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73 血
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「傷が治らない!自分の体のようにはいかないんだわ…どうしたらいいの…!?」
「聖女、様…逃げて…」
一之進は刀を左手で握り、自害しようと自分の首に刃を当てた。
「首、落とせばたぶん…アンデッドに、ならない!」
なんという潔さか。自らの首を落とそうとする一之進の精神にローザリアは驚嘆した。確かに一之進の言葉には一理あった。首のないアンデッドが動いているのを見たことがないのは事実だ。
「ダメ!!」
それでも死なせるわけにはいかないと、とっさに自害を止めたローザリアの手の皮膚を和音刀がわずかに切り裂いた。
床に落ちるローザリアの赤い血。
金と銀の粒子が入り混じり、ぼうっと魔的な光を放っている。
聖女とクシュマトハの両方の力を備えている証拠だった。
そうだ、血だわ!
傷に直接、霊力を流し込むのよ…!
ローザリアは思いついたままに自分の血を一之進の腕の傷に滴らせた。すると、しゅうしゅうと音をたて、ぱっくりと開いた傷が塞がり始めた。
「すごい──!奇跡か?」
一之進の顔から苦痛の表情がみるみる消えていく。数分とたたないうちに腕の傷は完全に治っていた。
「よかった…!」
ローザリアは一之進を抱きしめた。自分より年下のこの子が自分を守って死ぬなんてつらすぎる。一之進はローザリアにとって大事な友になっていた。
「そうだ、ネイブ宰相」
ローザリアが床に倒れているネイブを見ると、紫色の血管がネイブの頭を覆いつつあった。ローザリアはネイブにまだ息があるのを確かめ、一之進の時と同じように自分の血を傷に滴らせた。
「う…」
ネイブが目を覚ます。頭の傷はすっかり癒えている。
「私は生きているのか…?」
「聖女様、ネイブ、助けた」
放心状態で起き上がったネイブに一之進が声をかけた。拒絶されたと思っていたネイブは驚いてローザリアを見る。
「私を助けてくれたのか?こんな私を…ありがとう」
申し訳なさそうに礼を言ったネイブに、ローザリアはふわっと笑みを返した。
「当たり前。私とあなた、一族」
「一族」という響きがこの上なく温かくて優しくて、ネイブは言葉に詰まった。
「私行く。陛下、見つける」
二人の無事を確認し、気を取り直したローザリアは立ち上がった。
「お供する!」
一之進がローザリアと一緒に走り出した。
ローザリアは私を見捨てなかった。
私を救ってくれた。
ネイブはじんと胸が熱くなった。ローザリアが走り去った方向をネイブはいつまでもいつまでも見ていた。
「聖女、様…逃げて…」
一之進は刀を左手で握り、自害しようと自分の首に刃を当てた。
「首、落とせばたぶん…アンデッドに、ならない!」
なんという潔さか。自らの首を落とそうとする一之進の精神にローザリアは驚嘆した。確かに一之進の言葉には一理あった。首のないアンデッドが動いているのを見たことがないのは事実だ。
「ダメ!!」
それでも死なせるわけにはいかないと、とっさに自害を止めたローザリアの手の皮膚を和音刀がわずかに切り裂いた。
床に落ちるローザリアの赤い血。
金と銀の粒子が入り混じり、ぼうっと魔的な光を放っている。
聖女とクシュマトハの両方の力を備えている証拠だった。
そうだ、血だわ!
傷に直接、霊力を流し込むのよ…!
ローザリアは思いついたままに自分の血を一之進の腕の傷に滴らせた。すると、しゅうしゅうと音をたて、ぱっくりと開いた傷が塞がり始めた。
「すごい──!奇跡か?」
一之進の顔から苦痛の表情がみるみる消えていく。数分とたたないうちに腕の傷は完全に治っていた。
「よかった…!」
ローザリアは一之進を抱きしめた。自分より年下のこの子が自分を守って死ぬなんてつらすぎる。一之進はローザリアにとって大事な友になっていた。
「そうだ、ネイブ宰相」
ローザリアが床に倒れているネイブを見ると、紫色の血管がネイブの頭を覆いつつあった。ローザリアはネイブにまだ息があるのを確かめ、一之進の時と同じように自分の血を傷に滴らせた。
「う…」
ネイブが目を覚ます。頭の傷はすっかり癒えている。
「私は生きているのか…?」
「聖女様、ネイブ、助けた」
放心状態で起き上がったネイブに一之進が声をかけた。拒絶されたと思っていたネイブは驚いてローザリアを見る。
「私を助けてくれたのか?こんな私を…ありがとう」
申し訳なさそうに礼を言ったネイブに、ローザリアはふわっと笑みを返した。
「当たり前。私とあなた、一族」
「一族」という響きがこの上なく温かくて優しくて、ネイブは言葉に詰まった。
「私行く。陛下、見つける」
二人の無事を確認し、気を取り直したローザリアは立ち上がった。
「お供する!」
一之進がローザリアと一緒に走り出した。
ローザリアは私を見捨てなかった。
私を救ってくれた。
ネイブはじんと胸が熱くなった。ローザリアが走り去った方向をネイブはいつまでもいつまでも見ていた。
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