ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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閑章2

第108話「犬猿の仲?」

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カフェBINGO!


ガチャ



守里: こんにちは。


奈々未: 来たわね。守里君。


店長: こんにちは。元気?森崎君。


守里: はい、元気ですよ。


奈々未: 珠美ちゃんが更衣室に入ってるから、もうちょっと待ってて。


守里: 分かりました。


店長: それで、後ろの子は?



店長は、守里の背中にしがみつく祐希を見て言う。



奈々未: 多分、守里君の子供です。


店長: え?森崎君、子供いたの?!


守里: いや、いませんから。奈々未さん、変な嘘つかないで下さい。店長も乗らなくて良いです。


祐希: 祐希は子供じゃなか!!失礼なお姉さん!!!



祐希は守里の背中から飛び降りつつ、奈々未を指さす。



奈々未: 何ですって?!



あ、やば…

この2人の相性考えてなかった…



奈々未: 失礼なのは、どっちかな?お嬢ちゃん。


祐希: お嬢ちゃん?!祐希をバカにせんとって!!



うわ…

祐希の博多弁が出てる。


小さい頃に、福岡に住んでたらしく、熱くなると、博多弁が出てくるんだよな。



奈々未: お嬢ちゃんじゃなかったら、なんて呼べば良いのかしら。小学生?幼稚園生?


祐希: ムー


奈々未: それとも、3歳児?笑


祐希: 祐希はピチピチの17歳だ!!おばさんと違ってね!!


奈々未: お、おば…



あ~

奈々未さんの顔が、どんどん怖くなっていく~


後から僕は、なんて言われるんだろう…


怖…



奈々未: 私は、おばさんと言われるような歳じゃないわ!!


祐希: じゃあ、何歳なの?


奈々未: 19歳。


祐希: 笑、祐希からしたらおばさんだね。


奈々未: たった2つしか離れてないじゃない。


祐希: それでも、年上は年上だから笑


奈々未: ま、まぁ、あなたは歳の割には背も低くて、幼児体型みたいだけど。


祐希: なっ!祐希が気にしてることを!!


奈々未: おチビさんだね笑


祐希: ムムムムム!!!!



祐希は体を大きく見せようとしているのか、両手を横に広げ、思いっきり胸を張る。



奈々未: っ!!!!!



奈々未は祐希の胸部を見て、衝撃を受けた。



祐希: まだ成長期だから!これから伸びるもん!!!


奈々未: 成長期?まだ大きくなるというの…



なんで、奈々未さんは少しショックを受けた表情をしてるんだろう。

奈々未さんの方が、優勢っぽかったのに。


ってか、奈々未さんが、ああやって張り合ってるのは、初めて見たかも。

いつもは、心を読めるおかげか、大人の対応をしてるんだけどな…


ま、まさか、祐希の心は読めないのか?!


…後から祐希にコツを聞いとこう。



奈々未: (いや、ダメよ。奈々未。ここで折れてどうするの。こんな小動物みたいな年下に、負けるわけにはいかないわ!!)


祐希: (頑張れ祐希!!こんなスタイルの良い美人なお姉さんに、負けてるわけにはいかんよ!!)


奈々未: …


祐希: グヌヌヌヌ



奈々未と祐希の目の間に、バチバチと火花が飛び散る。



珠美: あれ?守里先輩。それに祐希先輩!!!こんにちは!!!!


守里: おう!


祐希: 珠美ちゃん!!!やっほ!!!



祐希の意識が珠美の方に移る。



珠美: 久しぶりですね!!祐希先輩!


祐希: そうだね~って、珠美ちゃんも、ここで働いてるんだ。


珠美: はい!!守里先輩と、奈々未先輩と一緒に!!


守里: うん。店長も一緒ね。


店長: 僕のこと忘れないで。


珠美: あ、そうでした!!店長も一緒です!!


祐希: そっかそっか~


奈々未: ふぅ…言い過ぎたわ。ごめんね。祐希ちゃん。


祐希: …いえ。元はと言えば、祐希が悪いですから。


奈々未: 笑、仲良くしましょ。


祐希: よろしくお願いします。



2人は握手を交わす。



珠美: ?



マジで助かった…


珠美には感謝だな。

今度なにか奢ってやろう。


奈々未と祐希の争いは、珠美によって終戦となった。



守里: じゃあ、僕は着替えてきますから。祐希は適当に座って、勉強道具広げといて。


祐希: はーい!



そう言って、守里は更衣室へ。



奈々未: この時期に、勉強道具。なるほど、祐希ちゃんは、守里君にテスト前の詰め込みをさせられてるわけか。


祐希: はい!


奈々未: 去年は日向子ちゃんで、今年は祐希ちゃんなのね。


祐希: テストの度に、交代でやってもらってます。


珠美: 守里先輩に教えてもらえるの良いな~


奈々未: 珠美ちゃんも頼んでみたら?


珠美: そうですね!頼んでみます!!


