ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第5章 夏休み編

第139話「いちげきひっさつ!」

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守里の家


ガチャ



守里: ただいま。


結真: おかえり、守里。


桜: おかえり~お兄ちゃん。


守里: はい、これお土産。


結真: うわ、ありがとう笑


桜: 美味しそう!


守里: えーっと、美月と蓮花は?


結真: 2人は部屋にいるわよ笑、ちょうどね。


守里: ?


結真: いや、2人には守里が飛香ちゃんと出かけたこと、誤魔化してるからさ。


守里: え?誤魔化してるの?


結真: そりゃそうよ。


守里: なんで?


結真: 多分、本当のこと言ったら面倒臭いことになるよ?守里にとって。


守里: そ、そう?


桜: うん。絶対。


守里: まぁ、桜がそう言うなら…


結真: 私も、桜に言われて、誤魔化すことにしたのよ笑


守里: へぇ~


桜: じゃあ、1つ食べるね。


守里: うん、食べて笑


桜: パク…うまっ。


守里: 良かった笑


結真: 私も食べよっ!


守里: なら、美月と蓮花には…


桜: 隠そう。


結真: 了解です!BOSS桜!


守里: 笑、BOSSって。


桜: 笑


守里: ちなみに、2人にはなんて誤魔化してるの?


結真: あぁ、それなら友達と遊びに行ってるって言っといたよ。


守里: 了解笑。適当に話を合わせる。


桜: …お兄ちゃん、このキーホルダーは?


守里: あぁ、それは飛香とお揃いで買ったんだよ。


結真: へぇ笑、お揃いか。


桜: これ、なんてキャラクター?


守里: とりんぎょだって。飛香が気に入ってたんだ。


結真: とりんぎょ?それは鳥なの?魚なの?


守里: 僕も同じように思ってたけど、分からない笑


桜: かわいい…


結真: それで、どうだったの?飛香ちゃんとのお出かけは。


守里: 凄い楽しかったよ笑


結真: 水族館が?


守里: うん。魚もたくさん見れたし、ペンギンショーもイルカショーも見れたし…それに…


結真: 飛香ちゃんはどうだった?


守里: え?飛香?…それは…


「だから、アレ!綺麗だよ!」


「…もちろん…すっごい、楽しかったよ!!ニコッ」


守里: …可愛かった?…うん、可愛かったよ。


結真: …ん?


守里: とりあえず、汗かいたから、お風呂入ってくるね!



自分の頭を整理するためなのか、守里は少し慌てて、お風呂に向かった。



結真: あらあら笑…これは…


桜: 飛香先輩、1歩リードかも。


結真: きゃ~ワクワクしてきた!!


桜: なに?お姉ちゃん。


結真: いや、なんか凄い、青春を感じるというか。


桜: 笑、そう。




しばらくして…



結真: ご飯できたよ!


守里: うん、じゃあ美月と蓮花呼んでくる。


結真: よろしく。桜は運ぶの手伝って。


桜: はーい。



そうして、守里は2階へ。



コンコン


守里: 美月~



シーン



守里: ん?寝てるのかな。


コンコンコン



守里: 美月ー



シーン



守里: しょうがない…失礼します。



ガチャ


守里は美月の部屋に入る。



美月: …


守里: こんな時期に布団かぶって寝るなんて、暑くないのか…



美月はベッドの上で、完全に布団をかぶって寝ているようだった。



守里: ほら、美月。晩ご飯。



守里は布団の上から、美月の体を揺らす。



美月: …


守里: 美月、起きて!っと。



バサッ


布団を思いっきりめくる守里。



美月: …


守里: 気持ちよさそうな顔で寝てんな…起きろ~



仰向けに寝ている美月の体を、優しく叩く。



美月: …


守里: え、これでも起きないの?どんだけ深い睡眠に…



美月が全然起きないため、無理やり体を起こそうと、美月の肩を掴む。



守里: はーい、起きよう…


美月: ニヤッ



守里が起こそうとした瞬間、逆に美月に肩を掴まれ、そのまま抱きしめられ、守里はバランスを崩して、ベッドの上に手を置く。



守里: うわっ!


美月: フフーン笑


守里: 起きてたのかよ。


美月: いや~起きてなーい笑


守里: 寝てるやつは、そんな流暢に笑顔で話さないって。とにかく離して。


美月: 無理笑



美月は守里の腰に足を回す。



守里: おいおい…


美月: 一緒に寝ようよ~


守里: だから、ご飯だって。


美月: まだ眠い~


守里: はぁ…じゃあ、無理やり行こっか。


美月: え?


