GPTであそぼ

鹿又杏奈\( ᐛ )/

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すずちゃんのJK生活

第38話 祭りのあとと、現実という名のテスト

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「……あー……やだぁ……」

登校して早々、制服のリボンもまともに結ばないまま、席に着いた楓ちゃんが机に突っ伏した。まるで夏を引きずる蝉のように、最後の抵抗を全身で表現している。

文化祭の撤収作業を終えて数日。束の間の休日も終わり、やってきたのは──
休み明けのテストという、何とも無慈悲な現実だった。

「小鈴ちゃん、覚えてる? 文化祭……あれ、夢だったんじゃないかな……」

「いや、先週までガチでやってたよ。私たち、冊子完売させてたし」

「現実を直視しないで……っ!」

ぐったりと机に頬を押し付ける楓ちゃん。
……提出義務がないってごねてたくせに、結局、誰よりも早く作品書き上げたのは、どこのどなたでしたっけ? と思いながら、小鈴は苦笑する。

「楓、テスト範囲なら昨日の夜に送っただろ」

「兄さん、それは“見る時間があれば”の話なのだよ」

「だったら見ようよ!?」

都斗くんが、あきれた顔でタブレットをタタタッと指で叩いている。
どうやら、全科目の試験情報を一元管理しているらしい。管理能力がもはや先生かスパイ。

その横で紅葉先輩は──

「ん? 俺? もう終わったよ」

「……テストって、何日あるか知ってます?」

「あるでしょ? 三日間。で、今日が一日目」

「じゃあ“終わった”ってどういう……」

「昨晩、自作した。全教科、模試形式で。採点もした。たぶん明日以降もいける。うん」

「全教科自作模試……!?」

本気で驚いた。いや、尊敬はする。でもそれってもう“対策”じゃなくて“別競技”では?

「ていうか一郎くんも普通に筆記具しか持ってきてないし……余裕なんだね」

「ま、まあ……うちの一族は試験形式に慣れてるっていうか……」

「そっか。でも一郎くん、ノートちぎれてるやつしか使ってないよ?」

「……っ」

するどい指摘に、一郎が軽く俯く。
昨日の夜、きっと帳面の修復とテスト勉強の両立で手いっぱいだったんだろう。ノートのちぎれ方が、すべてを物語っていた。

それでも──そんな空気も、前よりずっと穏やかだと感じる。

裏文芸部でいくつもの異変を共に乗り越えてきた今、こうして笑いながら同じ空間にいられることが、なにより心強い。

テスト1日目の科目は、現代文・数学・英語。
時間割が廊下に貼り出されると、教室のあちこちからため息が上がった。

「やばい……古文と関係詞の境界、ぜんっぜん覚えてない……!」

「そのあたり、直前まとめ見る? 小鈴ちゃんノート綺麗だったし、参考になるかも」

「い、いいの!?」

「もちろん。自分の確認にもなるし、一緒にやろ」

「……女神かな?」

「いやいやいや、神じゃないですから!」

少し騒がしい教室。でも、その賑やかさは心地よかった。
そういえば入学当初、小鈴はこの教室で誰の顔も知らなかった。
ただ静かに、席に座っていただけの自分。
それが今では、こうして誰かとノートを広げ、笑い合っている。

テストという現実は重たいけれど──
それでも今は、この日常がとても暖かく、大切に思える。

──ああ、本当に“学園生活”って感じだな。

そんなふうに思えたのは、きっと初めてかもしれない。

 

休み時間。

廊下の風が、少しだけ秋の気配を帯びて吹き抜ける中、紅葉先輩がふいに口を開いた。

「てかさ。終わったらどっか行く?」

「……え?」

「テスト終わったら打ち上げ。そういうの、大事でしょ。みんなでさ。裏じゃなくて、表の文芸部として」

「いいねぇ、アイス食べたい! お昼まで寝たい!」

「夏ももう終わりだからな……外、出るのも気持ちよさそうだしな」

「……それ、誰がまとめるの?」

ぴたりと沈黙した空気の中──全員の視線が、ひとりの男子に集中する。

都斗くんが、肩を落としながらスケジュールアプリを開いた。

「……またか」

でも、その言葉に誰も文句は言わなかった。
むしろ、その手際に安心しているような空気すらあった。

その様子を、小鈴は静かに見つめる。

──1-G組で過ごす、この日常。

事件も、異変も、確かに今も世界のどこかにある。
けれどそれでも、自分たちは“今”をちゃんと生きている。笑って、学んで、悩んで。そうしてまた前に進んでいく。

それはきっと、誰かに守られているからこそ得られた日常で。
それでも──それに甘えず、自分もまた守れる側になりたいと、心のどこかで願っている。

テスト明けの未来に、少しだけ胸を躍らせながら──
小鈴は教科書を開いた。

終わりゆく夏と、始まりかけた秋の狭間にある、静かな決意と共に。
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