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4 刺客
「お父様、もしかして狩りに行かれるのですか!?」
私室の卓上で整然と並べられた狩猟矢を検分していた侯爵にミレナは詰め寄る勢いで問いかけた。
「ああ。来週、王太子殿下のご帰国を祝って、祝賀狩猟会が開かれるんだ。殿下たちも参加されるそうだ」
侯爵が手に取った矢には黒鷲の羽根が用いられていた。漆黒のその希少な羽根は侯爵の財力と権威を静かに物語っていた。
いいなあ。
ミレナは本物の銀の矢尻がついた狩猟矢に見惚れながら父を羨ましく思った。ミレナは実際に矢を放つ狩りに憧れを抱いていた。
「……お父様。私を連れていっていただいても?もし可能でしたらですが……」
「令嬢のお前が?ふむ……」
侯爵は少し思案するふりをしたが、ふいに「ふふ」と笑んだ。
「お父様?」
「そう言うと思ってな。実はミレナにプレゼントがあるのだ」
侯爵は使用人に合図して、侯爵とは別の弓矢一式をテーブルに運ばせた。
「お父様……もしかしてこれは──」
「開けてみなさい」
ミレナは父の顔を感動で震えるような目で見つめた後、卓上の長い木箱の蓋をゆっくりと開いた。そこには深い紅色のベルベットに横たわった一本の弓が納められていた。
「お前は何やら最近、やけに熱心に弓の稽古に励んでいるというし、一度狩りを体験してみるのもいいだろうと思ってな」
ミレナは感動のあまり潤んだ目で弓を手に取った。溜息が出るほどしなやかな曲線を描くイチイの長弓だった。その握りには、ミレナの手に完璧に馴染むよう、特注の白銀の糸を織り込んだ深緑の仔鹿革が巻かれていた。
「私の瞳の色と合わせてくださったのね!」
満面の笑みでミレナは父を見た。
「それとお前には白鷹の矢を準備した。白い羽根は森の中でも軌道が分かりやすいだろう」
ミレナが革の矢筒から覗く白い矢羽根を一本そっと引き抜いた。白に薄灰の模様がわずかに入り、優雅な気品を感じさせた。
「綺麗──!」
天に矢を掲げ、ミレナはその美しさを堪能した。
「嬉しい!ありがとう!お父様っ!!」
喜びのあまり、ミレナは父に抱きついていた。
「おっと!」
侯爵は愛娘をハグしながら、令嬢であるのにこれほど弓を好む娘を不思議に思いつつも、その喜びように目を細めた。
やったあ~!
ミレナはうきうきしていた。乗馬の稽古にも励み、庭で馬上から矢を放つ練習も重ねた。
ドシュッ!
ドシュッ!
等間隔に置かれた的が次々と射られていく。主人の雄々しい姿にメイドや使用人たちは目を丸くしていた。
「ミレナお嬢様、ますます技に磨きがかかっておられる」
「騎士にでもなるおつもりか?」
彼らは驚きながらも、温かい目でミレナを見守っていた。
「よし!弓が手に馴染んで感覚が掴めて来たわ」
熱心に稽古に励むミレナだったが、狩猟会を隠れ蓑にし紛れ込んだ黒い影により王太子の身に危険が迫っていることを、この時ミレナはまだ知らなかった。
そして、ついに祝賀狩猟会、当日を迎えた。
森の開けた平原に一際巨大な白銀と深紅の天幕がそびえ立っていた。一段高く設えられた長椅子には、国王陛下がゆったりと身を沈めている。
その傍らには、留学から戻ったばかりの王太子ヴィクトールと第二王子エイドリアンが、金糸の刺繍が施された豪奢な狩猟服を纏い、父王と談笑していた。王太子と第二王子も狩りに参加するようだった。
一方、森の入り口では、各家から集まった令息たちが家紋をあしらった色鮮やかな狩猟服に身を包み、磨き上げられた長弓を誇らしげに掲げていた。
彼らが跨る馬たちの蹄が、朝露に濡れた大地を激しく蹴り上げ、泥を撥ね飛ばした。
「一番槍(初矢)は、この僕が頂く!」
令息が仲間たちと競うように馬に拍車をかけた。彼らの間を縫うように白馬が駆けてきた。狩猟服に弓と矢筒を装備し、白馬に跨っているミレナの姿がそこにあった。日頃、日の光のように輝くブロンドの髪は邪魔にならないよう丁寧に編み込まれ、後ろで一つに纏められていた。
「あれはミレナじゃないか。弓ができるのか?」
「令嬢がまさか。侯爵に頼んでお遊びでついて来たんだろう」
「大丈夫なのか?」
令息たちに劣らぬ手綱さばきのミレナだったが、見物ならまだしも実際に狩りに参加する令嬢など聞いたこともなく、令息たちは呆れたような視線をミレナに向けた。
見てなさいよ。
手柄を上げてやるわ。
好奇の目にさらされ、男まさりのミレナは内心、負けまいと奮起していた。
だが、いざ鹿を目の前のすると、
ああ、やっぱりかわいそうかも……
ついそういう感情が湧き起こり、わざと矢を外してしまっていた。
「ははっ!ミレナに弓は無理だよ」
令息が小馬鹿にしたように、ミレナが先に見つけた鹿を射止めた。
くやしい……!
