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1章
01 女子高生調教師 教子(のりこ)
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主人公:調 教子(しらべ のりこ)
父: 調 教夫(しらべ のりお)
母: 調 教江(しらべ のりえ)
4月。
うららかな春の朝。
教子は、いつものように両親と朝食をとっていた。
教夫 「高校にはもう慣れたか?教子。」
教子 「普通だよ。クラスの子たちも普通に優しいし、授業も普通に難しいし。」
教夫 「そうか、まぁ普通が一番だからな。ハッハッハ!母さんもそう思うだろ?」
教江 「そうねー。」
教夫 「そんなことよりちゃんと調教の練習はしてるのか?」
教子 「自分で質問しといてフツーそんなことよりって言う?」
教子 「してるよ。もう日課だもん。やらないとなんだか気持ち悪いし。」
教夫 「そうかそうか。ちゃんと練習しとけよ。父さん母さんがヨボヨボになったら養うのはお前なんだからな?」
教子 「はあ・・わかってるよ。」
何回聞かされたかわからないこのセリフ・・・
私の将来は決まっている。
お父さんがサーカスの調教師を引退したら、私が入れ替わりに入団する。
ウチは代々、調教師の家系なのである。
毎日、動物と"会話"する練習。
っていうかもうだいたいやり方覚えちゃったし、練習する必要もないのだけれど・・・・
帰宅部だし、高校に進学したばかりで友達もまだ多くないからヒマだし、
それに、もう習慣になってしまっている。
私は動物と意思疎通できる・・・というか「支配する」ことができる。
小さい頃からお父さんに教えこまれた、私たち一族に伝わる技術。
でも正直、こんな能力なんの役にも立たない。
たまに、その辺のハトやカラスの群れなんかを操って空に文字を浮かべたりして遊ぶくらい。
教夫 「ウチは江戸時代の寛永年間からサーカスの調教師をやってるんだからな。
教子も家業に誇りを持ちなさい。」
教子 「いや江戸時代にサーカスないでしょ。常識的に考えて。」
教夫 「そうなのか?母さん?」
教江 「そうねー。」
教子 「なんの話してんのよ・・」
教子 「ジョン、おかわり。」
ジョン「ワンッ!」
ジョンと呼ばれたゴールデンレトリバーがウエイターのように茶碗を丁重に頭にのせて、キッチンに持っていく。
キッチンでテナガザルのマイクがそれを受け取って、ご飯をよそってからジョンに渡す。
教夫 「それに、お前には調教師として天性の才能がある・・・・・父さんにはわかるんだ。」
教子 「天性の才能って・・こんなの練習すれば誰だって出来るでしょ。」
ジョンからご飯のおかわりを受け取りながら、私は言葉を返した。
教夫 「そんなことはないぞ。父さんだって完全に獣をコントロールすることができたのは25になってからだった。」
教夫 「しかも、あのスパルタなジイちゃんに引っぱたかれながら必死で練習して、だ。」
教夫 「それをお前はその齢で、難なくこなしている。これは素晴らしい才能だ!な、母さんもそう思うだろ?」
教江 「そうねー。」
教夫 「見ろ。そのジョンの物欲しそうな顔を。お前が一瞥くれただけで涎ダラダラじゃないか。えぇ、おい?」
教子 「あのさ、キャバクラにいるノリで娘と会話しないでくれる?こんな父親ってどうなのお母さん?」
教江 「そうねー。」
教夫 「ハッハッハ!」
教子 「はあ・・・・・・」
朝からどんよりとした気分になってしまった。
決められた将来。決められた日課。決められた毎日。
なんだかもう、うんざりとしてくる。
いつものことだが。
教子「ごちそうさま。私もう行くね。なんか食欲なくなっちゃった。」
教夫「今日午後から雨だから、傘もってけよ!そう天気予報で言ってたよな、母さん?」
教江「そうねー。」
教子「・・・・行ってきます。」
父: 調 教夫(しらべ のりお)
母: 調 教江(しらべ のりえ)
4月。
うららかな春の朝。
教子は、いつものように両親と朝食をとっていた。
教夫 「高校にはもう慣れたか?教子。」
教子 「普通だよ。クラスの子たちも普通に優しいし、授業も普通に難しいし。」
教夫 「そうか、まぁ普通が一番だからな。ハッハッハ!母さんもそう思うだろ?」
教江 「そうねー。」
教夫 「そんなことよりちゃんと調教の練習はしてるのか?」
教子 「自分で質問しといてフツーそんなことよりって言う?」
教子 「してるよ。もう日課だもん。やらないとなんだか気持ち悪いし。」
教夫 「そうかそうか。ちゃんと練習しとけよ。父さん母さんがヨボヨボになったら養うのはお前なんだからな?」
教子 「はあ・・わかってるよ。」
何回聞かされたかわからないこのセリフ・・・
私の将来は決まっている。
お父さんがサーカスの調教師を引退したら、私が入れ替わりに入団する。
ウチは代々、調教師の家系なのである。
毎日、動物と"会話"する練習。
っていうかもうだいたいやり方覚えちゃったし、練習する必要もないのだけれど・・・・
帰宅部だし、高校に進学したばかりで友達もまだ多くないからヒマだし、
それに、もう習慣になってしまっている。
私は動物と意思疎通できる・・・というか「支配する」ことができる。
小さい頃からお父さんに教えこまれた、私たち一族に伝わる技術。
でも正直、こんな能力なんの役にも立たない。
たまに、その辺のハトやカラスの群れなんかを操って空に文字を浮かべたりして遊ぶくらい。
教夫 「ウチは江戸時代の寛永年間からサーカスの調教師をやってるんだからな。
教子も家業に誇りを持ちなさい。」
教子 「いや江戸時代にサーカスないでしょ。常識的に考えて。」
教夫 「そうなのか?母さん?」
教江 「そうねー。」
教子 「なんの話してんのよ・・」
教子 「ジョン、おかわり。」
ジョン「ワンッ!」
ジョンと呼ばれたゴールデンレトリバーがウエイターのように茶碗を丁重に頭にのせて、キッチンに持っていく。
キッチンでテナガザルのマイクがそれを受け取って、ご飯をよそってからジョンに渡す。
教夫 「それに、お前には調教師として天性の才能がある・・・・・父さんにはわかるんだ。」
教子 「天性の才能って・・こんなの練習すれば誰だって出来るでしょ。」
ジョンからご飯のおかわりを受け取りながら、私は言葉を返した。
教夫 「そんなことはないぞ。父さんだって完全に獣をコントロールすることができたのは25になってからだった。」
教夫 「しかも、あのスパルタなジイちゃんに引っぱたかれながら必死で練習して、だ。」
教夫 「それをお前はその齢で、難なくこなしている。これは素晴らしい才能だ!な、母さんもそう思うだろ?」
教江 「そうねー。」
教夫 「見ろ。そのジョンの物欲しそうな顔を。お前が一瞥くれただけで涎ダラダラじゃないか。えぇ、おい?」
教子 「あのさ、キャバクラにいるノリで娘と会話しないでくれる?こんな父親ってどうなのお母さん?」
教江 「そうねー。」
教夫 「ハッハッハ!」
教子 「はあ・・・・・・」
朝からどんよりとした気分になってしまった。
決められた将来。決められた日課。決められた毎日。
なんだかもう、うんざりとしてくる。
いつものことだが。
教子「ごちそうさま。私もう行くね。なんか食欲なくなっちゃった。」
教夫「今日午後から雨だから、傘もってけよ!そう天気予報で言ってたよな、母さん?」
教江「そうねー。」
教子「・・・・行ってきます。」
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