4 / 54
第一章
第3話『分析スキル』
しおりを挟む
シェーラは記憶のない私に対して懇切丁寧に世界のことを教えてくれた。
まずここは『アゼスティア』という名前の世界らしい。各国の史料によると、少なくとも2000年以上前から存在する世界。人間は勿論、魔物、妖精、エルフ、ドワーフなどの種族がいるらしい。まさにゲームの世界だ。
そしてここは『魔女の森』という場所で、いつから存在したのかシェーラも分からないらしい。ただ、彼女は100年前にこの場所を見つけてから居を構えているそうだ。
そしてアゼスティアでは有史から特殊な能力の存在が認知されており、それを『スキル』と呼んでいる。人によってどんなスキルが発現するのかは分からないらしいが、努力次第で身につけることもできるらしい。
「じゃあシェーラのスキルは魔女だから持ってるもの?」
「まぁそうね。魔法については魔法使いだからだし、魔女でもあるから。ただ、それ以外は世界を冒険したり、書物を読んだりして得たスキルね」
魔法使いと魔女の違いはよくわからないけれど、一旦おいておこう。兎に角、経験や知識からスキルが得られるのか。ただでさえこの世界について一般人よりも疎い分、この二つは常に意識する必要があるかもしれない。
「で、そんな中あなたは分析能力があるわけだけど」
「そうね。でもシェーラも持ってるじゃない」
「いやいや、スキルっていうのは一般的にレベルみたいなものがあるのよ。レベルの上限は主に10って言われているけど、スキルによっては上限が5とか1とかのもあるわけ」
「へぇ。じゃあ分析も10まであるのね」
異世界転生といえばその世界の住人からは考えられない、チート級の能力を持って転生するのが定番なだけに、ちょっと残念だ。こういうときは何者にも力負けしない剣技とか、無限に使える魔法とか、そういうのが欲しかったのだけど
するとシェーラが急に早口になった。
「一般的に分析のレベル上限は5って言われているわ。しかもレベル5どころか、レベル4ですら世界に何人いるのかわからないのよ」
とんでもない能力かというような言い方だ。私にはあまりピンときておらず、はぁ、と返すしかなかった。…というか、さっきの実演を通してみても、分析能力なんて地味すぎでは?しかもLv8なんて中途半端だし…。まぁ、折角ある能力なら、有効に使っていこう。
シェーラはそのまま話を続ける。
「で、分析Lv4までで分かっているのは、個体分析、物質分析、能力分析、物成分析、スキル分析、物質効果分析、属性分析。レベル5以上はそもそも幻の産物だから、それ以上のことはわからないわ」
「ってことは、シェーラは私をここへ連れて来る時点で私の名前とか、転生者だってこと知ってたの?」
「そうね。初め知った時は自分のスキルを疑ったわ。転生者だし、分析Lv8だし…。しかもだいたいそういう情報は隠すのが普通なのに」
「隠せるものなの?」
「分析スキルの副産物で、自分の情報を分析されないようにスキルを隠すことができるの。それ以外にも、名前とか種族とかを偽造したりもできるわ」
鍵があるから錠前もある、みたいなことなのだろうか。まぁ個人情報とかプライバシーとかは特にインセンティブなものだ。隠せるのならありがたい。
ただシェーラの言葉から一つ疑問が生じる。それはシェーラを分析したときのことだ。
「…じゃあなんでシェーラは情報を隠さずに私に分析されたの?」
先の通り個人の、特に能力情報の公開は下手したら今後を左右するかもしれない。シェーラが魔女だというのなら尚更だ。
「隠さなかったというより、隠せなかった、というのが正しいわね。分析される時、相手の分析レベルと同等以上だと分析されちゃうの」
「つまり、シェーラの分析レベルは3だったけど、私のレベルが8だから分析できたってこと?」
「そゆこと」
誰からも絶対に隠し通せるわけではないのか。…シェーラの話を聞く限り、分析レベルは世界的には5が上限らしいから、多分私は大丈夫だろうけど。
「私を分析した時、種族を偽造したって疑わなかったの?」
「そりゃそう思ったわよ。でも、偽造しているのに分析Lv8が露見しているのは普通ありえないわ」
確かに、相手に分析能力を見せるということは、偽造しているかもしれないと初めから教えているようなものだ。
「なるほど。じゃあやっぱり、隠したほうがいいのね」
「いいっていうか、あなたは隠さなきゃだめでしょ。転生者とか分析レベルの高さとか、世間に知られれば下手すれば国が動くわ」
「そ、そんなに?」
「そりゃそうよ。転生者なんて偽造だと思われても変なやつだと認識されてまともに取り合ってくれないだろうけど、本当だと知られたら各国がそれを利用しない手はないからね。しかも分析能力が特化しているのなら、尚更」
どうやら私が思っているより、世界にとって私の存在は特異なものらしい。元々人にひけらかすような真似はしないつもりだったが、そもそも知られること自体よくないのか。
「じゃあどうすれば?」
「簡単よ。自分の情報を、分析能力を使って書き換えればいいの」
言われた通りに分析能力を発動する。すると先程見た私の情報が流れてきた。書き換えるイメージを持って情報を隠そうとしてみる。
【名前】レイン
【種族】人間[転生者]
【性別】女
【年齢】??[13]
【職業】-
【体力】?/?[100/100]
【魔力】?/?[50/50]
【属性】?[水]
【弱点】?[無]
【スキル】-[分析Lv8][暗視Lv1]
【異常】-
やってみたはいいものの…これで本当に分からないものなのだろうか?
「そうそう。上手くできたわね」
「本当?あんまり隠せた気がしないんだけど」
「大丈夫。今私が分析しても、あなたはスキルも何も無い人間の女の子としか分からないわ」
あまり実感は湧かないが、ここまで助言をしてくれるシェーラが嘘を付くとも思えないので、まぁしっかり隠せているんだろう。
シェーラのおかげで分析能力について段々とわかってきたが、まだまだわからない部分もある。これから生活するうえで分析能力についても研究する必要がありそうだ。
「それで、これからあなたはどうするの?」
シェーラにそう問われ、私は暫く考え込む。大概の転生物語では世界に問題があったり、神様かなんかからお願いされて魔王を倒してくれと言われたりするものだ。ところが私はそういう、所謂事前情報どころか、自身の記憶すらない状態だ。
「自分がどうして転生したのか知る為に世界を回りたいかな。絶対に何か理由があるはずだから」
まずは世界を知る。そうすれば何故自分がこの世界に導かれたのか、答えとは言わずともヒントが見えてくる。根拠はないけれど、直感的にそう思った。
「なるほどね。じゃあ旅をする準備の手伝いをしてあげる」
シェーラは立ち上がりエプロンの紐を解き、慣れた手つきでエプロンを畳むとそれをテーブルの上に置いた。
「本当?いいの?」
「乗りかかった船だし。ただ、最低限の手伝いだけだからね」
「勿論。初歩のことだけ教えてくれれば、あとは自分でなんとかする」
そう言うとシェーラはニヤリと笑った。分かっているじゃない、とでもいいたげな顔だ。
「ついてきて。この世界での生き方を教えてあげる」
シェーラは玄関の扉を開けて外へ出た。私も彼女の後をついていった。
まずここは『アゼスティア』という名前の世界らしい。各国の史料によると、少なくとも2000年以上前から存在する世界。人間は勿論、魔物、妖精、エルフ、ドワーフなどの種族がいるらしい。まさにゲームの世界だ。
そしてここは『魔女の森』という場所で、いつから存在したのかシェーラも分からないらしい。ただ、彼女は100年前にこの場所を見つけてから居を構えているそうだ。
そしてアゼスティアでは有史から特殊な能力の存在が認知されており、それを『スキル』と呼んでいる。人によってどんなスキルが発現するのかは分からないらしいが、努力次第で身につけることもできるらしい。
「じゃあシェーラのスキルは魔女だから持ってるもの?」
「まぁそうね。魔法については魔法使いだからだし、魔女でもあるから。ただ、それ以外は世界を冒険したり、書物を読んだりして得たスキルね」
魔法使いと魔女の違いはよくわからないけれど、一旦おいておこう。兎に角、経験や知識からスキルが得られるのか。ただでさえこの世界について一般人よりも疎い分、この二つは常に意識する必要があるかもしれない。
「で、そんな中あなたは分析能力があるわけだけど」
「そうね。でもシェーラも持ってるじゃない」
「いやいや、スキルっていうのは一般的にレベルみたいなものがあるのよ。レベルの上限は主に10って言われているけど、スキルによっては上限が5とか1とかのもあるわけ」
「へぇ。じゃあ分析も10まであるのね」
異世界転生といえばその世界の住人からは考えられない、チート級の能力を持って転生するのが定番なだけに、ちょっと残念だ。こういうときは何者にも力負けしない剣技とか、無限に使える魔法とか、そういうのが欲しかったのだけど
するとシェーラが急に早口になった。
「一般的に分析のレベル上限は5って言われているわ。しかもレベル5どころか、レベル4ですら世界に何人いるのかわからないのよ」
とんでもない能力かというような言い方だ。私にはあまりピンときておらず、はぁ、と返すしかなかった。…というか、さっきの実演を通してみても、分析能力なんて地味すぎでは?しかもLv8なんて中途半端だし…。まぁ、折角ある能力なら、有効に使っていこう。
シェーラはそのまま話を続ける。
「で、分析Lv4までで分かっているのは、個体分析、物質分析、能力分析、物成分析、スキル分析、物質効果分析、属性分析。レベル5以上はそもそも幻の産物だから、それ以上のことはわからないわ」
「ってことは、シェーラは私をここへ連れて来る時点で私の名前とか、転生者だってこと知ってたの?」
「そうね。初め知った時は自分のスキルを疑ったわ。転生者だし、分析Lv8だし…。しかもだいたいそういう情報は隠すのが普通なのに」
「隠せるものなの?」
「分析スキルの副産物で、自分の情報を分析されないようにスキルを隠すことができるの。それ以外にも、名前とか種族とかを偽造したりもできるわ」
鍵があるから錠前もある、みたいなことなのだろうか。まぁ個人情報とかプライバシーとかは特にインセンティブなものだ。隠せるのならありがたい。
ただシェーラの言葉から一つ疑問が生じる。それはシェーラを分析したときのことだ。
「…じゃあなんでシェーラは情報を隠さずに私に分析されたの?」
先の通り個人の、特に能力情報の公開は下手したら今後を左右するかもしれない。シェーラが魔女だというのなら尚更だ。
「隠さなかったというより、隠せなかった、というのが正しいわね。分析される時、相手の分析レベルと同等以上だと分析されちゃうの」
「つまり、シェーラの分析レベルは3だったけど、私のレベルが8だから分析できたってこと?」
「そゆこと」
誰からも絶対に隠し通せるわけではないのか。…シェーラの話を聞く限り、分析レベルは世界的には5が上限らしいから、多分私は大丈夫だろうけど。
「私を分析した時、種族を偽造したって疑わなかったの?」
「そりゃそう思ったわよ。でも、偽造しているのに分析Lv8が露見しているのは普通ありえないわ」
確かに、相手に分析能力を見せるということは、偽造しているかもしれないと初めから教えているようなものだ。
「なるほど。じゃあやっぱり、隠したほうがいいのね」
「いいっていうか、あなたは隠さなきゃだめでしょ。転生者とか分析レベルの高さとか、世間に知られれば下手すれば国が動くわ」
「そ、そんなに?」
「そりゃそうよ。転生者なんて偽造だと思われても変なやつだと認識されてまともに取り合ってくれないだろうけど、本当だと知られたら各国がそれを利用しない手はないからね。しかも分析能力が特化しているのなら、尚更」
どうやら私が思っているより、世界にとって私の存在は特異なものらしい。元々人にひけらかすような真似はしないつもりだったが、そもそも知られること自体よくないのか。
「じゃあどうすれば?」
「簡単よ。自分の情報を、分析能力を使って書き換えればいいの」
言われた通りに分析能力を発動する。すると先程見た私の情報が流れてきた。書き換えるイメージを持って情報を隠そうとしてみる。
【名前】レイン
【種族】人間[転生者]
【性別】女
【年齢】??[13]
【職業】-
【体力】?/?[100/100]
【魔力】?/?[50/50]
【属性】?[水]
【弱点】?[無]
【スキル】-[分析Lv8][暗視Lv1]
【異常】-
やってみたはいいものの…これで本当に分からないものなのだろうか?