ミレナが悔しくて唇を噛んでいると、真横でがさりと音がした。
「あ!」
草むらから顔を起こした鹿がミレナをじっと見ていたが、きびすを返し逃げて行った。
「あの鹿を仕留めてやるわ」
ミレナは一人、森の奥に進んでいった。
「ごめんね。鹿ちゃん」
ミレナが馬上から鹿に狙いを定めていると、同じく鹿を追って来たヴィクトールがミレナに気づかず鹿に矢を構えた。
「!」
王太子殿下だわ。
残念だけど、やはりここは殿下にお譲りしないとね。
ミレナは構えていた弓をそっと下ろした。
その直後だった。
ヒュン──
突如、矢音が響いた。何者かによって放たれた矢が鹿ではなく、なんとヴィクトールに真っ直ぐに向かって行った。
「危ない!!」
ミレナの叫びでヴィクトールが顔を上げ、のけぞった。
ビイイン……!
矢はヴィクトールの頭のすぐ後ろの木に突き刺さった。
「うわ!」
のけぞったまま、ヴィクトールは落馬した。
ヒュンヒュン!
「刺客か!?」
さらに続けて矢がヴィクトールを襲った。矢はヴィクトールの足元の地面に突き刺さった。
殿下を助けなきゃ!
ミレナは周囲に目を凝らし、刺客を探した。すると前方の木に身を潜めながら矢を構えている兵を見つけた。
あいつね!
ミレナは息を吐き、矢を番え、気配を消したまま弓を一気に引き絞った。
兵が矢をヴィクトールに定め、まさに放とうとした刹那。
ビュッ!
ミレナの放った矢が稲妻のごとく空を切り裂いた。
ドシュ!!
矢はブレることなくまっすぐな軌道で兵の肩を貫通した。
「ぐあ!」
兵は激痛で思わず弓矢を取り落とした。
「誰か!刺客よ、捕らえて!!」
遅れて来た護衛の兵たちが素早く刺客を取り押さえた。
「よかった……殿下、お怪我は?」
ミレナは馬から降り、ヴィクトールのそばに駆け寄った。
「……」
ヴィクトールはミレナをじっと見上げたまま固まっていた。
「どこかお怪我を?誰か、手当の道具を」
「違うんだ」
「え?」
ヴィクトールはぼうっとした顔でミレナを見ていた。
「君が……弓を構えた君が、勝利の女神のようで」
「え、え?勝利の女神?そんなに勇ましかったですか?恥ずかしい……」
きっと男まさりだと思われたわ。
ミレナはそう勘違いし、恥ずかしくて下を向いた。
「違う!違うんだ、その、あの」
ヴィクトールはしどろもどろになって言葉をつなぐも要点を得ない。
綺麗で格好良くて素敵だったんだ──
本当はそう言いたかった。けれど、弟の婚約者相手に、ヴィクトールから口説くような発言はできなかった。
「あ、ありがとう。君のおかげで助かったよ」
ヴィクトールはようやく礼を言った。
君はなんて人だ。
君だって怖かっただろうに、僕を助けてくれた。
「いえ。偶然通りかかっただけですから。お怪我がないようでよかったですわ」
そう微笑むミレナが眩しくて、ヴィクトールはその姿を永遠に瞳に焼き付けたいと願った。
私室の卓上で整然と並べられた狩猟矢を検分していた侯爵にミレナは詰め寄る勢いで問いかけた。
「ああ。来週、王太子殿下のご帰国を祝って、祝賀狩猟会が開かれるんだ。殿下たちも参加されるそうだ」
侯爵が手に取った矢には黒鷲の羽根が用いられていた。漆黒のその希少な羽根は侯爵の財力と権威を静かに物語っていた。
いいなあ。
ミレナは本物の銀の矢尻がついた狩猟矢に見惚れながら父を羨ましく思った。ミレナは実際に矢を放つ狩りに憧れを抱いていた。
「……お父様。私を連れていっていただいても?もし可能でしたらですが……」
「令嬢のお前が?ふむ……」
侯爵は少し思案するふりをしたが、ふいに「ふふ」と笑んだ。
「お父様?」
「そう言うと思ってな。実はミレナにプレゼントがあるのだ」
侯爵は使用人に合図して、侯爵とは別の弓矢一式をテーブルに運ばせた。
