ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第1章 出会い編

第17話「テンプレ外れ」

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守里: 思ったよりも自販機が遠かったな。



飲み物を買った守里は、美月のいる所へ走っていた。



守里: 美月さん、待ちくたびれてないといいけど。



にしても美月さん、快く僕の質問に答えてくれてたけど、なんか厚い壁がある感じがする…


気のせいかな?



守里: っと、ここら辺のはずなんだけど…ん?



守里が前方を見ると…



守里: 美月さんが男に囲まれてる…



一応知り合いの可能性も…



美月: ちょっ離してください!!




いや、そういう感じじゃなさそうだな。


よし、行くか!

っとその前に…



守里は美月の方に向かいながらも、携帯で他の風紀委員に連絡をする。


するとすぐに、返信が来る。



守里: 逃げられそうにないなら、5分耐えて…か。



よっしゃ行くぞ。


そうして、守里は美月のところに行き、美月の腕を掴む男1の手を、ひねりあげた。



守里: はい、そこまでね。


男1: なんだてめぇは!!


守里: その子の相方です。


男2: はぁ?


守里: いいから、どっか行ってくれませんかね。


男3: いきなり割り込んで来て、何言ってんの君?笑


守里: まぁいいから、いいから。早くここから立ち去った方が、あなた達のためだと思うんですけど。


男2: うるっせぇな!てめぇに用はねぇんだよ!!


守里: そういうのいいですから。さっさと行ってくださいよ。


男1: ずっと舐めた口聞きやがって!!てめぇがどっか行けや!!



そう叫んで、男1は掴まれてない方の手を、守里の顔面目掛けて振るう。



守里: あっぶね。



守里はギリギリでそれに反応し、その拳を避ける。


が、その拍子に男1の腕を離してしまう。



男2: クソが!


男3: 死ね!!



男3人は、美月の前に立つ守里へ、拳を振るう。



守里: だから、早くここから消えた方が、身のためですって。


美月: (守里君…)



守里は強キャラ感を出しつつ、言葉を発するが、男達は無視して守里に殴り掛かる。


テンプレ的に、守里が、なんとかすると思いきや…



ドスッボコッ



美月: え…


男1: え…


男2: は?


男3: !!


守里: 痛っ…



守里はそのまま攻撃を受けた。



男1: ククククク、てめぇ中々やる奴かと思ってたが、ただのいきがりだったようだな。


男2: 雑魚は引っ込んでろよ笑


男3: どうなっても知らねぇからな笑



そう言って男達は、守里を殴り続ける。


3方向から繰り出される拳や蹴りを、守里は美月の前で手を広げて、ただ受け続ける。




2分後…



男1: ハアハアハア…


男2: お前、流石におかしいだろ…


男3: ここまで殴られてんのに、そのまま立ってるなんて。



守里は男達の攻撃を2分間受け続け、怪我を負いながらも、全く動じず、最初の位置から1歩も動いてなかった。



守里: はぁ…もう痛いな。勘弁してくださいよ。


美月: …(どういうこと?)


男1: お前、俺達には手を出さずに勝てるってか!!


男2: 舐められたもんだな。


守里: いや、そういうわけじゃないんですけど。


男3: まさかてめぇ、ただ我慢強いだけなんてこと言わねぇよな!


守里: うん、そういうことです。


男2: んなわけねぇだろ!


男1: こいつ、受けの姿勢も取らなければ、攻撃の意思も見せねぇ。そんなの、俺らのことを舐めてるからに決まってんじゃねぇか!!


守里: いや、だから本当に違うんですって。僕は喧嘩がからっきしなんです…


男2: はぁ?嘘言ってんじゃねぇ!!


男1: にしてはおかしいだろ。なんで俺らの攻撃をめちゃくちゃ食らってんのに、そんなんでいられるんだよ!


男3: じゃあ、お前が俺らを殴ってみろよ!!突っ立っといてやるからよ!!


守里: いいんですね…


男3: …おう(この雰囲気、もしかしてこれまでの言葉、全部ブラフか…)



男3は守里の雰囲気に少しビビりながらも守里の拳が来るのを待つ。


守里が男3に殴り掛かる。



が…



スカッ



美月: え…


男1: え…


男2: は?


男3: !!



守里は綺麗に空ぶった。



守里: ほらね。



・・・



男123: ほらね、じゃねぇよ!!!


男1: てめぇわざとだろ!!


男2: とことん舐めやがって!!


男3: それが本当なら、その耐久性の意味が分からん!!


守里: いつの間にか、そうなってたんですよね。


男3: そんなはずは…


男1: いや、そんな事あるはずねぇよ!!嘘に決まってる!!


男3: じゃあなんでコイツには俺らの攻撃が効かねぇんだよ!!


男2: 知るか!!


守里: 強いて言うなら、あなた達の攻撃が弱いからじゃないですか?


美月: (え、このタイミングで煽るの?)


男1: てめぇ絶対許さねぇ!!


