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序
しおりを挟む「尚食局の宮女、李鈴風に皇命を下す!」
私の目の前でなにか書かれた巻物をこれ見よがしに広げた文官と思しき青色の官服を着た人が、叫ぶようにそう言った。
皇命。
頭の中でその二文字を思い浮かべる。
この宮殿内に住んでいる者ならば誰しも一度は耳にしたことがあるかもしれないが、まさかそれが自分に向けられようとは、17年生きていたけど夢にも思わなかった。
私は地面に尻もちをついたまま、文官とその傍らに立つ宦官の格好をした麗人を交互に見やり、池で餌を待つ鯉よろしく口をぱくぱくとさせていた。
周囲は、その人並外れた麗人の登場にざわめき、あれよあれよという間に人でいっぱいになっていた。
けれど、今は外野に構っている余裕などどこにもない。
皇命って、一体なに……?
もしかして、不敬罪で死刑?
よくて流刑とか?
だったらせめて温かい所にある島にしてくれないかな……、そしたら釣りでもして自給自足ができそうな気がする。寒いのだけは嫌。文明の利器のエアコンやストーブのないこの世界で極寒の冬を過ごすのだけは勘弁して欲しい。
どうかお願いします、流刑は南の島でお願いします!
ありったけの念を込めて祈り、文官が次の文言を発する様を、私は息を詰めて見つめた――……
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