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がつ子、新しい季節の扉を開く
6.
片方の部屋のデスクに椅子をもちこみ並んで座り食事をすることになった。やたらに狭いが、楽しい。くっついていると、嬉しい。主任が買ってきてくれたのは海鮮丼だった。ホテル近くの寿司屋でつくってもらったという。
「港が近くにあって魚が新鮮なんだ」
「おいしい」
かんぱちに黒むつ、飛び魚に薬味や卵焼きがあしらわれて味だけでなく目にも楽しい。
食事のあと、それぞれの部屋のバスルームでいそいそと歯磨きをすませ、ベッドで抱き合った。
「疲れただろ」
「さすがに、――はい。でも主任はもっとお疲れですよね」
「ん。平気」
頬から顎へ、指を這わせる。指先に生えかけの無精髭がちくちくと触れる。シャワーと食事で人心地ついたからか、顔色がよくなっていて樹子は安堵の溜め息をついた。大きな手が頬で遊んでいた樹子の手を包む。
「久しぶりって感じがします。――そんなでも、ないのに」
「そうだな」
主任は樹子の掌に口づけ、目を閉じた。睫毛が白い肌に影を落とす。震えるような瞬きののち、少し淡い色の目が目蓋からのぞいた。
「すまなかった」
後悔と苦渋で濡れる目も美しい。
ちゅ。
目の前の大きな手の甲に、樹子は口づけた。互いの手に隔てられ唇が遠い。
何度も謝らせるに忍びない。が、
ふ。
思いついて、樹子は微笑んだ。ゆっくりと互いの顔の間にある手をはずす。そして主任に覆い被さり耳もとに唇を寄せた。
「じゃあ、お仕置きですね」
「おしおき?」
「先週の出張前の主任はひどかったです。顔を見られたくないって、目を閉じたままにさせてしかも後ろから」
は……。
溜め息混じりに囁きかける。
「ゆっくり、ゆっくり何度も焦らされました。私がいってもやめてくれなくて、あのときの主任――意地悪でした」
「たつ、こ……」
互いの足が絡み、ガウンの裾が乱れた。耳もとで囁くたびに、下着越しに擦りつけられる怒張がびくびくと跳ねる。
樹子は主任の手を握り下へ、足の付け根へと導いた。ショーツのクロッチをずらし、昂ぶってすでに濡れそぼつ秘所に大きな手をあてる。ひくつく陰唇で
く、ちゅ。
武骨な指をしゃぶる。
「この前の朝も、ひどかったです。私、帰るっていったのに、……んっ」
ほころんだ蜜口へ指を一本、迎え入れた。ゆっくり、ゆっくり呑み込む。
「しゅにん、そのまま。指、うご、かしちゃ……厭」
「たつこ……」
うわずって掠れて、譫言のような主任の声にたまらず樹子は指を
きゅ、う。
締めつけた。
「きもち、い……、しゅに、ん」
小さく腰を揺すり淡い快楽を追う。指が増えた。蜜口を広げながら
にゅく、く。
抜き差しされる。
「っ、ん、しゅに、ん、んぁ」
「たつこ……!」
軽くのぼりつめそうになり、樹子は秘所から指を引き抜いた。
「動かしちゃ駄目って、いったのに」
「ごめん」
「もう、怒りましたよ」
樹子はむう、と頬を膨らませむくれるふりをした。
「今夜は一回だけ」
「何だって?」
「一回。主任が射精したら、今夜はおしまいです」
「えっ」
ヘッドボードに避妊具の箱が置いてある。一回ですませないつもりだったらしい。
「ど、……して」
「お仕置きですもの」
ぴったりとくっついたまま、ガウン越しに怒張を手でそっと撫でる。
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