ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第4章 白仮面編

第97話「白仮面捕獲作戦Final part1」

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22時50分


ギフトモール地下駐車場内


◈◈◈


梅澤: …



そろそろ集会が始まるはず…


昨日、警察に来るのを止められた梅澤は、集会の現場まで来て、柱の影で息を潜めていた。


やっぱ、緊迫感がすごい…

ここまで空気がピリついてる場所は、初めてかもな…

覆面車で待機してる警官は、全員が臨戦態勢だし。


にしても、結構車が止まってるんだな。

中は見えないけど、全部、覆面車なのか?


と、梅澤が駐車場内を観察していると…



梅澤: っ!!



地下駐車場の出入口から、白仮面と数人の男が入って来る。


白仮面の傍にいる奴らは、私が戦ったような護衛の奴らか。

守里の話だと、白仮面は複数人いるはずだから、まだ集まってくるはず…


そして、続々と白仮面が駐車場にやってきた。




22時59分



梅澤: …



今、集まってるのは、白仮面5人と、他の奴らが20人ちょい。

予想以上に多い…


これ大丈夫なのか?

出入口を塞いでるとはいえ、捕まえるのはかなりキツイんじゃ…


梅澤が不安を覚えている中、とうとうその時がやって来る。




23時



コツコツ


梅澤: っ…



駐車場に足音が響く。


あれが、白仮面に指示を出してたって奴なのか…



梅澤: …



ちょっと見ただけで分かる。

あいつはヤバい…


◈◈◈


上位: よし、全員集まってるな。


白仮面β: はい。


上位: もう、分かってると思うが、今回ので最後だ。



上位は持ってきたアタッシュケースを開く。



白仮面γ: この量だったら、すぐに終わりますね。


白仮面δ: やっぱガキは簡単っすからw


白仮面ε: だなw


白仮面β: 静かにしろ。


白仮面δ: まぁいいじゃねぇか。誰か来たところで、どうにでもなるってw


白仮面γ: そういえば、αは警察に捕まったんですか?


白仮面ζ: いや、違う。


上位: 防衛団に捕まった。


白仮面β: それは確実なんですか?


上位: あぁ。


白仮面ζ: αのアジトに防衛団員が来たのを確認した。


白仮面ε: てめぇがαのとこを片したんだったな。


白仮面β: なるほど。


白仮面δ: 警察だけじゃなくて、アイツらも出張ってきたのか。


白仮面γ: 学生を標的にしとけば、手出して来ないって思ってたんですけど。


白仮面ε: 恥ずかしがり屋だからw


上位: だが、俺らの狙いは間違ってなかった。確かに防衛団はしばらくの間、手を出してこなかったからな。


白仮面β: そうですね。


上位: まぁ、とにかく、さっさとコレを売り飛ばせ。


白仮面β : はい。


白仮面γ: 了解です。


白仮面δ: おう。


白仮面ε: OK。


白仮面ζ: 分かった。



そうして、アタッシュケースから白仮面達が薬を取り出す。


そのタイミングで…



角田: 動くな!!



大きな声が駐車場に響き渡り、警察がアンチを取り囲む。



上位: ほう…


白仮面δ: バレてやがったのか。


白仮面ε: 完全に囲まれてるよw


豊永: 先程の会話の内容について、事情を聞きたい。


白仮面β: これが、職務質問なんですか?


豊永: はい。まずは、その薬を調べさせて貰っても良いですかね。


白仮面γ: どうしますか?


上位: wwどうするも何も、捕まるわけにはいかねぇよw


白仮面δ: だったら、やるしかねぇよなw


白仮面ε: おい、テメェらも用意しとけ!!



傍にいる他のアンチに声をかける。



白仮面ζ: 無理やり突破しましょう。


上位: あぁ。やれ、β。


白仮面β: はい。



そう言って、白仮面βはポケットに手を入れる。



角田: 動くなって言ってるだろう!!


白仮面δ: うるせぇよ!!!www


白仮面β: 行動、開始!!!



白仮面βがポケットから取り出した物を、地面に投げつける。


ボフン!!



豊永: クッ!


角田: 煙幕か!!



駐車場内に煙が充満する。



上位: これは、もう終わりだな…


白仮面β: 行け!!!



