ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

文字の大きさ
29 / 340
第2章 体育祭編

第29話「大ピンチ?」

しおりを挟む
3つの問題を解き、グラウンドを飛び出した20分後…


無事、校長と養護教諭から鍵をもらった守里と川嶋は、七星の元へ向かおうとするが…



川嶋: や、や、や、やっぱり、森崎君1人で行ってきなよ!!


守里: え、なんでよ。川嶋さんが問題解いたんだから、行かないと。


川嶋: いや!私はまだ、副会長様とお会いすることはできない!!!


守里: さっきから、七星さんを様付けしてるけど、なんでなの?


川嶋: そりゃあ、今の生徒会の方々、特に3年生の方々は凄い人達だからよ。あんな神様みたいな方々に、こんな私がお会いするなんて…


守里: 神って…確かに凄い人達だけど、そんな感じじゃないからさ、気楽に行こう。



そう言って、守里は川嶋の手を握り、引っ張る。



川嶋: ちょ、離してよ!!!


守里: いいから、いいから。



守里は川嶋を、なんとか生徒会室の前まで連れていく。



川嶋: はわわわわわわ…どうしよ、来ちゃったよ!!


守里: 大丈夫だから、じゃあ入るね。



コンコン



「謎の答えは?」


守里: どいやさんです。


「…副会長ならここの真下の教室にいます。」


守里: 分かった。ありがとう、倉田さん。


倉田: いえ、これも仕事ですから。



扉越しに会話する守里と倉田。



守里: では、失礼します。


倉田: ええ、頑張ってください。


守里: よし、1階に降りよう、川嶋さん。


川嶋: あ、あ、あ、あの庶務様のお声をこんなお近くで…いや、これは夢だ…おやすみ。



川嶋は寝た。



守里: え、ちょっと川嶋さん!!ここで寝るなんて…しょうがない背負っていくか。



守里は川嶋を背負い、1階の生徒会室の真下の教室へと向かった。


◆◆◆


生徒会室内



倉田: 本当に良かったんですか?


中谷: 何が?


倉田: 森崎君ですよ。


中谷: あぁ…守里君ね。良いんじゃない?なぁちゃんの命令だし。


倉田: でも、森崎君のペアにだけ、違う場所を伝えるなんて。


中谷: 問題ないでしょ。


灰崎: 副会長のことだから、何か考えがあるんじゃない?


倉田: そう…ですね。


◆◆◆


守里: えっと、ここだな。



川嶋を背負った守里は、倉田に伝えられた教室まで来た。



守里: まず、起こすか。



川嶋さんを降ろして…



守里: 川嶋さん、起きて。


川嶋: ん~ムニャムニャ


守里: 起きないな…あ。


川嶋: ムニャムニャ


守里: あ、川嶋さん!副会長が目の前に!!!


川嶋: !!!!!!!!!!!!!!!!!!



川嶋は飛び起きた。



守里: おはよう。川嶋さん。


川嶋: 森崎君!!!!副会長様は!!!!!!


守里: うん、この扉の向こうだよ。多分。


川嶋: そ、そそそそ、そっか~、じゃ森崎君いってらっしゃい!!



ガシッ



川嶋: へ…


守里: さぁ行くよ、川嶋さん。



ガラガラ



守里: 失礼します。



川嶋の腕を掴んで、無理やり一緒に部屋に入る。



守里: あ、七星さんいた。


七星: お、来たな、守里…と、隣で顔隠してるんは、誰や?


守里: この子は…ほら川嶋さん挨拶しな。



川嶋は顔を隠したまま話し始める。



川嶋: か、か、か、川嶋志帆と申します!!!!!


七星: 志帆ちゃんか。よろしく。


川嶋: よ、よろしくお願いします。



川嶋は90度のお辞儀をする。



七星: なんや面白い子やな笑



守里: 川嶋さんは、うちのクラスの学級委員なんです。


七星: へぇー


守里: あと、生徒会の人達が、めちゃくちゃ大好きみたいなんです。だから今も、七星さんと顔を合わせるのが恥ずかしいっていうことで、顔を隠してるんですよ笑


七星: 笑、可愛い子や、顔見せてみ?


川嶋: いや、副会長様に、こんな私なんかの顔を見せるなんて…


七星: 良いから良いから。



川嶋は顔を隠していた手を降ろす。



七星: なんやめちゃくちゃ美人さんやないか!顔真っ赤やけどな笑


川嶋: ///そ、そ、そんな恐れ多いです…ヒュン



そして、川嶋は七星に褒められたことで、立ったまま、意識を飛ばした。



七星: にしても、思ってたより早かったな~そんな問題が簡単やったんか?守里。


守里: いや、僕は解けなかったんですけど、川嶋さんがすぐ解いたんです。


七星: なるほどな、その子頭良いんや。


守里: はい。


七星: ってか、敬語辞めてや。今は他の先輩もおらんし。志帆ちゃんも気絶してるみたいやし。


守里: えー


七星: 大丈夫やって、あと呼び方もな。


守里: 分かったよ。なぁちゃん。


七星: フフ笑


守里: で、そろそろ鍵を渡して欲しいんだけど。


七星: もう本題に入るか。


守里: なぁちゃんが持ってるんでしょ?


七星: うん、持ってるで。でもタダで渡すわけにはいかんな笑


守里: 何をやったらいいの?


七星: そうやな、ななの求めてる答えを出してくれたらええよ。


守里: ふーん、求めている答えって?


七星: ななが今から、1つ問題出すから、それに答えてや。


守里: 分かった。


七星: じゃあ、問題出すで。



パン



七星が手を叩く。



七星: では、問題です…



と、七星が話し始めた瞬間…



ガラガラ!!!



