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nanahi

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15 西くん 優斗視点

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蘭が暴走した。

勝手なことを。
スマホからメッセージを盗み見たんだな。

誰か知らないが親切なヤツが俺に沙耶の情報をくれる。
きっと陰で俺を応援してくれているんだろう。

しかし、蘭には困った。
まったく悪びれていない。
「なんで邪魔したの」と怒っている。
こんなに常識のない女だとは思わなかった。

帰宅すると、部屋の玄関の前で、大家と警察が俺たちを待っていた。
目を覚ました聖斗がずっと激しく泣いていて、虐待の疑いをかけられてしまったらしい。

俺は「妻が出先で具合が悪くなって慌てて迎えに行っていた」とうまいことごまかして何とか帰ってもらった。

正直、蘭の奇行を止めようと必死だった俺には、聖斗のことを気にする余裕がなかった。


あークソ!
なんでこうなるんだよ!


蘭はいい体してるけど、取り柄はそれだけだ。
母親なのに赤子を置いていくか??
常識がなさすぎる。
常識人の俺には合わない。


それにしても、沙耶、なんで西なんかと一緒にいたんだ。
付き合ってるのか?
そんな節操のない女だったか?

それとも、他の男と一緒にいるところを見せつけて、俺の気を引こうとしてるのか?

俺は傷ついた。
だが西には負けたくない。
営業成績も絶対に抜き返してやる。

沙耶。
今日も綺麗だったよ。
お前の隣には、俺こそがふさわしいんだ。



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