その言葉で、中位を数人含んだアンチ達が一斉に外に向かう出口へ走り出す。



角田: 外への出入口を固めろ!!!絶対に通すな!!



それに合わせて、警察も動く。



白仮面δ: 全員気張っていけよっと!!



白仮面δが、豊永のいる北側の出入口まで走り、目の前にいた警察を殴る。


それに続き、他のアンチも警察に攻撃する。



豊永: 公務執行妨害だ!!!



豊永の言葉で、警察も抵抗し始める。


これにより、外に出ようとするアンチの勢いが、一旦治まる。



白仮面γ: 人数は、ざっと2倍か。


白仮面ζ: 何がなんでも逃げる。



4方向それぞれに逃げようとするアンチを、警察が逮捕しようと迎え撃つ。



豊永: 拳銃はダメだぞ!!


角田: 分かってる!!オリャ



豊永の言葉に返事をしつつ、西側で角田が拳を振るう。



ドン!


白仮面ε: ひゃ~効くね~



角田の拳を白仮面εが受け止める。


その反対方向の東側では…



警察1: 何がなんでも通すな!!


警察2: おう!


下位1: ほらよ!!


警察3: させるか!


中位1: のびとけ!!


警察2: クッ


警察4: 大丈夫か?!


警察2: あぁ。


下位2: 警察も大したことねぇな!!


警察1: 笑、そうかよ!


下位2: グハッ



お互いに一進一退の攻防が続く。


だが…



白仮面ζ: 一気に行く。



そう言って白仮面ζが、南側の出入口の警察の壁に突進する。



警察5: ウッ、やば。


警察6: このっ…



そして、その壁に穴を開ける。



白仮面ζ: 行け。


下位3: おっしゃ!!


下位4: あざす!!



アンチ達がそこを抜け、外に向かって走り出す。



豊永: なんとしてでも逃がすな!!!



しかし、他の警察は目の前のアンチの対応に精一杯で、防ぎに動けない。



豊永: マズい…


下位3: 一番乗りだぜ!!


??1: 行かせるか。



警察の壁を飛び出したアンチの目の前に、誰かが立ち塞がる。



下位4: 女は危ねぇぞw



下位4がそのまま横を通り抜けようとすると…



??1: この前は遅れを取ったが、今回は確実に仕留める。



そう言って、??1は真横を走り抜けようとした下位4の足を蹴り抜く。



下位4: ヤバっ!



下位4はその場に勢いよく転ける。



??1: フン


下位4: グハッ



そして、??1が下位4の背中を勢いよく踏む。



??1: お前らも覚悟はできてるよな?


??2: やっぱり、来てたんだ。ってかやりすぎじゃない?若。


??3: まぁそりゃ来るか。よし、3人で一網打尽にしよ。


若月: 警察とも協力してじゃないと無理だよ。愛衣、葵波。


葵波: 相変わらず真面目だね~


愛衣: でも、その通り。ここで終わらせる。


若月: 行くぞ、2人とも。


愛衣: うん。


葵波: あぁ。


白仮面ζ: 手を出した以上、女でも容赦しない。


若月: 分かっている。さっさとかかって来い。


白仮面ζ: …行くぞ。



白仮面ζが再び突進する。



葵波: 愛衣。


愛衣: OK。



2人が左右に分かれ、突進してきた白仮面ζの進行方向を開ける。


そして…



愛衣: おやすみの時間ですよ~


葵波: やっぱ広い場所の方が得意だ。


白仮面ζ: グッ



左側からの愛衣の顔面ハイキックと、右側からの葵波のボディブローが炸裂する。



パリン


ドサッ



白仮面ζの仮面が割れ、道に倒れ込む。



葵波: コイツ、こんな顔だったのか。体格に相応のごつい顔だな。


愛衣: 1発で伸びちゃったよ。


若月: よくやった2人とも。


葵波: もちろん。


愛衣: まだまだこれからだけどね。


若月: よし、暴れるぞ。



こうして、伊衛能高校風紀委員のトップ3が南側に参戦する。



白仮面ε: ζの野郎、女にやられてんじゃねぇかw


角田: 余所見してると、危ねぇぞ。



角田が白仮面εの肩を掴むように手を伸ばす。



白仮面ε: テメェ相手ぐらいなら、余所見してても余裕だよw



その手を払い、回し蹴りを放つ。



角田: あっぶねぇ。



それを後退して避けた角田は、蹴りの隙を狙い体で当たりに行く。



白仮面ε: おっと。



白仮面εはすぐに体勢を建て直し、角田を受け止める。



角田: フン!!


