りもなく一年で離縁した。
その一年間をなかったものにするため、お互い全く別のところへ移り住んだ。
スティーブはアルク国に留学してしまった。
セレンは国の文官の試験を受けて働くことになった。配属は何故か騎士団の事務員。
本人は全く気がついていないが騎士団員の間では
『可愛い子兎』と呼ばれ、何かと理由をつけては事務室にみんな足を運ぶこととなる。
そんな騎士団に入隊してきたのが、スティーブ。
お互い結婚していたことはなかったことにしようと、話すこともなく目も合わせないで過ごした。
本当はお互い好き合っているのに素直になれない二人。
そして、少しずつお互いの誤解が解けてもう一度……
始めの数話は幼い頃の出会い。
そして結婚1年間の話。
再会と続きます。
《完結》金貨5000枚で売られた王太子妃
ぜらちん黒糖
恋愛
「愛している。必ず迎えに行くから待っていてくれ」
甘い言葉を信じて、隣国へ「人質」となった王太子妃イザベラ。
旅立ちの前の晩、二人は愛し合い、イザベラのお腹には新しい命が宿った。すぐに夫に知らせた イザベラだったが、夫から届いた返信は、信じられない内容だった。
「それは本当に私の子供なのか?」
攻略対象者の婚約者を持つ姉の代わりに、エンディングを見てきました
犬野きらり
恋愛
攻略対象者の婚約者を持つ姉の代わりに、エンディングを見てきました…
というタイトルそのままの話です。
妹視点では、乙女ゲームも異世界転生も関係ありません。
特に私(主人公)は出しゃ張たりしません。
私をアピールするわけでもありません。
ジャンルは恋愛ですが、主人公は恋愛していません、ご注意下さい
悪役だから仕方がないなんて言わせない!
音無砂月
恋愛
マリア・フォン・オレスト
オレスト国の第一王女として生まれた。
王女として政略結婚の為嫁いだのは隣国、シスタミナ帝国
政略結婚でも多少の期待をして嫁いだが夫には既に思い合う人が居た。
見下され、邪険にされ続けるマリアの運命は・・・・・。
四の五の言わず離婚届にサインをしてくれません?
白雲八鈴
恋愛
アルディーラ公爵夫人であるミレーネは、他の人からみれば羨ましいと思える立場にいた。
王妹の母譲りの美人の顔立ち、公爵夫人として注目を集める立場、そして領地の運営は革命と言えるほど領地に潤いを与えていた。
だが、そんなミレーネの心の中にあるのは『早く離婚したい』だった。
順風満帆と言えるミレーネは何が不満なのか。その原因は何か。何故離婚できないのか。
そこから始まる物語である。
【完結】私の初恋の人に屈辱と絶望を与えたのは、大好きなお姉様でした
迦陵 れん
恋愛
「俺は君を愛さない。この結婚は政略結婚という名の契約結婚だ」
結婚式後の初夜のベッドで、私の夫となった彼は、開口一番そう告げた。
彼は元々の婚約者であった私の姉、アンジェラを誰よりも愛していたのに、私の姉はそうではなかった……。
見た目、性格、頭脳、運動神経とすべてが完璧なヘマタイト公爵令息に、グラディスは一目惚れをする。
けれど彼は大好きな姉の婚約者であり、容姿からなにから全て姉に敵わないグラディスは、瞬時に恋心を封印した。
筈だったのに、姉がいなくなったせいで彼の新しい婚約者になってしまい──。
人生イージーモードで生きてきた公爵令息が、初めての挫折を経験し、動く人形のようになってしまう。
彼のことが大好きな主人公は、冷たくされても彼一筋で思い続ける。
たとえ彼に好かれなくてもいい。
私は彼が好きだから!
大好きな人と幸せになるべく、メイドと二人三脚で頑張る健気令嬢のお話です。
ざまあされるような悪人は出ないので、ざまあはないです。
と思ったら、微ざまぁありになりました(汗)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる