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 あ、だから、俺のこと知らなかったって訳か……そこは納得。

「あ、でも……何でこの時間にピアノを弾かれていたんですか?」
「え? えっと……この時間じゃないと練習が出来ないって言った方がいいかしらね……。 放課後は吹奏楽部の生徒達がここで練習するじゃない? だから、私がこういう風に練習する時間は生徒達が帰った後ってことになるのかしらね……」
「そういうことだったんですか……」
「鮫島さんは音楽は好きなんですか?」
「え?   まぁ……体育教師って柄なんで、そういう風には見えないのかもしれませんが、音楽は好きですよ……。 特にクラッシックとか……」
「へぇーー意外ですね……」
「俺の両親は共に学校の教師でしたから、クラッシックばっかり聞かされていたので、どうも、好きになってしまったみたいなんですよね……あの、癒される音が好きでして……。 まぁ、母親が音楽教師だったってこともあるんですけどね……」
「そういうことでしたか……。 なら、毎日のように放課後、ここに来て私が弾く音楽で宜しかったら聞きに来て頂いてもよろしいですよ……」
「……へ?」

 そう笑顔で言う上北先生は天使のようだった。
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