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1 妹に奪われる人生
月夜の静寂にふたつの影。
私とアルスター様が静かに向かい合う。
アルスター様の星屑をたたえたような銀眼が真っ直ぐに私を見つめる。
私はうっとりとアルスター様の瞳を見つめ返す。
アルスター様が私の頬に恐る恐る触れる。とたんに私の頬に霜が生まれ、ピキピキと凍り始める。
はっとしたようにアルスター様はその手を離そうとする。
「怖がらないで……」
私は懇願するように囁く。
私がふうーっと長く息を吐くと、凍り始めていた私の頬から徐々に霜が消え去っていく。
アルスター様は決意した瞳で、もう一度私の頬に手を添える。
私たちは惹かれあうように少しずつ近づいていく。
私は目を閉じる。
私の唇にアルスター様の唇が静かに重なった。
これは、氷の辺境伯と恐れられたアルスター様と私の恋の物語──
私には何の取り柄もなかった。
容姿も平凡で、学園時代、告白をされたこともない。一方、ひとつ年下の妹ロザリーは華がある上に甘え上手で、友達も多く、両親にも周囲の人たちにも可愛がられていた。
両親が流行病で倒れた時、夜通し看病したのは私だった。ロザリーは「うつるのが怖いから」と両親が寝ている部屋に入ることさえしなかった。
ようやく両親が高熱から回復したとき、いきなりロザリーがやってきた。
「お父様、お母様、目が覚めたのね!」
どん!
「痛っ!」
数日にわたる看病で疲れ果て、椅子に腰掛けたまま両親のベッドの傍で眠りかけていた私を、いきなりロザリーが突き飛ばした。
「クラリスお嬢様っ!」
椅子から床に転げ落ちた私を、メイドが仰天して抱き起こした。
「私がつきっきりで看病したのよ。よくなって本当に良かったわ。お父様、お母様」
「え?」
ロザリーの言葉にメイドが呆気に取られた。
「そうだったのか。本当にいつもありがとう、ロザリー」
「なんて優しい子なの。それに比べて姉のクラリスは」
両親は本当のことも知らないまま、私に冷たい視線を浴びせた。
「だ、旦那様、看病なさったのは」
戸惑うメイドに妹のロザリーは”何も言うな”と、ギッと鋭い視線を送った。
「いいのよ」
「で、でもクラリスお嬢様……」
いつものことだった。ロザリーは面倒なことや嫌なことは全て私に押し付け、そのくせ自分の手柄にしてきた。
使用人が言葉を飲み込み、私を哀れみの目で見た。
「──」
立ちあがろうとした私は、ふらついてぱたりと倒れた。
「お嬢様!クラリスお嬢様が!!」
看病するうちに両親の病がうつってしまったようだった。この時すでに高熱が出ており、私はメイドたちに私室に運ばれベッドに寝かされた。
「本当に足手まといな子ねえ、クラリスは」
「ロザリーを見習いなさい」
私が倒れても両親は気遣いの言葉ひとつかけてはくれなかった。
そんな両親に冷遇されてきた私だったが、長女の私はこの家の後継だった。
私のことを好きではない両親も、貴族社会の秩序は守らなければならなかった。本当はこの家の爵位も財産も、可愛いロザリーに継がせたいと考えていただろう。
けれども、これといって事情もないのに妹に家を継がせることは、長女をないがしろにしていると貴族社会では批判される恐れがあるので、できないままだった。
それで両親は仕方なく、私に婚約者を準備した。ハミルトン子爵家の次男、マテウスだ。私と同い年でヘラヘラと笑う、少し軽薄そうな令息だった。
私は家のためだと受け入れていた。それなのに、妹がマテウスを誘惑し、二人はあっという間に恋仲になった。
妹は両親に泣きついた。
「私はいつもお姉様をたててたくさんのことを我慢してきたわ!でも、生涯愛する人に出会ってしまったの。私はどうなってもいい。マテウス様と結婚したいの!」
「ロザリー、そんなことを」
さすがの両親も困惑した。後継の婿という条件で子爵家と婚約を取り付けたのだから。
「そうよね。無理よね。ごめんなさい。一度だけでもわがままを言ってみたかったの。後継でも何でもない私には自分の幸せなんて望んではいけなかったのよ……!」
そういってロザリーは床に崩れ落ち、両親の前で可憐に涙を流した。打ちひしがれて見えるロザリーを両親は放っておけなかった。
「クラリス」
婚礼まであと一ヶ月という時に、私は両親に書斎に呼び出された。
「ロザリーにマテウスを譲ってやりなさい」
「は?」
父の言葉にさすがの私も呆れた。貴族の秩序はどうなるのだ。
「お前とマテウスの婚約は破棄して、ロザリーと結び直す」
妹のためならお父様たちは何でもするのね。
「では他の婿を探してくれるのですか?」
「いや」
どういうことなの?
この家はどうなるの?