男2: ぶっ殺してやる!!


男3: 覚悟しとけよ!!


守里: まぁもうタイムリミットだけど。



男達が再び守里に殴り掛かろうとしたところで…



「現行犯逮捕ーー!!!!!」


「大人しくしなさーーーい!!!」



男達の顔に拳がめり込む。



男達: ブハァ!



守里: いや~ナイスタイミングですね。葵波さん、愛衣さん。


葵波: 笑、何がナイスタイミングだよ。守里、ボロボロじゃねぇか。


愛衣: ったく去年と変わんないね。


守里: そうですね。


葵波: で、どういう経緯なの?


守里: えっとそれはですね…


美月: あ、私が説明します。



そう言って美月は話を始めた。



愛衣: なるほどね、ならこいつらが一方的に悪いわけだ。


葵波: こいつらクズだな。美月ちゃん大丈夫だった?


美月: はい!守里君が助けてくれたので。


愛衣: おい、守里、カッコいいことしやがって笑


葵波: まぁ美月が、なんかされる前に、こいつらを止めるところまでは良かったが、その後だよな笑


愛衣: 殴られ続けるって笑、もっとなんかしろよ笑


守里: いや~葵波さんも愛衣さんも知ってるでしょ笑、僕は喧嘩が全くできないんですって。


葵波: それは分かってるけど、もし私達がもっと遅れてたらどうするつもりだったんだ?


守里: そりゃ葵波さん達が到着するまで、受け続けるだけですけど。


愛衣: 笑


守里: でも、葵波さん達が、言った時間内に来ないってことはないでしょ?


葵波: そりゃあな。


愛衣: まぁ一件落着したし、見回り再開したら笑。


葵波: 私達はこいつらを警察署の近くに届けた後で学校に戻るから…笑


守里: なんですか?


愛衣: そのボロボロの状態で見回り頑張って笑


葵波: 見る人全員がびっくりするな笑


美月: 流石に先に手当をした方が…


守里: 大丈夫だよ。動けるし、なんの問題もないから。


葵波: そうそう、守里は去年からそうなんだよ。


愛衣: ヤンキーに絡まれても、ただ殴られ続けて怪我するだけで、なんもしないの。


葵波: で、私達が駆けつけて、成敗すると、スタスタと普通に帰っていくんだから笑


愛衣: 最初は驚いたけど、流石にもう慣れたよね笑


美月: は、はぁ…そうなんですね。


守里: っていうことで、美月さん。見回り再開しよ。こんな見た目の奴と一緒に歩くのは、嫌かもしれないけど、あとちょっとだから、勘弁してくれないかな。


美月: それはいいんだけど…


守里: なら、葵波さん、愛衣さん、また学校で!


葵波: おう!


愛衣: またな!



美月は困惑しながらも、守里の後について行く。


そうして、守里と美月は見回りを再開し、変なものを見るような視線を受けながらも、見回りを終え、学校に帰った。




風紀委員室


ガラガラ



守里 美月: 失礼します。


若月: おう!戻ったか。って聞いてた通り、酷いな笑


守里: あいつら諦めずにずっと、殴って来るんですもん笑


若月: 笑、それは災難だったな。で、それ以外に問題はなかったか?


守里: はい、異常なしでした。


若月: 美月はどうだった?


美月: 私から見ても、なんの問題もなかったと思います。守里君がボロボロの状態で、歩き回ってたこと以外は…


若月: そうか、そうか笑、美月も大変だったろ笑


美月: いえ…


若月: こいつは、こういうやつだから、まぁ早めに慣れることをオススメするよ笑


美月: 分かりました…


若月: よし、じゃあ解散ね。あ、守里は帰る前に保健室で手当てしてもらいなよ。


守里: 了解です。ところで、僕をボコボコにしてくれた奴らはどうなったんですか?


若月: それはな…


葵波: 私達がちゃんと交番の近くに放ってきたよ!!


愛衣: いつも通りね!


若月: らしいよ。


守里: 交番の警察さん達も大変ですね。


若月: まぁ毎度のことだから…


守里: ですね。


美月: えっと、どういうことですか?


若月: あぁ、風紀委員が捕まえた奴らは、全員交番の近くに放っておくようにしてるんだよ。


美月: でも普通、警察に説明とかしないとなんじゃ…


葵波: それが面倒臭いから、近くに放置するようにしてるんだ。


愛衣: 警察もここの風紀委員がやってるってことは分かってるからね、勝手に処理してくれるんだよ。


美月: はぁ…


守里: 葵波さん達が風紀委員に入ってからは、その数がめちゃくちゃ増えたでしょうね。


葵波: でも、そのおかげでここら辺の平和は守られてるんだから。


美月: そ、そうなんですね。(風紀委員スゴすぎ…)


守里: よし、僕は保健室に行ってきますね!


若月: おう、しっかり手当てしてもらえよ。


葵波: じゃあね。


愛衣: またな。


そう言って守里は風紀委員室を後にした。




to be continued


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