白仮面ε: っ!!良いパワーしてんなw



角田のパワーが優り、徐々に白仮面εを押し戻して行く。



白仮面ε: パワーのゴリ押しは嫌いではねぇが、頭を使わないとw



そう言って、白仮面εは力を抜き、巴投の態勢に入る。



角田: 甘い!!



その瞬間に、角田も前に押し出すのを止め、中腰になった白仮面εの顎を蹴り上げる。



白仮面ε: ガッ…


パリン


ドサ


角田: 警察を舐めんな!!


豊永: 白仮面と数人、強い奴が混ざってるな。角田、頼んだぞ。


角田: おう。すぐに応援に向かう。



そうして、角田は北側の出入口に進んでいた中位に向かって走り出した。




白仮面β: εとζがやられたか…あの女達といい、警察にも腕の立つ奴がいる。下位はまぁいいとして、中位が6人と、γ、δが残ってる状態…



白仮面βは駐車場の中央で呟く。



白仮面β: これは、劣勢ですかね。どうしますか?



そう言って、白仮面βは上位が居るはずの所を振り向いたが…



白仮面β: なっ……これは、やられましたね…



そこに上位の姿は無かった。



白仮面β: 私達は用済みということですか…



拳を握り締める。



白仮面β: 巫山戯るな…何が上位だ…



東側の出入口にいる警察の方に歩き出す。



警察1: なんだ、突然動き出して!自首しに来たのか?!



他のアンチを留めながら、警察1が問う。



白仮面β: ここから出て、アイツを…ブチコロシテヤル!!!!



被っていた仮面を脱ぎ捨て、警察1に殴り掛かる。



警察1: っ!!はやっ…ブハッ



白仮面βの拳が警察1の顔面を捉え、殴り飛ばす。



豊永: アイツはヤバい!!



北側の出入口付近で、その状況を見ていた豊永が叫ぶ。



豊永: 誰か止められるやつは!!


若月: 私が行きます!!



南側にいた若月がそう叫ぶ。



豊永: 若月さん!どうしてここに?!


若月: すみません。


豊永: はぁ…頼みましたよ!


若月: はい!葵波、愛衣。ソイツは頼んだ。



そう言って、若月が東側に走り出す。



葵波: もちろんだ。


愛衣: 南側は任せて。


白仮面γ: そう簡単に行かせるかよ!



白仮面γが若月の足を止めようとするが…



葵波: 行かせねぇっての!!



葵波が、飛び膝蹴りで若月と白仮面γの間に割り込む。



白仮面γ: 危なっ…


愛衣: あなたの相手は私達。



愛衣は白仮面γの背後に陣取る。



葵波: 早めに片付けて、若の応援に行こうか。


愛衣: そうだね。


白仮面γ: あぁ…君達が噂の能高の「双鬼」なのかな。


葵波: なんだ知ってんの?


愛衣: 私達は、あんまりその呼び名は、好きじゃないんだけどね。


白仮面γ: どおりで強いわけだよ。ζがやられたのも納得がいく。


葵波: アイツが弱かっただけだ。


白仮面γ: う~ん…一応中位なんだけど。


愛衣: 中位?


白仮面γ: おっと、喋りすぎたかな?w


葵波: 全然喋ってくれても良いんだぜ笑


白仮面γ: そう?なら、1つ話すと、今お仲間が戦いに行ったβは、中位の中でも最強格だよ。


愛衣: へぇ。


白仮面γ: 勝てるかな?w


葵波: 笑、勝てるよ。若月なら。


愛衣: だね。まぁ念の為に私達も行くけど。


白仮面γ: そうかそうか…なら、俺も有名な双鬼を倒して、結果を見に行こうかな!!


葵波: やるぞ!愛衣!!


愛衣: うん!葵波!!



そうして、南側で白仮面γと能高の双鬼の戦いが始まった。



to be continued

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