「お父様……もしかしてこれは──」
「開けてみなさい」
ミレナは父の顔を感動で震えるような目で見つめた後、卓上の長い木箱の蓋をゆっくりと開いた。そこには深い紅色のベルベットに横たわった一本の弓が納められていた。
「お前は何やら最近、やけに熱心に弓の稽古に励んでいるというし、一度狩りを体験してみるのもいいだろうと思ってな」
ミレナは感動のあまり潤んだ目で弓を手に取った。溜息が出るほどしなやかな曲線を描くイチイの長弓だった。その握りには、ミレナの手に完璧に馴染むよう、特注の白銀の糸を織り込んだ深緑の仔鹿革が巻かれていた。
「私の瞳の色と合わせてくださったのね!」
満面の笑みでミレナは父を見た。
「それとお前には白鷹の矢を準備した。白い羽根は森の中でも軌道が分かりやすいだろう」
ミレナが革の矢筒から覗く白い矢羽根を一本そっと引き抜いた。白に薄灰の模様がわずかに入り、優雅な気品を感じさせた。
「綺麗──!」
天に矢を掲げ、ミレナはその美しさを堪能した。
「嬉しい!ありがとう!お父様っ!!」
喜びのあまり、ミレナは父に抱きついていた。
「おっと!」
侯爵は愛娘をハグしながら、令嬢であるのにこれほど弓を好む娘を不思議に思いつつも、その喜びように目を細めた。
やったあ~!
ミレナはうきうきしていた。乗馬の稽古にも励み、庭で馬上から矢を放つ練習も重ねた。
ドシュッ!
ドシュッ!
等間隔に置かれた的が次々と射られていく。主人の雄々しい姿にメイドや使用人たちは目を丸くしていた。
「ミレナお嬢様、ますます技に磨きがかかっておられる」
「騎士にでもなるおつもりか?」
彼らは驚きながらも、温かい目でミレナを見守っていた。
「よし!弓が手に馴染んで感覚が掴めて来たわ」
熱心に稽古に励むミレナだったが、狩猟会を隠れ蓑にし紛れ込んだ黒い影により王太子の身に危険が迫っていることを、この時ミレナはまだ知らなかった。
そして、ついに祝賀狩猟会、当日を迎えた。
森の開けた平原に一際巨大な白銀と深紅の天幕がそびえ立っていた。一段高く設えられた長椅子には、国王陛下がゆったりと身を沈めている。
その傍らには、留学から戻ったばかりの王太子ヴィクトールと第二王子エイドリアンが、金糸の刺繍が施された豪奢な狩猟服を纏い、父王と談笑していた。王太子と第二王子も狩りに参加するようだった。
一方、森の入り口では、各家から集まった令息たちが家紋をあしらった色鮮やかな狩猟服に身を包み、磨き上げられた長弓を誇らしげに掲げていた。
彼らが跨る馬たちの蹄が、朝露に濡れた大地を激しく蹴り上げ、泥を撥ね飛ばした。
「一番槍(初矢)は、この僕が頂く!」
令息が仲間たちと競うように馬に拍車をかけた。彼らの間を縫うように白馬が駆けてきた。狩猟服に弓と矢筒を装備し、白馬に跨っているミレナの姿がそこにあった。日頃、日の光のように輝くブロンドの髪は邪魔にならないよう丁寧に編み込まれ、後ろで一つに纏められていた。
「あれはミレナじゃないか。弓ができるのか?」
「令嬢がまさか。侯爵に頼んでお遊びでついて来たんだろう」
「大丈夫なのか?」
令息たちに劣らぬ手綱さばきのミレナだったが、見物ならまだしも実際に狩りに参加する令嬢など聞いたこともなく、令息たちは呆れたような視線をミレナに向けた。
見てなさいよ。
手柄を上げてやるわ。
好奇の目にさらされ、男まさりのミレナは内心、負けまいと奮起していた。
だが、いざ鹿を目の前のすると、
ああ、やっぱりかわいそうかも……
ついそういう感情が湧き起こり、わざと矢を外してしまっていた。
「ははっ!ミレナに弓は無理だよ」
令息が小馬鹿にしたように、ミレナが先に見つけた鹿を射止めた。
くやしい……!