グサッ



守里: え…


川嶋: …


七星: ウグッ



突然、扉から入って来た黒ずくめの男達に、七星が刺される。



守里: なぁちゃん!!!!


川嶋: …


七星: ブハッ…



ドサ



七星が血を吐いて倒れる。



守里: お前らよくも!!!!


男1: チッ、うるせぇな、殺されたくなかったら黙れ。


守里: …



男達が守里と川嶋を囲む。



男1: おい、その2人を捕まえとけ。


男2 3: はい。


守里: お前ら何が目的なんだ。


川嶋: …



ボスッ



守里: グハッ


男2: 黙れって言われただろ、大人しく捕まっとけ。


男3: 何もしなければ、こっちも何もしないから。


川嶋: …


男1: 目的ね…まぁここにいる人達を殺すことかな。


守里: !!


男1: もう1人は達成したから、次はお前らだ。



そう言って、守里と川嶋の方を見る。



男1: でも、単に殺すだけじゃ味気ないよな~笑



この状況マズすぎる。



男1: あ、良いこと思いついた。おい、その男を離してやれ。


男2: はい。


守里: …


男1: 笑、暴れんなよ。お前に良い提案がある。


守里: なんだ…


男1: どっちを殺すかお前に選ばせてやる。もしお前が自分自身を選んだら、その女は解放してやる。そして殺さないことを誓ってやる。逆にお前が女を選んだら、そういうことだ。


守里: …


男1: さぁどっちを選ぶ?笑



男1は嘲笑を浮かべ、守里を見る。

守里はそんな男1を睨みつける。


ふぅ…一旦冷静になろう。


まずこの部屋の中に、敵は3人、全員武装している。

なぁちゃんは、生きているかどうかは分からないけど………

川嶋さんは、敵の1人に腕をしっかり掴まれていて、しかも気絶したままだ。

1人は僕の正面に、残りの1人は真後ろか。


ここで、僕が暴れて勝てる可能性は、ほとんどない。

それに、川嶋さんを傷つけないようにするには、さらにその可能性が低くなる。


なんとかして、逃げないと…


いや逃げさせないと。



男1: おい、決まったか?


守里: あぁ決まった。


男1: お前かその女か、どっちだ。


守里: もちろん…


川嶋: …


七星: …


守里: 僕だ。


男1: そうかそうか、自分自身を選んだか、ならお望み通り殺してやるよ。



そう言って、男1がナイフで守里に切りかかった。



守里: っ!!




to be continued


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

職業ガチャで外れ職引いたけど、ダンジョン主に拾われて成り上がります

チャビューヘ
ファンタジー
いいね、ブックマークで応援いつもありがとうございます! ある日突然、クラス全員が異世界に召喚された。 この世界では「職業ガチャ」で与えられた職業がすべてを決める。勇者、魔法使い、騎士――次々と強職を引き当てるクラスメイトたち。だが俺、蒼井拓海が引いたのは「情報分析官」。幼馴染の白石美咲は「清掃員」。 戦闘力ゼロ。 「お前らは足手まといだ」「誰もお荷物を抱えたくない」 親友にすら見捨てられ、パーティ編成から弾かれた俺たちは、たった二人で最低難易度ダンジョンに挑むしかなかった。案の定、モンスターに追われ、逃げ惑い――挙句、偶然遭遇したクラスメイトには囮として利用された。 「感謝するぜ、囮として」 嘲笑と共に去っていく彼ら。絶望の中、俺たちは偶然ダンジョンの最深部へ転落する。 そこで出会ったのは、銀髪の美少女ダンジョン主・リリア。 「あなたたち……私のダンジョンで働かない?」 情報分析でダンジョン構造を最適化し、清掃で魔力循環を改善する。気づけば生産効率は30%向上し、俺たちは魔王軍の特別顧問にまで成り上がっていた。 かつて俺たちを見下したクラスメイトたちは、ダンジョン攻略で消耗し、苦しんでいる。 見ろ、これが「外れ職」の本当の力だ――逆転と成り上がり、そして痛快なざまぁ劇が、今始まる。

スライム退治専門のさえないおっさんの冒険

守 秀斗
ファンタジー
俺と相棒二人だけの冴えない冒険者パーティー。普段はスライム退治が専門だ。その冴えない日常を語る。

『25歳独身、マイホームのクローゼットが異世界に繋がってた件』 ──†黒翼の夜叉†、異世界で伝説(レジェンド)になる!

風来坊
ファンタジー
25歳で夢のマイホームを手に入れた男・九条カケル。 185cmのモデル体型に彫刻のような顔立ち。街で振り返られるほどの美貌の持ち主――だがその正体は、重度のゲーム&コスプレオタク! ある日、自宅のクローゼットを開けた瞬間、突如現れた異世界へのゲートに吸い込まれてしまう。 そこで彼は、伝説の職業《深淵の支配者(アビスロード)》として召喚され、 チートスキル「†黒翼召喚†」や「アビスコード」、 さらにはなぜか「女子からの好感度+999」まで付与されて―― 「厨二病、発症したまま異世界転生とかマジで罰ゲームかよ!!」 オタク知識と美貌を武器に、異世界と現代を股にかけ、ハーレムと戦乱に巻き込まれながら、 †黒翼の夜叉†は“本物の伝説”になっていく!

なんか人類滅亡直前の世界で勇者召喚にて大ハズレみたいな顔をされた【弱体術師】の俺ですが、実は人生4周目にて過去には【勇者】の実績もある最強

ルシェ(Twitter名はカイトGT)
ファンタジー
なんか人類滅亡直前の世界で勇者召喚にて大ハズレみたいな顔をされた【弱体術師】の俺ですが、実は人生4周目にて過去には【勇者】の実績もある銀河最強レベルの【調停者】

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...