ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

文字の大きさ
143 / 340
第5章 夏休み編

第143話「戦力増強のための後輩育成」

しおりを挟む
松高と林原を連れ、守里達は見回りを再開し、昼食を一緒に取った後、最後まで見回りを終わらせて、学校に戻った。


風紀委員室


ガラガラ



守里 美月 梅澤: 失礼します。


若月: あぁ、やっと戻ってきた。


守里: すみません、1番遅かったですか?


若月: まぁな笑


美月: ちょっと、喋りすぎちゃって。


若月: ふ~ん。誰と。


守里: メッセージでも送ったように…2人とも入ってきて。


松高 林原: 失礼します。


若月: 美結と瑠奈か。


守里: 知ってましたか。


若月: もちろんだよ。だって、梅刺奴欺の舎弟なんだから笑


梅澤: 舎弟じゃないです。


若月: と、言い張るんだ、いつも。そんなに一匹狼を気取りたいのかな笑


梅澤: 別に、そういうわけじゃ…


若月: 分かってる、冗談だ笑


守里: 笑、それで、本題なんですが…


若月: うん、既に大我にも連絡を取った。


守里: さすが笑


美月: 結果は!


若月: 別に構わないとの事だ。


美月: やった!!


守里: じゃあ、2人は風紀委員になるんですね。


若月: ま、正式では無いんだがな。去年の梅と同じように、仮の風紀委員となる。


梅澤: と言っても、あんまり変わらないぞ。


守里: そうなんだ。


若月: よし、改めて、私は風紀委員長の若月桐子だ。能高1年、林原瑠奈、松高美結。これからは風紀委員として、頑張れ。


林原: は、はい!


松高: よろしくお願いします。



こうして、2人は仮風紀委員となった。



若月: うん。頼んだぞ。貴重な戦力達。


松高: 戦力ですか…


若月: 腕っ節のあるやつは、少ないからな。


守里: 現在の風紀委員だと、若月さんに葵波さん、愛衣さん、香蓮だけですもんね。


若月: あと、守里。


守里: え、僕もカウントしてるんですか?


梅澤: そりゃそうだろ笑


若月: そうそう。


守里: はぁ…


若月: 笑、でだ。私達3年が引退すると、残る風紀委員でまともに戦えるやつは、梅と守里しかいなくなる。


美月: それで、次世代を任せられる美結ちゃんと瑠奈ちゃんが入ってくれるのは、万々歳ってことですね。


若月: あぁ。


梅澤: …じゃあ、お願いしたいことがあるんですけど。


若月: なんだ?改まって。


梅澤: 私とこの2人を鍛えてもらえませんか?


美月: え?


若月: …


梅澤: おそらく、私達の力じゃ、若月さんの望みを叶えることはできません。


林原: でも、私達が揃えば、そこら辺のヤンキーは…


梅澤: 違う。私達が相手しないといけないのは、他校のヤンキーじゃない。


林原: はぁ?じゃあ、誰を…


梅澤: 私達がこの前、相手したような奴ら…ですよね?若月さん。


松高: この前、梅澤先輩達が相手したって?


林原: ?


若月: 2人は聞いてないのか。


梅澤: 久しぶりに会ったので。


若月: …そうだ。梅の言う通り、これから能高風紀委員が相手にしないといけない敵は、アイツらになるだろう。


守里: …


美月: 白仮面で終わりじゃなかったんですか?


若月: 警察からの情報によると、アイツらは、ある組織の構成員でしかなかったようだ。


美月: え…


梅澤: やっぱり…それに、その組織はこの辺が活動区域みたいですから…チラッ



梅澤は守里を一瞬見る。



守里: …



その視線に守里も合わせる。


うん。

香蓮の読み通り、アンチは防衛団が守るこの伊衛能を中心に活動してる。

それに、森田さんが言ってたように、アンチの活動が活発化してきてるということは、これまで以上に風紀委員とかち合う可能性は高くなる。


ま、そうならないよう未然に防ぐのが、防衛団の仕事なんだけど。



梅澤: これから、私達が風紀委員として戦わないといけないのは、その組織。でも、私はこの前ソイツらに負けた。


若月: …


林原: 梅澤先輩が…


松高: 負けたんですか。


梅澤: 私じゃ、手も足も出なかった。守里がいなかったら、どうなってたか…


若月: それで、私に鍛えて欲しいと。アイツらに負けないように。


梅澤: はい!お願いします!



