ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第2章 体育祭編

第31話「そんな偶然あります?」

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大盛り上がりの伊衛能高校体育祭も、午前の部が終わり、お昼休憩に入った。



守里: えーっと、どこにいるのかな。



携帯を取り出し、結真からの連絡を見る守里。



守里: 第4グラウンドの裏手か…



あの辺なら人も少ないだろうし。


良い場所取ったな笑、結真姉さん。



守里: よし、早く行こ。お腹空いた~




第4グラウンド周辺


どこかな~


と、守里が結真達を探していると…



美月: 守里君。


守里: あ、美月さん。



美月が守里と合流した。



美月: 一緒に探そう。


守里: うん。



2人で結真達を探す。



守里: 僕が抜けてから、なんかあった?


美月: いや、ずっと何も無かったよ。


守里: そっか、なら良かった。


美月: 守里君、謎解きでも騎馬戦でも優勝だったんでしょ?


守里: うん、ってなんで知ってるの?


美月: いや、第3グラウンドでやってる競技のアナウンスは聞こえるじゃん。


守里: 確かにそうだ笑


美月: 笑、楽しかった?


守里: 謎解きは、色々と大変だったけど楽しかったよ。でも、騎馬戦は呆気なく終わったかな笑


美月: そっか。


守里: あ、あれじゃない?



守里が、遠くの木陰の下に結真達を発見する。



美月: ぽいね。


守里: やっと見つけた、早くご飯食べたい。


美月: ずっと立ちっぱだったから、私も。


守里: よし、行こう!


美月: うん。



守里と美月は結真達の所へ行く。



蓮花: あ!!お兄ちゃん!!!!!



レジャーシートの上に座っていた蓮花が守里を見つけ、全力で抱き着きに行く。


ギュッ


守里は突進してきた蓮花を、なんとか受け止める。



守里: 蓮花ちゃん来てくれたんだね。


蓮花: もちろんだよ!!!


守里: 結真姉さんもありがとう。


結真: もう、朝から言ったでしょ、絶対に見に行くって。


守里: 笑、そうだったね。


結真: ちゃんと、みんなの競技見てたわよ。


守里: え、そうなの?


蓮花: うん!謎解きってやつは見れなかったけど、騎馬戦はしっかり応援してた!!


守里: そっか、ありがとう。


結真: まぁとにかく、守里も美月も座りなよ。疲れたでしょ。


守里: うん。


美月: そうだね。


結真: 美月も良かったよ。フラフープは残念だったけど…


美月: あれは無理だって笑


結真: 帰ったら特訓だね。


蓮花: 蓮花が教えてあげるよ!美月お姉ちゃん!!


美月: う、うん。気が向いたら…


守里: 2人とも無理強いはダメだぞ笑


蓮花: はーい!!


結真: 分かってる笑


守里: ってか、桜ちゃんはまだ来てないの?


結真: うん。そろそろ来ると思うんだけど…


蓮花: あ、あれ、桜お姉ちゃんじゃない?



蓮花が指を指した方向に、キョロキョロしている桜と、もう1人いた。



美月: うん、あれは桜だね。


守里: でもなんか、もう1人いない?


結真: ほんとだね。


蓮花: 蓮花呼びに行って来る!!


結真: じゃあよろしく。


守里: お願いね、蓮花ちゃん。


蓮花: はーい!



そう言って、蓮花が桜達の所に行く。


少しして…



蓮花: 連れてきたよ~桜お姉ちゃんと、奈々未さん!!


守里: っ!!!!



奈々未さんだと?


僕の知ってるあの人じゃないよな…



桜: みんなもう集まってたんだ。


美月: うん、少し前にね。


結真: 奈々未って…


奈々未: 結真、奇遇だね!!


結真: ななみんじゃん!!なんでここに!!


奈々未: いやまぁ色々とあってニヤッ



奈々未が俯いてる守里の方を見る。


声は完全にあの人だけど…


嘘だ、そんなはずは無い。

来るのは知ってたけど、会うつもりはなかったんだ!


