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〈十三〉
しおりを挟む亡くなった御婆は、貴人と睦み合うための準備を促すいっぽう、折り目正しさにも強くこだわった。るいを優れた乙女にするために数え切れないほどの禁則を設けたが、そのひとつがはしたない声をあげてはならないというものだった。大口を開けて笑うのも駄目。驚きの声をあげるのも駄目。閨の稽古にも毎度立ち会った御婆は、稽古の折に声を立てることも禁じた。
――なんと、みっともない。貴人さまが驚かれるであろう。
るいは秘所に触れるとき、歯を食いしばるようになった。
新しく閨の作法の師となった勝五郎は、御婆とは逆に声を抑えることを禁じた。
ぬる、り。
しどけなく開いた唇からのぞいた舌が、るいの熱っぽく勃ちあがった乳首にふれた。
「んっ、ん、ぅんっ」
びりびりとしびれるような、じゅわじゅわと泡立つような、今まで味わったことのない鋭い快楽が体を駆け抜ける。
「歯を食いしばってはならぬ」
「……んっ、ぁ、んっ、ん」
胎の奥にとぷとぷと溜まる快楽に震える。
くちゅ。
秘所が蜜をたたえている。
「んっ、あ、あそこが濡れ、……んっ」
「るいど、の」
勝五郎の唇が、舌が乳首に触れるたびに腰がびくびくと跳ねてしまう。
は、……ふ。
荒い息が奥の間に籠もる。
るいは男の手を取った。勝五郎の中指を口に含み、
ちゅぷ、ちゅ。
舐めしゃぶる。指先をかりりと甘噛みし、舌と唇で愛撫する。そして濡れた指を足の付け根へと導いた。
「しょうご、ろう、さま、……挿れて、くださいませ」
「るい殿」
「乾いてしまいます……早く、しょうごろう、さま」
焦れたるいが腰を動かそうとすると、男の手が引き抜かれた。ぐい、と勢いをつけて起き上がった勝五郎に押し倒される。
「まだだ」
「でも……!」
「焦るな」
るいの膝を開いて、勝五郎は足の付け根へ顔を近づけた。
「しょ、ごろ、――さま」
「俺は今、左手が使えない。暴れないでくれよ、るい殿」
上目遣いの勝五郎と目が合った。視線は静かに凪いでいて、情欲に濡れている。
ちゅ、ちゅ、ちゅ。
ゆっくりと唇がるいの太ももの内側をたどる。勝五郎が秘唇に口づけようとしたとき、るいは
「や、いけません、だ、駄目」
身を捩った。
「指はよくて、口は駄目か」
「だって、――だって」
「俺に、任せてくれるのではなかったのか? ――ん?」
反対の太ももを、厚い唇が這いのぼる。
「んっ、おね、おねがい、いたしま、す」
「これから俺はるい殿に、気持ちいいことをする」
「きもち、い?」
「そうだ。今夜の稽古が終わるまで、るい殿が口にしていい言葉は気持ちいい、――これだけだ。よいな」
ちゅ。
勝五郎が太ももの内側に口づけた。
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