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出会い

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利久は大学卒業後、大手ゼネコンの総務部に入社し、中堅としてある程度地位を確立していた。

梨沙は利久の働くオフィス街にある弁当屋で働いており、最初はたまに利久が弁当を買いに行き、挨拶を交わす程度だった。

そんな日々が3ヶ月ほど経ち、利久は次第に梨沙の笑顔に惹かれ、毎日弁当屋に顔を出すようになった。

12/23の夜、利久が帰宅のため会社を出ると梨沙がオフィスの前に立っていた。

とっさに利久が話しかける。

利久「あの、弁当屋の方ですよね?」

梨沙「あ、はい、覚えていてくれたんですね。」

利久「もちろんですよ。で、何かご用ですか?」

この質問のあと、時間にして5秒程の沈黙が流れる。

そして、一呼吸置いて梨沙が発した。

梨沙「あの、、これ、、私の作ったお弁当、、味見して下さい。もし食べていただけたらここに感想のラインを頂きたいです。」

梨沙から渡された袋の中には弁当一つと小さな手紙が入っていた。

利久「それは構いませんが、僕なんかでいいんですか?」

梨沙「あなたじゃなきゃ意味ないんです。」

梨沙の言葉を聞き彼女に目を移すと、下を向き耳を赤く染めて、もじもじする彼女がそこにいた。

利久の視線に気づいた梨沙は慌てて一礼をしたのち走って行った。

利久は、一連の彼女の言動が素直に可愛いと感じ、もしや自分に気があるのかなど考えてドキドキしていた。

浮き立つ足で自宅に帰り、速攻で頂いた弁当を食べた。

弁当は野菜をふんだんに使い、一人暮らしの男に足りない栄養がバランスよく取れるように考えてあった。当然自分のために女性が作ってくれた弁当だ。不味いわけがない。

利久は「色鮮やかだし、非常に美味しい」と手紙に書いてあるラインIDに返事をした。

利久は明日、梨沙の働く弁当屋に行き直接感想とお礼を言いたい旨を合わせてラインした。

10分後、梨沙から返事が来た。

「ごめんなさい。明日は仕事お休みでいないんです。もしよかったら明日の夜お食事でもいかがですか?」

梨沙からの誘いに断るはずもなく、利久はすぐに返事をした。

利久「OKです。仕事が18時には終わるので、19時に駅前でいいですか?」

そんなやりとりをして、スムーズに食事の約束を取り付けた利久だったが、内心はすごく浮かれていた。

翌日、仕事を終え、待ち合わせ場所に30分も早く着くと既に梨沙は待ち合わせ場所に来ていた。

当たり前だか、いつもの制服ではなくオフショルダーのふわふわなニット服に、清楚さを感じる白いスカート、いつもはポニーテールの髪は綺麗にセットされて、まるで梨沙だけが別世界から来た人に見えた。

利久「すいません。お待たせしちゃいましたか?」

梨沙「いえ、私が早く着きすぎただけなので!」

はにかむように笑う梨沙を見て、利久は無意識の内に言葉が漏れてしまった。

利久「ヤバイ可愛い。」

利久は一瞬ハッとし、慌てて「すいません」と誤った。

梨沙は少し恥ずかしそうに「いえ、大丈夫です」と答えて店に移動した。

店の中では先日もらった弁当のお礼と正直な感想を伝え、楽しい時間が過ぎていった。

店を出て、駅に向かっていると梨沙が立ち止まり、話し始めた。

梨沙「あの、利久さん。私のことどう思いますか?服も髪も精一杯頑張って来て、可愛いって言われて、私凄く嬉しかった。少しは利久さんの気を引けましたか?」

利久「梨沙さん、、ずるいですよ。可愛すぎます。」

梨沙は照れながらエヘヘっと笑い、その笑顔に利久は耐えきれず、梨沙を抱きしめながら、「好きです」と伝えた。

梨沙「まだ私たち、全然お互いのこと知らないのに、、でも、、、私もあなたが大好きです。」

梨沙は大粒の涙を流しながら笑顔でそう言った。

のちに知ったのだが、梨沙が仕事を始めて一番最初のお客さんが利久で、間違えてオーダーを通してしまい違う弁当を渡したところ、利久が「ちょうどこれが食べたくなったので大丈夫てす」と言ったことから気になっていたとの事。

こうして梨沙と利久は恋人になった。
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