あの人に、いじられるような所を見つけられてしまったら、永遠とバイト中にいじられ続ける!!!


いや、でもさ、バイトの先輩が新しいお姉さんの友達らしき人だなんて、漫画みたいなことが実際に起きるわけがないよな。


うん、そうだ、僕の勘違いだ。

よし1回顔を上げて、相手の顔を確認してみよう!


守里は顔をあげようとするが…



奈々未: ジー


守里: …



僕の本能が、顔を上げるなと全力で警鐘を鳴らしている!!


多分顔を上げたら、心の中を全て読まれてしまう。



蓮花: お兄ちゃん!なんでずっと下向いてるの?


結真: なに~?もしかして、ななみんに照れてるのかな?


桜: お兄ちゃん…


美月: 守里君は、奈々未さんのことを知らないからじゃない?


桜: それもそっか。


結真: でも、守里って初対面の人にそんな緊張する子だったっけ?


蓮花: 確かにお兄ちゃんらしくないね!



家族が僕を心配してくれてる!


でも、みんなごめん!!

僕は顔を上げることができないんだ!!!


だって…



奈々未: ジー



めちゃくちゃ視線を感じるんだ。


確実に心を読もうとしてる!!!

多分顔を上げた瞬間に、僕は終わる!!!



結真: ってか、ななみん、なんでそんなに守里を見てるの?


蓮花: 奈々未さんは、お兄ちゃんのこと知ってるんですか?


奈々未: えー?どうだろ?笑


美月: にしても、奈々未さん、また一段と綺麗になりましたね。


奈々未: え、そう?


桜: 確かに、前に会った時よりも綺麗…


奈々未: フフ、嬉しい。ありがとう、褒めてくれて。


結真: 何かやってるの?


奈々未: いや、別に何かやってるわけじゃないんだけどね。でも強いて言うなら、バイトのおかげかも笑


結真: バイト?


守里: ピクッ


奈々未: うん。私が働いてるバイト先が、順調で順調で。


蓮花: 順調って、お客さんがいっぱいってことですか?


奈々未: そうなのよ。もう喋る暇なんかないぐらい笑


守里: ピクピク


美月: でもそれなら、大変なんじゃないですか?


桜: 確かに…


奈々未: 大変だけど、やっぱりバイト先が繁盛してると、働いてる私も嬉しくて、幸せなんだよね~チラッ


守里: ピクピクピク



ここで、守里の我慢ゲージが破壊される。



守里: 嘘を言うなーーーー!!!!!


蓮花: え!!!どうしたの?!お兄ちゃん!!!


奈々未: あら、守里君じゃない笑、奇遇ね笑


守里: あ…



終わった…



奈々未: 終わってないわよ、別に。


結真: なになに、どういうこと?


守里: 心を読まないでください!!


奈々未: 笑、別に読んではないわよ笑



嘘だ、この人は、確実に心を読める。



奈々未: 嘘じゃなかったら、とっくの昔に有名になってるって笑


守里: はぁ…こんな偶然があるんですね。


奈々未: そうだね。私もびっくりしたよ。友達の妹について行ったら、バイトの後輩がいるんだもん笑


守里: 僕もですよ、姉の友達がバイトの先輩だなんて。


結真: ちょっ、置いてけぼりにしないでよ!!


蓮花: そうだそうだ!!


桜: どういうことなの?


美月: バイトの後輩…


奈々未: 笑、ちゃんと説明するから。


守里: でも、さすがにお腹空いたから、ご飯食べながらにしません?奈々未さんも食べていくんでしょ?


奈々未: 結真が良いなら…


結真: え、良いけど…


守里: よし、ならみんなで食べましょう。


結真: う、うん。



テキパキとお弁当を広げ…



守里: はい、いただきます。


奈々未: いただきます。


結真 美月 桜 蓮花: いただきます…



変な空気のまま、守里達はお弁当を食べ始めた。




to be continued
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