私は疑問でいっぱいのまま父の言葉を待った。
「後継も、マテウスも、ロザリーに譲りなさい」
「──っ!」
私は絶句した。
「後継もですか……!?」
「そうだ。以前からロザリーのほうがお前より有能だと思っていたのだ。心根も優しいし、後継にはロザリーが相応しい」
何も知らないで。
働くのが嫌いで怠惰な両親の代わりに、私は家の切り盛りや領地経営を取り仕切ってきた。それもロザリーがやっていると思い込んでいる。貴族たちには姉の能力不足で妹が家督を継ぐことになったとでも言うつもりだろう。
「安心していいのよ。あなたにはいい嫁ぎ先があるの」
これまでロザリーばかりを可愛がり、抱きしめてくれた記憶もない母が猫撫で声で私に言った。
「氷の辺境伯、アルスター・グラシエ様よ」
「えっ」
驚いた私に、どこか愉快げに母が目を細めた。
アルスター・グラシエといえば、どこの学園にも通わず、グラシエ領に引きこもっているという令息の名だった。
「え、でも、だって、その方は」
そう。彼はこうも囁かれていた。
魔女に氷の呪いをかけられた恐ろしい令息と──
みなが呪いを恐れ、なかなかアルスターの結婚相手が見つからないと聞いたことがあった。
私、そんな誰も行きたがらない家に嫁がされるの?
世界で自分だけが孤島に取り残されるような心細さが私を襲った。
「きっとお似合いよ」
「これで王家にも恩を売れるというものだな」
ようやく厄介払いができる──
本心ではこう思っているだろうに、両親は私の前で「ふふ」と仮面のように笑った。
「クラリスお嬢様、どうかお身体にだけはお気をつけて」
「今まで優しくしてくださってありがとうございました」
「伯爵家の切り盛りもクラリスお嬢様がしてくださっていたのに……」
シーモア家の使用人たちが目に涙を浮かべながら、総出で私を見送ってくれた。使用人たちは私が陰でこの家を支えてきたことを知っていた。
「みんなには今までとてもお世話になったわ。ありがとう。みんな元気でね」
私は働き者で優しい使用人たちが大好きだった。そっと涙を拭い、私は辺境伯家からの迎えの馬車に乗り込んだ。
馬車が遠く見えなくなるまで使用人たちがいつまでも手を振ってくれている姿を、私は涙でぼやける視界に最後に焼き付けた。
「婚約破棄よ、こんにちは~呪いの辺境伯様、こんばんは~」
私は自暴自棄になり、やけっぱちの歌を口ずさみながら、そっと泣いた。
私とアルスター様が静かに向かい合う。
アルスター様の星屑をたたえたような銀眼が真っ直ぐに私を見つめる。
私はうっとりとアルスター様の瞳を見つめ返す。
アルスター様が私の頬に恐る恐る触れる。とたんに私の頬に霜が生まれ、ピキピキと凍り始める。
はっとしたようにアルスター様はその手を離そうとする。
「怖がらないで……」
私は懇願するように囁く。
私がふうーっと長く息を吐くと、凍り始めていた私の頬から徐々に霜が消え去っていく。
アルスター様は決意した瞳で、もう一度私の頬に手を添える。
私たちは惹かれあうように少しずつ近づいていく。
私は目を閉じる。
私の唇にアルスター様の唇が静かに重なった。
これは、氷の辺境伯と恐れられたアルスター様と私の恋の物語──
私には何の取り柄もなかった。
容姿も平凡で、学園時代、告白をされたこともない。一方、ひとつ年下の妹ロザリーは華がある上に甘え上手で、友達も多く、両親にも周囲の人たちにも可愛がられていた。
両親が流行病で倒れた時、夜通し看病したのは私だった。ロザリーは「うつるのが怖いから」と両親が寝ている部屋に入ることさえしなかった。
ようやく両親が高熱から回復したとき、いきなりロザリーがやってきた。
「お父様、お母様、目が覚めたのね!」
どん!
