そんなに義妹がいいのですね?さようなら、あなた。

nanahi

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19 金庫から消えた大金2

「奥様!奥様っ!!」

玄関で郵便配達人から封書を受け取った執事が蒼白になって私のもとへ駆け込んできた。その手には、王都の不動産会社の重々しい刻印が押された書状が握られていた。

「一体どうしたの、ジャック。そんなに慌てて」
「王都の一等地にある高級物件が、奥様の名義で勝手に購入されております!」
「なんですって!?」

私は執事が差し出した書類に急いで目を通した。目に飛び込んできたのは信じ難い内容だった。

『支払い責任者:ルイーゼ・パシー様

物件所在:王都 セントライヤン通り1-3
用途:保養用別荘(私邸)
購入金額:1億2000万リル
決済状況:1億リル支払い済み(残金2000万リルは後日精算)
登記名義人:モニカ・ヴェリオール様』

「は?……1億リル、支払い済み……?」

震える指先でその数字をなぞる。こんな物件、買った覚えはない。しかも、偶然にも紛失したお金と同じ金額だ。

次に私は最も目にしたくない名前が、登記名義人に記されているのに気づいた。

「登記名義人:!?よりにもよって、1億2000万リルの豪邸がモニカの所有物になっているじゃない!!……しかも支払い義務者は私──汗水流して働いてきた大金を妹のために使われてしまったっていうの?」
「奥様、これはあんまりです!一体誰がこんなことを!?」

執事の声が怒りで震えている。

「ありえない」

ショックのあまり、私の乾いた喉からかすれた声が漏れた。

モニカのためにこんなことができるのは──

「……まさか、ダミアンが金庫のお金を……?」

それでさっき、警察に通報すると言ったらあんなに慌てたの?

腑に落ちる──私は衝撃と怒りで体が震えてきた。

あまりの理不尽に視界が真っ赤に染まりそうになる。きっとダミアンが愛人のために愛の巣を買い与えたのだ。しかも、まだ2000万リルの支払いが残っている。そのツケさえも、当然のように私に払わせるつもりなのだろう。

「奥様、如何いたしましょう……」

執事がひどく困惑した顔で私に聞いてきた。当然だ。当主が大金をくすねた可能性が浮上したのだから。

「夫に確かめるわ。事業用の資金に手を出したとしたら、とんでもない事だわ」

私は疑念と怒りを胸に、ダミアンの私室を訪ねることにした。


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