梅澤が頭を下げる。



若月: 分かった。それも後輩育成の一環だからな。私の仕事だ。


梅澤: ありがとうございます!


若月: で、1年2人組はどうするんだ。


林原: あ、あの…


松高: まず、これまでのことについて話してもらえませんか?すみませんが、なんのことを言ってるのか、全然把握できていません。


若月: 笑、そうだな。同じ風紀委員の仲間なんだから、話すよ。


松高: お願いします。


若月: でも、これは外に漏らすな。絶対だぞ。


林原: 了解です!


松高: はい。



そうして、若月は白仮面に関する一連の事件について話した。



若月: …ということだ。


松高: そんなことが…


林原: 先輩方!凄いです!


美月: いやいや、それほどでも~


守里: 美月。


美月: …ごめん。


若月: 笑、で、どうする?


松高: …私達は、梅澤先輩の手助けをしたくて風紀委員になることに賛成したんです。ですので…


林原: 梅澤先輩の力になるために必要なことであるならば、何でもします!!


松高: …ということです。(カッコいいセリフ取られた…)


若月: 了解した。じゃあ、3人まとめて面倒見てやる。


梅澤: 改めてありがとうございます!ほら、お前らも。


林原: あ、ありがとうございます!


松高: ありがとうございます。


若月: 私と…あとは愛衣だな。2人でお前らを鍛える。


守里: 葵波さんは?


若月: あいつは…まぁ別の仕事があるんだ。


守里: そうですか。


若月: にしても、梅。良い仲間ができたな。


梅澤: 仲間…


美月: 仲間なんかじゃないです!友達です!!


若月: 笑、そうかそうか、友達か。梅も、それに美月も成長を感じるよ。


守里: でしょ笑


若月: 笑、ほんと時の流れは早い笑


美月: まだ18ですよね?笑、若月先輩。そんな御年寄みたいなフレーズ…


若月: 美月。


美月: はい、すみません。


守里: 笑


若月: よし、今日はそろそろお開きにしよう。


守里: ですね。


林原: あの~


松高: 私達は、何をすれば?


若月: うん。それなんだが…まず、梅。お前は、守里と美月のペアから卒業だ。


梅澤: え…


美月: …


若月: 今後、梅は瑠奈と美結と組んでもらう。良いな。


守里: …はい。


美月: 守里…


守里: これも、これからの風紀委員のため、そして香蓮の為だ。


美月: …うん。了解です。


若月: 梅は。


梅澤: …はい。


若月: スマンな。いきなりで。


守里: いえ。それで…


若月: 守里と美月のペアには、引き続き同じようにやってもらう。


守里: 分かりました。


若月: 梅と美結、瑠奈は…私と訓練だ笑


守里: 早速ですか。


若月: できるだけ早い方が良いからな。いつ、アイツらが、再びちょっかいかけてくるか分からないし。


守里: ですね。では、僕と美月は失礼します。


若月: あぁ。また次の見回りの時に。


守里: はい。行くよ、美月。


美月: え~


守里: これから、その訓練について話し合いしないとだろうから、僕達は邪魔になる。


美月: なるほど…またね!香蓮。


梅澤: 笑、おう。


守里: 笑、では、改めて失礼します。


美月: 失礼します。



守里と美月は風紀委員室を出て、家へと帰った。

その間の美月の表情は少し、悲しさを帯びていたのだった。


◇◇◇◇◇


日曜日


守里の家



結真: みんな、準備できた?


美月: もちろん。


桜: うん。


守里: OKだけど…


蓮花: 待って~!!


結真: はぁ…また?


蓮花: だって~


美月: 蓮花、ソファで寝てたよね?


