ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第5章 夏休み編

第165話「現実なら鬼要求」

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翌日


守里の家



守里: …


蓮花: …


守里: …お。


蓮花: やば…


守里: …笑


蓮花: あぁぁぁあああ!!!!また負けた!!!!


守里: 崖、甘かったね。


蓮花: はぁ…お兄ちゃん、強すぎ。



結真は用事があるとか何とかで大学に行き、美月は桜と一緒に柿谷の家に遊びに行き、今、家には守里と蓮花しかいなかった。


そんな2人は、並んでソファに座り、朝からずっとゲームをしていた。



守里: もう1戦やる?


蓮花: えーどうしよっかな~


守里: あ、そういえばさ、蓮花のお願い事って何にするの?


蓮花: お願い事?


守里: ほら、この前、良介君と会いたいって僕が言った時に…


蓮花: あぁ!そういえばそんな話があったね!


守里: 別にいいなら…


蓮花: いやいやいやいや!それはダメだよ!約束したんだから!


守里: 笑、分かった分かった。で、何にするの?


蓮花: う~ん、ちょっと待ってね…



ニコニコしながら、あれやこれやと考える蓮花。


随分と楽しそうだ。


正直なこと言えば、何気にお願い事が、結構溜まってるから、夏休みの間に消費しときたいんだよな笑

それこそ、この前、飛香のお願い事を聞いて、昨日、奈々未さんのお願い事も、何とかしたけど。



蓮花: じゃあさ、今から1日、蓮花を楽しませて!


守里: 蓮花を楽しませる?


蓮花: うん!お兄ちゃんが思いつく限りで良いから、とにかく蓮花を楽しませてみてよ!


守里: …



よく考えたな、蓮花。

これなら、ひとつに絞らず、色々と頼めるってわけか。



守里: 分かった笑


蓮花: よろしく!お兄ちゃん!


守里: うん。


蓮花: じゃあ、お兄ちゃんはまず、蓮花に何をやってくれるの?


守里: そうだな…よし、蓮花。まずは外に出れる格好に着替えてきて。


蓮花: うん!



そうして、2人は外出する用意をして…



守里: 行こっか。


蓮花: うん。


守里: あ、ほら、手繋ご。


蓮花: え?やった!!


守里: 笑



あぁ、よかった。

楽しそう。


小さい頃、紗耶ちゃんは、春時と手を繋ぐの楽しそうだったし、蓮花もそうかな?って思ったけど、正解だったみたい。



守里: いってきます。


蓮花: いってきまーす!!!



ガチャ


玄関の鍵をかけ、2人は家を出た。


◇◇◇


ゴールデンマーケット



守里: 聞いてた通り、デカイな。


蓮花: ここが、ゴールデンマーケットか…



春時からゴルマについて話を聞いていた守里は、蓮花を楽しませるには、ちょうど良いだろうと考え、ゴルマにやってきた。



守里: 蓮花は来たことある?


蓮花: ないよ!玲衣に聞いてはいたけど。


守里: 僕と同じか笑



2人は中に入る。



蓮花: どこ行く?


守里: まずはね、映画館に行こうって思ってる。


蓮花: 映画!


守里: ほら、毎年公開されてる有名なアニメ映画があるじゃん。アレを見ようって思って。


蓮花: あぁ!あの蓮花みたいな子が主人公のやつね。


守里: 蓮花みたいな?


蓮花: ほら、見た目は子供、頭脳は大人って笑


守里: …そうだね笑



どっちかって言うと逆なような…

年齢に反して大人っぽい外見なのに、中身は完全に子供。



蓮花: でしょ?


守里: 4月に公開されてたけど、まだ蓮花見てないよね?


蓮花: うん。


守里: 前の映画は?


蓮花: 去年のは見たよ。でも、ずっと追ってるわけじゃないかな。


守里: そっか。


蓮花: お兄ちゃんは?


守里: 僕も、金曜にあったやつは全部見た。だから、一応ほとんど見てる。


蓮花: へぇ~今年のやつって、めちゃくちゃ面白いって話題だよね。


守里: うん。確か、スーパーエリートな1家が活躍するんだよね。


蓮花: そうそう。楽しみだな~


守里: じゃ、行こっか。


蓮花: はーい!



そうして、守里と蓮花は5階へ。



蓮花: 次、いつからだろう。


守里: えーっとね…あ、1時間後だって。


蓮花: 1時間か…


守里: ちょうど、お昼時と被ってるし、先にチケットだけ買って、お昼ご飯食べない?


蓮花: うん!そうしよう。



ということで、2人分のチケットを買い、4階へ降りる。



守里: 蓮花は、何食べたい?


蓮花: う~ん…


守里: 奥にはフードコートもあるみたいだけど…



レストランに、パン屋…

それに、カフェとかもあるのか。


春時が言ってた通り、色々な店があるな。



蓮花: 見て見て、お兄ちゃん!このカフェ、すごいオシャレだよ!



