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36 バルクレー
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あの娘には不思議と為政者の欲望を掻き立てる魅力があった。
俺も最初はただ、美しいローザリアを愛おしく思うだけだった。南のギル王国から逃げてきたという彼女は、傷つき、おびえていた。
「ここはジェム大陸一の軍事力を誇るザーラ王国だ。安心しろ。俺が守ってやる」
ローザリアは美しいだけでなく聖女でもあった。稀少な聖女を手に入れた喜びも大きかった。私は彼女を保護し大切にするつもりだった。
ところが私は次第にさまざまな強迫観念に襲われ始めた。
”この娘を手放してはならない”
”自分のものにし、コントロールし続けなければならない”
そうしなければ自分が支配される──
ローザリアの背後に、”聖女だけではない、もっと別の得体の知れない力が潜んでいる”、そう直感する瞬間が何度かあった。
<ローザリアを誰にも渡してはならない>
だからこそ、自分から離れていかないよう、婚約者がいることを隠し、強引にローザリアと結婚しようとした。
婚約者の存在を知ったローザリアが怒って私の頬を叩いた時は、ついカッとして婚約破棄を叩きつけてしまった。
どうしても服従させたいあまり、ローザリアを牢に放り込み酷い仕打ちをしてしまったが、冷静になった今は後悔している。
是が非でもローザリアをこの手に取り戻さなければならない。アンデッドに侵食されつつある我が国を救うためにも、私自身のためにも──
俺も最初はただ、美しいローザリアを愛おしく思うだけだった。南のギル王国から逃げてきたという彼女は、傷つき、おびえていた。
「ここはジェム大陸一の軍事力を誇るザーラ王国だ。安心しろ。俺が守ってやる」
ローザリアは美しいだけでなく聖女でもあった。稀少な聖女を手に入れた喜びも大きかった。私は彼女を保護し大切にするつもりだった。
ところが私は次第にさまざまな強迫観念に襲われ始めた。
”この娘を手放してはならない”
”自分のものにし、コントロールし続けなければならない”
そうしなければ自分が支配される──
ローザリアの背後に、”聖女だけではない、もっと別の得体の知れない力が潜んでいる”、そう直感する瞬間が何度かあった。
<ローザリアを誰にも渡してはならない>
だからこそ、自分から離れていかないよう、婚約者がいることを隠し、強引にローザリアと結婚しようとした。
婚約者の存在を知ったローザリアが怒って私の頬を叩いた時は、ついカッとして婚約破棄を叩きつけてしまった。
どうしても服従させたいあまり、ローザリアを牢に放り込み酷い仕打ちをしてしまったが、冷静になった今は後悔している。
是が非でもローザリアをこの手に取り戻さなければならない。アンデッドに侵食されつつある我が国を救うためにも、私自身のためにも──
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