桜: なんか、既視感…笑


守里: 家族でお出かけの時、蓮花はソファで二度寝したくなるのかな笑


蓮花: なんでだろう?


結真: いいから早くしなさい!!


蓮花: はい!!



蓮花は大急ぎで、出かける準備を終わらせ…



蓮花: よし、できた!!


結真: じゃ、行くよ。


守里: はーい。


美月: 楽しみだな~遊園地。


桜: 昨日から、お姉ちゃん言ってたもんね。


美月: うん!


結真: 笑


美月: だって、久しぶりなんだもん!


桜: そうだね笑


蓮花: 早く行こ!


結真: 蓮花を待ってたんだよ。


蓮花: ごめんって笑


守里: 笑、さ、行こう。


結真: うん。


美月: フゥーー!!



美月、テンション高いな笑


って、ちょっと持って。



守里: 美月。手ぶらで行くの?


美月: え?…あ…


桜: お姉ちゃん…


結真: …早く取ってきなさい。


美月: ごめんなさーい!!!



ドタバタ



蓮花: 笑


結真: 先に車乗っとこ。


守里: そうだね。



そうして、守里達は結真の車に乗り込み…



美月: セーフ!



バタン



守里: みんな、忘れ物してない?



助手席に乗る守里が、後部座席の方を振り返り聞く。



美月: うん!


桜: 大丈夫。


蓮花: はーい!


結真: 美月、鍵閉めてきた?


美月: もちろん。


結真: じゃあ、出発!!


美月 蓮花: 進行!!!


桜: …進行。


守里: 笑



楽しそうでなにより。

でも、このテンションで、最後まで持つだろうか笑


守里は少し不安を抱えながらも、遊園地へと向かった。




to be continued


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

職業ガチャで外れ職引いたけど、ダンジョン主に拾われて成り上がります

チャビューヘ
ファンタジー
いいね、ブックマークで応援いつもありがとうございます! ある日突然、クラス全員が異世界に召喚された。 この世界では「職業ガチャ」で与えられた職業がすべてを決める。勇者、魔法使い、騎士――次々と強職を引き当てるクラスメイトたち。だが俺、蒼井拓海が引いたのは「情報分析官」。幼馴染の白石美咲は「清掃員」。 戦闘力ゼロ。 「お前らは足手まといだ」「誰もお荷物を抱えたくない」 親友にすら見捨てられ、パーティ編成から弾かれた俺たちは、たった二人で最低難易度ダンジョンに挑むしかなかった。案の定、モンスターに追われ、逃げ惑い――挙句、偶然遭遇したクラスメイトには囮として利用された。 「感謝するぜ、囮として」 嘲笑と共に去っていく彼ら。絶望の中、俺たちは偶然ダンジョンの最深部へ転落する。 そこで出会ったのは、銀髪の美少女ダンジョン主・リリア。 「あなたたち……私のダンジョンで働かない?」 情報分析でダンジョン構造を最適化し、清掃で魔力循環を改善する。気づけば生産効率は30%向上し、俺たちは魔王軍の特別顧問にまで成り上がっていた。 かつて俺たちを見下したクラスメイトたちは、ダンジョン攻略で消耗し、苦しんでいる。 見ろ、これが「外れ職」の本当の力だ――逆転と成り上がり、そして痛快なざまぁ劇が、今始まる。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スライム退治専門のさえないおっさんの冒険

守 秀斗
ファンタジー
俺と相棒二人だけの冴えない冒険者パーティー。普段はスライム退治が専門だ。その冴えない日常を語る。

まほカン

jukaito
ファンタジー
ごく普通の女子中学生だった結城かなみはある日両親から借金を押し付けられた黒服の男にさらわれてしまう。一億もの借金を返済するためにかなみが選ばされた道は、魔法少女となって会社で働いていくことだった。 今日もかなみは愛と正義と借金の天使、魔法少女カナミとなって悪の秘密結社と戦うのであった!新感覚マジカルアクションノベル! ※基本1話完結なのでアニメを見る感覚で読めると思います。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

処理中です...