ミレナが悔しくて唇を噛んでいると、真横でがさりと音がした。
「あ!」
草むらから顔を起こした鹿がミレナをじっと見ていたが、きびすを返し逃げて行った。
「あの鹿を仕留めてやるわ」
ミレナは一人、森の奥に進んでいった。
「ごめんね。鹿ちゃん」
ミレナが馬上から鹿に狙いを定めていると、同じく鹿を追って来たヴィクトールがミレナに気づかず鹿に矢を構えた。
「!」
王太子殿下だわ。
残念だけど、やはりここは殿下にお譲りしないとね。
ミレナは構えていた弓をそっと下ろした。
その直後だった。
ヒュン──
突如、矢音が響いた。何者かによって放たれた矢が鹿ではなく、なんとヴィクトールに真っ直ぐに向かって行った。
「危ない!!」
ミレナの叫びでヴィクトールが顔を上げ、のけぞった。
ビイイン……!
矢はヴィクトールの頭のすぐ後ろの木に突き刺さった。
「うわ!」
のけぞったまま、ヴィクトールは落馬した。
ヒュンヒュン!
「刺客か!?」
さらに続けて矢がヴィクトールを襲った。矢はヴィクトールの足元の地面に突き刺さった。
殿下を助けなきゃ!
ミレナは周囲に目を凝らし、刺客を探した。すると前方の木に身を潜めながら矢を構えている兵を見つけた。
あいつね!
ミレナは息を吐き、矢を番え、気配を消したまま弓を一気に引き絞った。
兵が矢をヴィクトールに定め、まさに放とうとした刹那。
ビュッ!
ミレナの放った矢が稲妻のごとく空を切り裂いた。
ドシュ!!
矢はブレることなくまっすぐな軌道で兵の肩を貫通した。
「ぐあ!」
兵は激痛で思わず弓矢を取り落とした。
「誰か!刺客よ、捕らえて!!」
遅れて来た護衛の兵たちが素早く刺客を取り押さえた。
「よかった……殿下、お怪我は?」
ミレナは馬から降り、ヴィクトールのそばに駆け寄った。
「……」
ヴィクトールはミレナをじっと見上げたまま固まっていた。
「どこかお怪我を?誰か、手当の道具を」
「違うんだ」
「え?」
ヴィクトールはぼうっとした顔でミレナを見ていた。
「君が……弓を構えた君が、勝利の女神のようで」
「え、え?勝利の女神?そんなに勇ましかったですか?恥ずかしい……」
きっと男まさりだと思われたわ。
ミレナはそう勘違いし、恥ずかしくて下を向いた。
「違う!違うんだ、その、あの」
ヴィクトールはしどろもどろになって言葉をつなぐも要点を得ない。
綺麗で格好良くて素敵だったんだ──
本当はそう言いたかった。けれど、弟の婚約者相手に、ヴィクトールから口説くような発言はできなかった。
「あ、ありがとう。君のおかげで助かったよ」
ヴィクトールはようやく礼を言った。
君はなんて人だ。
君だって怖かっただろうに、僕を助けてくれた。
「いえ。偶然通りかかっただけですから。お怪我がないようでよかったですわ」
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