大好きなお兄様が記憶を失ったので、初めて会ったフリをして、一目惚れしたともうアタックしてみました。

霙アルカ。

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恐怖。

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、、、王女様のまさかの裏の顔に、驚いた私は、暫く遠ざかっていく二人をパチパチと目を何度か瞬かせ、見守るしかなかった。

あれだけ可憐で可愛らしい王女様の先程の一言はきっと、私の聞き間違いなのでは?とすら思ってしまう。

いや、普段は本当に可愛くて皆んなに好かれる王女様なのであろう。

なのに、血も繋がっていない私がベタベタと、自分の婚約者にしていれば、いい気はしないに決まってる。

「暗い夜道には気をつけてね。」と何とも意味深な事を言われたけど、仮にも王女だ。
何か変な事をするわけがないと、特に考えずに庭園にお兄様を探しに行った事が間違えだった。

未だに私の婚約者探しをしてるだろう兄は王宮の中にはいなかった。庭園に行ったのか?とキョロキョロと探しているうち、人気がない様な場所にまで来てしまっており、

「お兄様~。お兄様どこですか?」と呼んで見ても、辺りはシーンと静まり返っており、返答はない。

ブツブツと婚約者探しをしているうちに、迷子になったのでは?と思ったけど、本当にどこに行ったの。

一度会場の方に戻って探そうかしら。

そう思い踵を返した瞬間、私の足音ではない音が聞こえた。

その足音はゆっくりゆっくりと私の元へと近づいてくる。

私の後を追いかけて来ているのではないかも知れないと思い、足音に気づかないフリをし、歩く速度を早めるが足音は止まる事がなく、私についてきている。
なんなら、私がスピードを上げれば、後ろをついてくる者のスピードもまた、上がった。

間違えでも思い込みでもなく、間違いなくその足音は私の後を追って来ている。

王女様の「暗い夜道には気をつけてね。」という言葉が頭に響き、恐怖で駆け出そうと思った時、ドレスの裾を私の後ろをついてきていたであろう者に踏まれ、私の体は思わずよろけてしまう。

「キャッ!」とその場に倒れ込みそうになるが、倒れる前に私の後ろにいた者に体を抱きしめられた。
助けてくれた??かと思えば、口に布をねじ込まれ、その考えを否定される。

「んんっ!ん!」

両腕を拘束され、ズルズルと体を引っ張られた。

そして、人が来なさそうな茂みの方へ向かおうとしているのが見て取れる。

私を抑える手は大きいく、男だというのがわかった。
「んん!!んっ!!」

茂みの中に入れられて仕舞えば、何をされるかなんて、私でもわかる。

もし、そんな事をされれば、たちまち私が傷物になったという噂が流れ、私と結婚したいという人は一人もいなくなるだろう。

それはいい、、寧ろロアンお兄様以外と結婚などしたくない物。

だけど、ロアンお兄様も、、傷物になってしまった私を、汚らわしく思ってしまうかもしれない。

そう思うと、こんな所で誰かも分からない男の思い通りに、されるわけには行かないのだ。

何とかその腕から逃れようと必死でもがくが、私なんかよりも力の強い男の腕に敵うこともなく、ただただズルズルと引きずられていく。

そうして、抵抗虚しく茂みの中へと引き摺られていくのだ。

布を噛まされ話せない私を、どさりとその場に押し倒した男の顔をその時初めて見た。

目元を何か黒い布で隠しておりよく見えないが、がっしりとした体格をした男の口元には黒子がある。

その顔が抵抗する私に近づいてこようとする物だから、思わず思いっきり頭突きをしてやった。
 
一瞬男の動きが鈍った為、後期と捉え逃げ出そうとするが、すぐに腕を掴まれ組み敷かれる。

「んん!!んっ!」

布のせいで叫んで助けを呼ぶことも出来なければ、男の力に敵わず、逃げることも叶わない。

男の手は私のドレスを脱がそうと、背中に手が回っている。

知らない男に背中をベタベタと触られ、気持ちが悪く今にも吐きそうである。

このまま、処女を奪われ、ロアンお兄様に汚れてると思われるのだ。
そう思うと悲しくて、ポタポタと涙が溢れた。

私を組み敷く男は、涙を流し出した私にハッとしたあと、そっと私の頬を撫でた。
何故、、今から襲う女の頬を撫でるのか。
不思議に思うが、そういう趣味なのかもしれない。
『すまない。』
男の口が口パクでそう言った気がしたのはきっと気のせいだろう。

だって男のもう一方の手は私の胸を触っている。
もう駄目だ、諦めよう。

ロアンお兄様の事も、何もかも諦めよう。
「レイラ~!レイラ!どこ言った!」

そう思った時だ、私を探すお兄様の声が聞こえたのが。
これが逃げられる最後のチャンスかもと思い、「んん!!!んんんー!!」と声を出せば、流石の男も私を置いて逃げていった。 

私の僅かな声が聞こえたのであろう、茂みの方へとお兄様が急いで向かってくる足音が聞こえた。

草をかき分け、草の上に倒れ込む私を見つけたお兄様は見た瞬間に何が行われたかわかったのだろう、いつもヘラヘラ笑ってる顔を歪め、「レイラ!!」と私の元へ一目散に駆け寄り、私の口に押し込められた布を取り出し、力一杯抱きしめた。

「お兄様、、、。」

恐怖と助かったという安堵から、私の目から大粒の涙が溢れ、体はガタガタと震えた。  

「誰が!!!誰がレイラにこんな事を!!」

かつて見たことが無い程、怒りに震えるお兄様に、王女様です。なんて、言えるわけがない。

相手が王女様との証拠もなければ、相手は王女様だ、、敵うはずがない。

「大丈夫です、、お兄様が来てくれましたから。」

そう言ってお兄様の体を抱きしめると、お兄様もギュッと私を抱きしめる腕に力を入れた。

衣服を整え、心配するお兄様と共に王宮に戻れば、王女様の横でロアンお兄様は楽しそうに笑っていた。
そして、その横にいる王女様は、私を見つけ少しびっくりした表情をした後、不気味に笑うのだ。

その笑みを見れば、彼女が犯人だというのは明確だった。
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