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nanahi

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33 公園 沙耶視点

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私は西くんと広い公園のベンチに座った。

「すみません、急にこんなこと言い出して」

西くんはまず私に謝罪した。

「いいの。きっと訳があるのよね?」
「はい。実は──」

西くんが口を開きかけた時、誰かが私の前に立った。


「優……斗」


優斗が暗いトンネルみたいな目で私を見ていた。


怖い──!!


私は西くんにしがみついた。

「お前が協力者だったんだな」

優斗が私の隣に座っている西くんに唐突に声をかけた。

「え」

私は西くんを凝視した。


協力者って、どういうこと?


西くんは「は?」という顔で優斗を見上げた。

「何のことですか、先輩」

優斗は空洞のような目のままで話を続けた。

「疑って悪かった。西は沙耶のこと狙ってるんだって勘違いしてた。いつもありがとな。さっきメッセージくれただろ? ”この公園に来てくれ。そうすれば愛しい沙耶に会わせてやる”って」


「嘘──」

思わず離れた私に、西くんが必死に叫んだ。

「僕は違います、沙耶さん!!」


どうなってるの!?
信じてたのに、西くんは優斗側だったの!!??


パニックになった私は訳がわからなくなって逃げ出した。
途中、帽子をかぶった通りがかりの男性にぶつかったけど、謝る余裕もなく、全力でひたすら走った。




すぐ近くが繁華街だったので、人混みに紛れて私は二人から逃げた。
西くんから着信が来たけど、出なかった。

「専務、専務助けて──!」

私はビルの隙間に身を潜め、震える手でスマホを取り出すと、必死に専務に助けを求めた。





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