守里: よいしょっと。



守里は抱きつく美月を気にせず、そのまま上体を起こし、美月は持ち上げられる。



美月: ちょっと守里。


守里: 美月、コアラみたいだね笑


美月: このままじゃ、落ちちゃうんだけど。


守里: 笑、ちゃんと支えるから。



そう言って守里は、木に掴まるコアラのように、首に腕を回し、腰に足を回して守里にぶらさがっている状態の美月のお尻を手で支える。



美月: きゃ~笑、守里、変態!笑


守里: しょうがないだろ…落ちても知らないよ。


美月: なら、仕方ない!許してあげよう!


守里: はいはい笑…じゃ、蓮花も呼びに行くから。


美月: はーい!



守里は美月を抱えたまま、蓮花の部屋の前へ。



コンコン


守里: 蓮花~ご飯だよ~


美月: ごっはん!!


「はーい!すぐ行くから、先行ってて!」


守里: 分かった。


美月: よし、行こう守里。


守里: うん。



そして、2人はリビングに。



結真: いや美月、コアラ?


桜: というより、腹話術の人形の方…


守里: 笑、桜の例え、面白い。


美月: え~あんまり嬉しくない!


結真: ってか、美月を片手で持ち上げてる守里の腕の力よ笑


守里: 全然軽いから問題なし。


美月: でしょ笑


守里: でも、もう終了ね~


美月: いやだー!!


結真: 駄々こねないの、美月。小さい子じゃないんだから。


美月: いーやー


桜: ガキじゃないんだからボソッ



視線を美月から机に落とした桜が、そう呟く。



守里: っ!!



こっわ!

絶対零度じゃん…



美月: …守里、おろして。


守里: う、うん。



桜の呟きを聞き、美月は大人しく守里から離れ、自分の席に座る。



美月: …



これぞ、一撃必殺。



結真: 笑、桜、よくやった。


桜: え?なんのこと?



まさかの無意識…

それで、美月を凍りつかせるとは…


侮れん…三女…


ガチャ!!



蓮花: おまたせ!!


結真: はい、じゃあ座って。


蓮花: はーい!


守里: うん。


結真: いただきます!


「いただきます。」


美月: ねぇ、守里。


守里: ん?


美月: 今日ってさ、友達と出かけてたんでしょ?



来た、この質問。

なんとか話を繋げないと…



守里: うん、そうだよ。


美月: 誰と?私の知ってる人?


守里: いや、中学の時の友達だから、美月は知らないと思う。


美月: そっか~モグモグ



いけたか?



蓮花: そのお友達って、今どこ高校なの?



蓮花からの追撃。



守里: えーっとね、二高だったと思う。


蓮花: ふ~ん。モグモグ



よしよし、いい感じだ。



結真: (蓮花には、本当のことを言っても良いんだけどね笑)


美月: 私も守里と一緒に遊びに行きたい!!


守里: 笑、まぁまぁ。今週末、みんなで遊園地行くし。まだ完全に日程は決まってないけど、夏休み中に海行く予定じゃん。


美月: 待てないよ~


守里: そんなこと言っても、明日は僕バイトだし、明後日は風紀委員の仕事に行かないとだし。


美月: あ、そうだった。


結真: いつものルートじゃないんだよね?


守里: うん。いつもより離れたところを見回りしなきゃ。


桜: 大変だ。


守里: でも、委員長の若月さんも、ある程度の自由は許してくれてるみたいだから、半分お出かけみたいなもんだよ。


結真: じゃあ、美月良かったじゃん。守里と一緒に出かけられるのと一緒でしょ?


美月: まぁね~


蓮花: 梅澤さんも?


守里: そうそう。3人で見回り。


蓮花: 梅澤さん、カッコいいよね。


守里: 蓮花もそう思う?


蓮花: もちろん!


桜: 後輩からしたら、憧れのクールな女性って感じ。


美月: 笑、元ヤンだけど。


結真: いや、ほんと、あの梅刺奴欺だとは、未だに信じられない。


守里: 変わったんだよ。美月のおかげで。


美月: え?私のおかげ?


守里: うん。絶対。


美月: そっか~嬉しいな~笑


結真: これからも仲良くしなよ笑


美月: もちろんだって!モグモグ




to be continued


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