「痛っ!」
数日にわたる看病で疲れ果て、椅子に腰掛けたまま両親のベッドの傍で眠りかけていた私を、いきなりロザリーが突き飛ばした。
「クラリスお嬢様っ!」
椅子から床に転げ落ちた私を、メイドが仰天して抱き起こした。
「私がつきっきりで看病したのよ。よくなって本当に良かったわ。お父様、お母様」
「え?」
ロザリーの言葉にメイドが呆気に取られた。
「そうだったのか。本当にいつもありがとう、ロザリー」
「なんて優しい子なの。それに比べて姉のクラリスは」
両親は本当のことも知らないまま、私に冷たい視線を浴びせた。
「だ、旦那様、看病なさったのは」
戸惑うメイドに妹のロザリーは”何も言うな”と、ギッと鋭い視線を送った。
「いいのよ」
「で、でもクラリスお嬢様……」
いつものことだった。ロザリーは面倒なことや嫌なことは全て私に押し付け、そのくせ自分の手柄にしてきた。
使用人が言葉を飲み込み、私を哀れみの目で見た。
「──」
立ちあがろうとした私は、ふらついてぱたりと倒れた。
「お嬢様!クラリスお嬢様が!!」
看病するうちに両親の病がうつってしまったようだった。この時すでに高熱が出ており、私はメイドたちに私室に運ばれベッドに寝かされた。
「本当に足手まといな子ねえ、クラリスは」
「ロザリーを見習いなさい」
私が倒れても両親は気遣いの言葉ひとつかけてはくれなかった。
そんな両親に冷遇されてきた私だったが、長女の私はこの家の後継だった。
私のことを好きではない両親も、貴族社会の秩序は守らなければならなかった。本当はこの家の爵位も財産も、可愛いロザリーに継がせたいと考えていただろう。
けれども、これといって事情もないのに妹に家を継がせることは、長女をないがしろにしていると貴族社会では批判される恐れがあるので、できないままだった。
それで両親は仕方なく、私に婚約者を準備した。ハミルトン子爵家の次男、マテウスだ。私と同い年でヘラヘラと笑う、少し軽薄そうな令息だった。
私は家のためだと受け入れていた。それなのに、妹がマテウスを誘惑し、二人はあっという間に恋仲になった。
妹は両親に泣きついた。
「私はいつもお姉様をたててたくさんのことを我慢してきたわ!でも、生涯愛する人に出会ってしまったの。私はどうなってもいい。マテウス様と結婚したいの!」
「ロザリー、そんなことを」
さすがの両親も困惑した。後継の婿という条件で子爵家と婚約を取り付けたのだから。
「そうよね。無理よね。ごめんなさい。一度だけでもわがままを言ってみたかったの。後継でも何でもない私には自分の幸せなんて望んではいけなかったのよ……!」
そういってロザリーは床に崩れ落ち、両親の前で可憐に涙を流した。打ちひしがれて見えるロザリーを両親は放っておけなかった。
「クラリス」
婚礼まであと一ヶ月という時に、私は両親に書斎に呼び出された。
「ロザリーにマテウスを譲ってやりなさい」
「は?」
父の言葉にさすがの私も呆れた。貴族の秩序はどうなるのだ。
「お前とマテウスの婚約は破棄して、ロザリーと結び直す」
妹のためならお父様たちは何でもするのね。
「では他の婿を探してくれるのですか?」
「いや」
どういうことなの?
この家はどうなるの?
私は疑問でいっぱいのまま父の言葉を待った。
「後継も、マテウスも、ロザリーに譲りなさい」
「──っ!」
私は絶句した。
「後継もですか……!?」
「そうだ。以前からロザリーのほうがお前より有能だと思っていたのだ。心根も優しいし、後継にはロザリーが相応しい」
何も知らないで。
働くのが嫌いで怠惰な両親の代わりに、私は家の切り盛りや領地経営を取り仕切ってきた。それもロザリーがやっていると思い込んでいる。貴族たちには姉の能力不足で妹が家督を継ぐことになったとでも言うつもりだろう。
「安心していいのよ。あなたにはいい嫁ぎ先があるの」
これまでロザリーばかりを可愛がり、抱きしめてくれた記憶もない母が猫撫で声で私に言った。
「氷の辺境伯、アルスター・グラシエ様よ」
「えっ」
驚いた私に、どこか愉快げに母が目を細めた。
アルスター・グラシエといえば、どこの学園にも通わず、グラシエ領に引きこもっているという令息の名だった。
「え、でも、だって、その方は」
そう。彼はこうも囁かれていた。
魔女に氷の呪いをかけられた恐ろしい令息と──
みなが呪いを恐れ、なかなかアルスターの結婚相手が見つからないと聞いたことがあった。
私、そんな誰も行きたがらない家に嫁がされるの?
世界で自分だけが孤島に取り残されるような心細さが私を襲った。
「きっとお似合いよ」
「これで王家にも恩を売れるというものだな」
ようやく厄介払いができる──
本心ではこう思っているだろうに、両親は私の前で「ふふ」と仮面のように笑った。
「クラリスお嬢様、どうかお身体にだけはお気をつけて」
「今まで優しくしてくださってありがとうございました」
「伯爵家の切り盛りもクラリスお嬢様がしてくださっていたのに……」
シーモア家の使用人たちが目に涙を浮かべながら、総出で私を見送ってくれた。使用人たちは私が陰でこの家を支えてきたことを知っていた。
「みんなには今までとてもお世話になったわ。ありがとう。みんな元気でね」
私は働き者で優しい使用人たちが大好きだった。そっと涙を拭い、私は辺境伯家からの迎えの馬車に乗り込んだ。
馬車が遠く見えなくなるまで使用人たちがいつまでも手を振ってくれている姿を、私は涙でぼやける視界に最後に焼き付けた。
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