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がつ子、道草を食う
11.
「さっきのがいつもの、――なんですよね?」
「ん」
「乳首は? さわらないんですか?」
「え? いやその、そこはその、――うん」
「さわったんですか、さわらなかったんですか」
「えっと、さわ――」
ぼばばば、と頬が赤く染まる。
「――さわっ、て、みたんだがその、きみがしてくれたみたいにはそのあの、気持ちよく、ならなくて」
「どんなふうに? 見せてください」
「見せるって――」
「はい。乳首オナニーの具体的手法について確認したいので、見せてください」
「ちく、っ……、ぐた……」
顔が見えずとも困惑しているのが手に取るように分かる。目をやるとぎんぎんだった肉棒がぎんぎんに準ずる程度にトーンダウンしつつあるのが見えた。駄目だ。主任が冷静になって正気に返る前にたたみかけなければ。自慰で射精まで至らないのはつらいだろうから原因を探ろう、さあいつものやり方を見せてください、なんてそもそも無理があるのだが、ここまで来たら引っ込みがつかない。
耳もとに口づけながら囁く。
「気持ちいいやりかたを、見つけましょう。ね?」
「ん」
広居主任は両手をぱつんぱつんの胸板へおずおずと持っていった。硬そうに見えて意外にそうでもない胸筋を申し訳程度にもにもに揉むと両人差し指の先で
ぷに。
乳首を押し込んだ。
「――んっと、こんな感じ」
「なるほど」
まるで駄目。てんでなってない。
乳首当てゲームじゃあるまいし。初めから正解丸見えの状態で乳首の場所を当てっこするもしないもあったもんじゃない。
広居主任の乳首はポテンシャルが高い。
しっかり愛撫すればもっと感じやすくなるはずなのだ。ちゃんとやれ。
「私、お手伝いしますね」
樹子は後ろから手を伸ばし主任の大きな手をとった。広げた掌を胸の下、乳首に届かないあたりにそっとあてる。
「まず撫でましょう。こうして触れるか触れないかのところを、ゆっくり――」
「……」
小さな溜め息を聞き逃さない。
これは安堵の反応だ。
乳首の快楽を覚え始めたばかりの主任には、肉棒以外の場所への愛撫にまだ抵抗がある。気持ちよくなりたいけれど、いきなりだと恥ずかしいし怖い。乳首に興味はあるけれど、積極的にはなれない。離れたところから始まったことでほっと安心したのだろう。
広居主任は、乙女のようなものだ。
恥ずかしがり屋の乙女を攻略するにはどうするか。アプローチを誤り下手をすると快楽に堕とすのが難しくなってしまう。
急がば回れ。じっくり甘責めだ。気がついたら気持ちよくなっていた、この作戦で行こう。
耳に囁きかける。主任の手をゆっくりと動かすことも忘れない。
「お肌、きれいですね。ずっとさわっていたい」
「ん……」
主任が頭を寄せてきた。宥めるように励ますように頬に口づける。
色白で張りのある主任の肌は実際のところ触り心地がいい。樹子は利き手でないほうの手を直に肌においた。
「私と同じように、手を動かしてみてください。そっと――」
「ん、っ」
「乳首は、あとで。――こう、ですよ。いきなりじゃなくて外側からゆっくり。――そうです。ほんの少しだけ手を離してみて」
す、さす。
胸板のふくらみの、ふれるかふれないかのところを撫でる。広居主任の体から少し、力が脱けた。
ふ。
肩にかかる重みを受けとめる。
「ん」
「乳首は? さわらないんですか?」
「え? いやその、そこはその、――うん」
「さわったんですか、さわらなかったんですか」
「えっと、さわ――」
ぼばばば、と頬が赤く染まる。
「――さわっ、て、みたんだがその、きみがしてくれたみたいにはそのあの、気持ちよく、ならなくて」
「どんなふうに? 見せてください」
「見せるって――」
「はい。乳首オナニーの具体的手法について確認したいので、見せてください」
「ちく、っ……、ぐた……」
顔が見えずとも困惑しているのが手に取るように分かる。目をやるとぎんぎんだった肉棒がぎんぎんに準ずる程度にトーンダウンしつつあるのが見えた。駄目だ。主任が冷静になって正気に返る前にたたみかけなければ。自慰で射精まで至らないのはつらいだろうから原因を探ろう、さあいつものやり方を見せてください、なんてそもそも無理があるのだが、ここまで来たら引っ込みがつかない。
耳もとに口づけながら囁く。
「気持ちいいやりかたを、見つけましょう。ね?」
「ん」
広居主任は両手をぱつんぱつんの胸板へおずおずと持っていった。硬そうに見えて意外にそうでもない胸筋を申し訳程度にもにもに揉むと両人差し指の先で
ぷに。
乳首を押し込んだ。
「――んっと、こんな感じ」
「なるほど」
まるで駄目。てんでなってない。
乳首当てゲームじゃあるまいし。初めから正解丸見えの状態で乳首の場所を当てっこするもしないもあったもんじゃない。
広居主任の乳首はポテンシャルが高い。
しっかり愛撫すればもっと感じやすくなるはずなのだ。ちゃんとやれ。
「私、お手伝いしますね」
樹子は後ろから手を伸ばし主任の大きな手をとった。広げた掌を胸の下、乳首に届かないあたりにそっとあてる。
「まず撫でましょう。こうして触れるか触れないかのところを、ゆっくり――」
「……」
小さな溜め息を聞き逃さない。
これは安堵の反応だ。
乳首の快楽を覚え始めたばかりの主任には、肉棒以外の場所への愛撫にまだ抵抗がある。気持ちよくなりたいけれど、いきなりだと恥ずかしいし怖い。乳首に興味はあるけれど、積極的にはなれない。離れたところから始まったことでほっと安心したのだろう。
広居主任は、乙女のようなものだ。
恥ずかしがり屋の乙女を攻略するにはどうするか。アプローチを誤り下手をすると快楽に堕とすのが難しくなってしまう。
急がば回れ。じっくり甘責めだ。気がついたら気持ちよくなっていた、この作戦で行こう。
耳に囁きかける。主任の手をゆっくりと動かすことも忘れない。
「お肌、きれいですね。ずっとさわっていたい」
「ん……」
主任が頭を寄せてきた。宥めるように励ますように頬に口づける。
色白で張りのある主任の肌は実際のところ触り心地がいい。樹子は利き手でないほうの手を直に肌においた。
「私と同じように、手を動かしてみてください。そっと――」
「ん、っ」
「乳首は、あとで。――こう、ですよ。いきなりじゃなくて外側からゆっくり。――そうです。ほんの少しだけ手を離してみて」
す、さす。
胸板のふくらみの、ふれるかふれないかのところを撫でる。広居主任の体から少し、力が脱けた。
ふ。
肩にかかる重みを受けとめる。
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