奈々未: 笑、守里君も色々と大変だ笑


祐希: 祐希、ここで勉強してても良いですか?


奈々未: もちろん…


店長: 良いよ~でも、一品でも注文してくれたら嬉しいかな~


祐希: 分かってます!!この、グレープフルーツジュースと、馬刺しお願いします!!


奈々未: 珍しい組み合わせね。


店長: 笑、はーい。



店長はキッチンに行く。



珠美: 今回、守里先輩が祐希先輩を教えてるってことは、日向子先輩は飛香先輩が教えてるんですか。


祐希: そうみたい。守里がじゃんけんで負けたからだって。


奈々未: 負けた方が、祐希ちゃん担当なんだ笑


祐希: あ!春時に理由聞くの忘れてた!



今になって、祐希は思い出した。



守里: あれ?祐希。勉強道具が出てないみたいだけど。



更衣室から出てきた守里が言う。



祐希: 今から出すところだったんだよ~



急いでカバンから勉強道具を取り出す。



守里: 奈々未さん。仕事はちゃんとしますから。


奈々未: 笑、分かってるって。


珠美: 先輩!!珠美にも教えてください!!!


守里: え?珠美は勉強できたよね?


珠美: いいから教えてください!!


奈々未: 守里君、教えてあげなよ。可愛い後輩が、こうやって頼んでるんだから笑


守里: なんで奈々未さんが言うんですか。


珠美: お願いします!!


守里: わ、分かったよ。じゃあ、今週の土曜のバイトの時に教えるから。


珠美: やった!!!!


奈々未: 珠美ちゃん、良かったね笑


祐希: 祐希も一緒にやる!


守里: いや、一応バイト中だから、2人同時にやるのはマズイ。祐希は日曜日ね。


祐希: はーい!!


奈々未: (祐希ちゃん、守里君に従順笑)


店長: はい、馬刺しとグレープフルーツジュースね。



店長が祐希の座るテーブルに来る。



守里: あ、もう頼んでたんだ。


奈々未: 守里君が戻ってくる少し前に。


祐希: おいしそうな馬刺し!


店長: 馬刺しなんて、久しぶりに出したよ。


奈々未: 凍結メニューの1つでしたからね笑


店長: 一応自慢のメニューなんだけど笑


守里: うちはメニューが多いですから、しょうがないですよ笑


奈々未: まぁその前に、ここカフェですから。


店長: だって、色んなメニューやってみたいでしょ。それにお客さんも、頼みたいメニューがなくて困るより、ありすぎて何頼むか困る方が良いだろうし。


守里: あ、そういう考えがあって、こんなにメニューが多いんですね。


店長: そういうこと。


珠美: そうだったのか~


奈々未: …(多分、今考えたことだ。)


祐希: それで、守里。何からやればいい?


守里: じゃあ、化学からやろうか。祐希苦手でしょ。


祐希: え~


守里: 苦手な科目は、僕がいる時の方がいいし。


祐希: 確かにそうだけど…


守里: それに、ここには化学得意な人がいるから。


祐希: 誰?


奈々未: まさか、私の事言ってる?


守里: そうです。だって奈々未さん、理学部じゃないですか。


奈々未: まぁそうだけど…


祐希: 助けてください!奈々未さん!!


守里: ほら、可愛い後輩も、こう言ってることですし笑


奈々未: クッ…分かったわ。


祐希: じゃあ、守里が教えるの下手くそだったら、頼ります!!


守里: 笑、頑張るよ。


奈々未: はぁ…ちなみに、祐希ちゃんは、どれぐらい勉強苦手なの?


守里: 相当です。中間は日向子よりも下でした。


奈々未: 何位?


祐希: 276位です!!


奈々未: は?


珠美: すごい!!



いや、珠美はどういう意味で言ったんだ?



守里: って感じですから。一緒に教えるの頑張りましょう。


奈々未: …


守里: じゃあ、そろそろ仕事始めないとだから、祐希は教科書の問題をここから解き始めていって。



祐希が広げた化学の教科書を指さしながら、守里は言う。



祐希: 分かった。


守里: 寝たらダメだよ。


祐希: もちろん!


守里: 寝てたら、叩き起すから。


祐希: え?叩くの?


奈々未: 守里君、女の子に乱暴するなんて最低笑


守里: え、奈々未さん、そっちの味方なんですか?


奈々未: いつ、私があなたの味方と言ったかしら笑


守里: 嘘~


祐希: せめて、肩ポンポンで起こしてよ!


奈々未: ね~祐希ちゃん。



いつの間にこの2人は、こんなに息が合うようになったんだろう…



守里: …分かった。って、祐希が寝なかったら良いだけだから。


祐希: はーい!


奈々未: さ、守里君。始めよう!


珠美: 珠美も頑張ります!!


守里: 了解です。


店長: (17時きっかり。こういうところは流石なんだよな~)




to be continued
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