そう言って、パン屋の横にあるカフェを指す蓮花。



守里: 確かに、すごいオシャレなカフェ…うちと良い勝負だ。



と、守里がつぶやくと…



??: うち?


守里: え?



背後から、女性の声が聞こえ、すぐに振り向く。



??: あなたも、カフェかなんかやってるの?


守里: あ、いえ、バイトで働いてて。


??: へぇ~


蓮花: お姉さんは、どなたですか?



若干の警戒の色を浮かべつつ、蓮花が守里に話しかけた女性に聞く。



??: あぁ、ごめんね。私は、そこのカフェの店長よ。


守里: あ、店長さんでしたか。


蓮花: お姉さんが店長さん?


??: 笑、そうよ。見えなかった?


蓮花: お姉さん、若そうなのに…


??: あら笑、嬉しいこと言ってくれるじゃない。そうだ、2人とも寄ってかない?笑、安くしてあげるわよ。


守里: え?


蓮花: じゃあ、行きます!


守里: 蓮花?


蓮花: まぁまぁ良いじゃん!お兄ちゃん!ちょうどお昼ご飯食べるところ探してたし。


??: 2人は兄妹だったのね笑。ほら、お兄さんもどう?


蓮花: お兄ちゃん!


守里: わ、わかりました。お邪魔します。



2人の誘いに、守里が折れる。



??: 笑、良かった。さぁ、行きましょう。


蓮花: はい!


守里: …



なんか、すごい早さで話が進んで行ったな…


まぁ、店長さんも人当たり良さそうだし、カフェも少し気になるし。

敵情視察ってことで。


ガチャ



蓮花: うわぁ~店内もオシャレ~


??: でしょ?笑


守里: 今日は、店長さんのワンオペなんですか?


??: …午前中はそうね。午後からは、1人バイトの子が来るけど。


守里: 朝は大変でした?笑


??: 笑、そこそこよ。


蓮花: お兄ちゃん!蓮花、これ食べたい!



守里が店長と話している間に、蓮花はメニュー表を眺めていた。



??: あ、オムライス?美味しいわよ笑


蓮花: 楽しみです!


守里: 笑、店長さんのおすすめってありますか?


??: そうね~コーヒーは全部おすすめだけど…料理で言うなら、パスタ系かしら。


守里: パスタですか…よし、僕はカルボナーラと、オリジナルコーヒーにします。


蓮花: 蓮花は、オムライスといちごミルクお願いします!


??: 笑、了解。ちょっと待っててね。


蓮花: はい!


??: にしても、いちごミルクか~笑


守里: 店長さんも好きなんですか?


??: いや、私じゃなくてね。ほら、今さっき言った、午後から来るバイトの子がいちごミルク好きでね。


守里: へぇ~


蓮花: だから、ここでもいちごミルク出してるんですか?


??: 別にそういうわけじゃないんだけど、まぁ、そういうことにしときましょうか笑



と、雑談をしつつ、料理を待った。




40分後…



守里: 美味しかったです。


蓮花: ご馳走様でした!


??: また来てね~



ガチャ


驚くほど美味しかった料理を、割引までしてもらった2人は、??に感謝しつつ、カフェを出て、映画館に向かった。




数分後…


ガチャ



??: いらっしゃいませ~


飛香: 私です。新井さん。


新井: あら、飛香ちゃん、こんにちは。


飛香: どうもですって、早いですね。もう準備やってるんですか?


新井: ついさっきまで、お客さん来てたのよ。


飛香: は?今日の開店は、午後からじゃないですか!


新井: まぁまぁ良いじゃない。ここの店長は、私なんだし。


飛香: 向こうの店長に怒られますよ。


新井: 飛香ちゃん、黙でよろしく!


飛香: はぁ…




2時間後…



蓮花: 面白かったね!お兄ちゃん。


守里: そうだね笑。リニアが暴走し始めた時は、手に汗握ったよ~


蓮花: うん!あとは…



2人は映画の感想を言いつつ、映画館を出た。



蓮花: 次、どこ行くの?


守里: そうだな~



時間はお昼過ぎ。

できれば、ゴルマから家に帰る方向で、どこか寄れるところ…

でも、ゴルマと家の間って言ったら、オフィス街ぐらいしかないし…


う~ん…


オフィス街…

そういえば、最近もオフィス街についての話を…


守里は最近、誰かと話したことを思い出していく。


…あ、見回りか。

最初の夏休みの見回りの時に、オフィス街の手前を歩いてたんだ。

あの時は…


はっ…


頭の中に、タバコを吸う超強そうな女ヤンキーの姿が映し出される。


駄菓子屋!



守里: 蓮花ってさ、駄菓子好き?


蓮花: 駄菓子?大好きだよ!


守里: じゃあさ、駄菓子屋さん行かない?


蓮花: え?行く!!!



一段と目を輝かせ、蓮花が答える。



守里: 笑、分かった。




そうして、守里と蓮花はゴールデンマーケットを後にした。




to be continued
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