「そうそう。上手くできたわね」
「本当?あんまり隠せた気がしないんだけど」
「大丈夫。今私が分析しても、あなたはスキルも何も無い人間の女の子としか分からないわ」
あまり実感は湧かないが、ここまで助言をしてくれるシェーラが嘘を付くとも思えないので、まぁしっかり隠せているんだろう。
シェーラのおかげで分析能力について段々とわかってきたが、まだまだわからない部分もある。これから生活するうえで分析能力についても研究する必要がありそうだ。
「それで、これからあなたはどうするの?」
シェーラにそう問われ、私は暫く考え込む。大概の転生物語では世界に問題があったり、神様かなんかからお願いされて魔王を倒してくれと言われたりするものだ。ところが私はそういう、所謂事前情報どころか、自身の記憶すらない状態だ。
「自分がどうして転生したのか知る為に世界を回りたいかな。絶対に何か理由があるはずだから」
まずは世界を知る。そうすれば何故自分がこの世界に導かれたのか、答えとは言わずともヒントが見えてくる。根拠はないけれど、直感的にそう思った。
「なるほどね。じゃあ旅をする準備の手伝いをしてあげる」
シェーラは立ち上がりエプロンの紐を解き、慣れた手つきでエプロンを畳むとそれをテーブルの上に置いた。
「本当?いいの?」
「乗りかかった船だし。ただ、最低限の手伝いだけだからね」
「勿論。初歩のことだけ教えてくれれば、あとは自分でなんとかする」
そう言うとシェーラはニヤリと笑った。分かっているじゃない、とでもいいたげな顔だ。
「ついてきて。この世界での生き方を教えてあげる」
シェーラは玄関の扉を開けて外へ出た。私も彼女の後をついていった。
1
あなたにおすすめの小説
できない子に転生しましたが、家族と食卓があれば十分です ―人間不信だった私が、ゆっくり育つ異世界生活―
愛朱ひいろ
ファンタジー
人の顔色ばかり伺い、心を壊した26歳の会社員女性。
彼女は死後、異世界で「できない子」として転生する。
魔法は使えない。
体は不器用で、成長も人より遅い。
前世の記憶のせいで、人と関わることが少し怖い。
けれどこの世界には、
見守り支えてくれる両親と、
あたたかい食卓があった。
泣いて、つまずいて、できないことに落ち込みながら、
彼女は少しずつ「できないままでも、生きていていい」と知っていく。
これは、
最強でもチートでもない主人公が、
家族と食事に支えられながら、ゆっくり育ち直す
生活密着型・異世界転生×成長×グルメファンタジー。
……の、予定です。
毎日更新できるように執筆がんばります!
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
【連載】リサイクルは異世界で?転生したら捨てられた悪役令嬢でしたが、そもそも価値が分からない男は不要です
Nekoyama
ファンタジー
どこにでも居そうな陰キャ系OL。それが私、間根 綺羅(まね きらら)の表の顔。でもその実は株式取引で総資産10億円突破している隠れ富豪。これを元手に、社畜は卒業して、ゆるーく楽しく暮らしていこうと思ったその矢先に、真っ白な世界に!!
あなたにはスキル「リサイクル」を授けましょう。世界をキレイにするために異世界で頑張ってくださいね。
そんな声が聞こえた気がする。え、私のお金は?鬼か!?
平凡な村人だと思われていた俺、実は神々が恐れる最強存在でした〜追放されたけど、無自覚チートで気づけば世界の頂点〜
uzura
ファンタジー
平凡な村人・レオンは、勇者パーティの荷物持ちとして蔑まれ、ある日「役立たず」として追放される。
だが、彼の正体は神々が恐れ、世界の理を超越する“創世の加護”を持つ唯一の存在だった。
本人はまったくの無自覚——それでも歩くたび、出会うたび、彼によって救われ、惹かれていく者たちが増えていく。
裏切った勇者たちは衰退し、彼を捨てた者たちは後悔に沈む。
やがて世界は、レオン中心に回り始める。
これは、最弱を装う最強が、知らぬ間に神々を超える物語。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる