ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第6章 修学旅行編

第179話「いや名前ぐらい聞きなさい」

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昼休み


一学期の頃は、ほぼ毎日、仲良しグループが集まって、中庭で昼食を食べていたのだが、二学期からは、曜日によって集まる人が変わるようになっていた。

守里と飛香、桜はずっといるものの、他の面々は委員会の仕事や、他の友人との予定等で集まれない日がある。

さらに、祐希や梅澤、珠美、新里、そして陽芽叶が、時々来るようにもなった。


そして、今日、中庭に集まっているのは、守里、美月、春時、飛香、梅澤、桜、柿谷、菊山であった。




中庭



桜: 結局、今日の一限と二限は、予想通り、修学旅行の話だったの?お兄ちゃん。


守里: うん。そうだった。


柿谷: 修学旅行ですか。良いな~


菊山: どこに行くことになったんです?


守里: 奈良と京都。


柿谷: 定番ですね笑


美月: もう、今から楽しみで仕方ないよ!


飛香: …


春時: 飛香はテンション低すぎ笑


梅澤: モグモグ……笑、2人のテンションの差で、自由行動の班分けが、どうなったのか分かった。


菊山: 修学旅行に、自由行動はお決まりですよね~それで、どうなったんです?


守里: 班?


菊山: はい!


守里: 意外といつメンが固まって、僕、春時、美月、祐希、陽芽叶さんが同じ班。あと、飛香と日向子が同じ。


桜: 本当に固まってる笑


菊山: 運命の力ですよ、絶対。


柿谷: なるほど、それで笑


飛香: はぁ…


梅澤: 笑


守里: それに、あともう1人も仲良い人だから、班のメンバーで言えば、ものすごく安心。


美月: だよね!笑


春時: その反面、飛香は大変だな笑。日向子はいるわ、日向子のノリに全力でついて行く澪奈に、自由人のみなみがいるんだから。


飛香: ほんとよ。まとめるのが大変そうで、今から不安でしかない。


守里: 笑、あと2人の男子と協力して頑張って。


春時: そうそう。あの2人は良いヤツらだからよ。


飛香: …は~い。


桜: 梅澤先輩の班はどうなんですか?


梅澤: 私のか?私のとこの班は……よく分からん。


美月: まさか、香蓮。サボった?


菊山: え?!教室にさえ、いなかったんですか?!


梅澤: は?


美月: 全く…困ったもんだな笑


梅澤: んなわけねぇだろ。いたよ教室にも、班決めの瞬間にも。


柿谷: じゃあなんで、よく分かんないんですか?


梅澤: だって、同じ班のヤツらの名前、分かんねぇし。


守里: ?!!


春時: マジかよ…


飛香: え…


柿谷: ほんとですか?!


菊山: さ、さすが、梅澤先輩…


桜: ある意味、すご…


美月: ちょっと、香蓮~


梅澤: だってしょうがないだろ。向こうも特に話しかけてこないし、私にとっても必要じゃねぇし。


春時: まだそんな感じか…


守里: 修学旅行で一緒に行動するんだから、必須でしょ。同じ班の人の名前は。


梅澤: …どうせ1人で行動するし。


美月: んもう!同じクラスの子とも仲良くしないと、ダメでしょ!


梅澤: …はぁ……これから頑張るよ。


美月: よし!なら今すぐにでも、同じ班の子のところに行って、挨拶のやり直しと名前を聞きに行こ!私も一緒に行くから!


梅澤: あ、え、マジ?


美月: 当たり前でしょ!親友なんだし!


梅澤: …チッ///じゃあ、早く食べるぞ。


美月: もちろん!



そうして、2人は急いで昼食を食べ始めた。



守里: 笑


春時: 相変わらず、仲良いなボソッ笑


飛香: 梅が照れるのは、見てて面白いボソッ笑


桜: ちょっと飛香先輩。言ったらダメですってボソッ笑


菊山: これもまた、さすが美月先輩だねボソッ


柿谷: 美月先輩、カッコいいボソッ



美月と梅澤の耳に入らないよう、コソコソっと話す守里達。



飛香: っていうかさ、今から同じ班の人に挨拶しに行くって言ってるけど…


美月: うん。モグモグ


梅澤: モグモグ


飛香: 誰が同じ班の人か、分かるの?


美月: はっ!!…か、香蓮?


梅澤: ………おそらく。


守里: いや、その間は絶対に分かってないでしょ笑。まぁ、6組の人に聞けば、ある程度分かるだろうけど、香蓮が覚えてる人はいないの?特徴とか。


梅澤: 特徴……あ、1人だけ私に話しかけてきたヤツはいた。


菊山: 物好きもいたもんですね。


柿谷: ちょっと、さぁちゃん。


梅澤: …


菊山: ち、違います!梅澤先輩に話しかけるような物好きって意味じゃないですよ!決して!!本当に!!


梅澤: 笑、そんな焦んな。私も、その時は少し驚いたし。


美月: まぁそうだよね笑。香蓮は圧を放ってるから。あ、良い意味での圧だよ。


桜: 良い意味での圧……笑、確かに。


梅澤: この前、お前らんとこの妹にも、同じこと言われたぞ。


桜: え?蓮花にですか?


梅澤: あぁ。


美月: 香蓮の家に、守里と蓮花がお邪魔した時か。


梅澤: そうそう。


飛香: その良い意味での圧は分かったから、それで、その話しかけてきたヤツって?


梅澤: 班で自由行動の予定を決めてる時、私は寝てたんだが…


春時: いや、寝てたのかよ。


美月: 祐希でも起きてたのに。


梅澤: だって、興味なかったし。


飛香: それで寝てたら?


梅澤: 寝てたら、隣に座ってた男が話しかけてきたんだ。


柿谷: なんて話しかけてきたんですか?


梅澤: 梅刺奴欺さんですよねって。


美月: へぇ~


梅澤: …


飛香: ん?それだけ?


梅澤: おう。私が返事したら、そうなんだって言って、他のヤツらと話し始めた。


春時: ファンかなんかかな笑


柿谷: その話しかけてきた人も、なかなか変な人ですね笑


守里: 本人確認をしたかっただけなのか…


美月: その人のことで、他に覚えてることはないの?


梅澤: う~ん……話を進めるのが上手かった…かも。


飛香: 寝てたんじゃないの?


梅澤: あんなうるさい環境で、ちゃんと寝れるかっての。耳に入ってきてたのを、たまたま思い出しただけだ。


柿谷: なるほど。


春時: 話を進めるのが上手いって、なんでそう思ったんだ?


梅澤: 予定もスムーズに決まっていったみたいだったし、他のヤツらも全員、ソイツが最終的に言ったことには、賛成してたみたいだったから。


菊山: そう聞くと、梅澤先輩がそう思ったのも分かります。


梅澤: だろ?


美月: 誰なんだろう、気になるな~


飛香: 6組か…私は分かんない。


春時: だろうな笑


柿谷: 飛香先輩は、友達少ないですもんね笑


飛香: あぁん?


守里: まぁまぁ笑


桜: 話を進めるのが上手い……会議の議長向きだ。さくには無理。


美月: 確かに、桜には厳しいかも笑、声小さいし。


春時: え、そこか?笑


守里: …議長ね。



2年6組で、男。


圧を放ってる香蓮に話しかけるぐらいの胆力に、梅刺奴欺っていう異名を知っていた。

いや、香蓮がその異名の持ち主だって分かってたわけだからな…


それに、話を進めるのが上手い……議長…


議長?



守里: あ。


春時: どうした?守里。


美月: 誰か、心当たりでもいるの?


守里: うん。さっきの桜の言葉で分かったかも笑


桜: え?さくの?


菊山: なんだろう…


柿谷: 議長…ですか?


飛香: 議長……あぁ、なるほど笑


美月: …そうだ!6組じゃん!


春時: 俺は…分からん。


梅澤: で、誰なんだ?


守里: 生徒会議長の灰崎君だよ。灰崎謙心君。


梅澤: 生徒会議長?


春時: あぁ~あの、体育祭で司会進行をやってたアイツか。


守里: そうそう。話を聞いた限りだと、僕は灰崎君だと思った。


柿谷: 生徒会の人ですか。それだったら、梅澤先輩に臆せず話しかけられたのにも納得です。


菊山: ですね!


梅澤: へぇ~そうなのか。


春時: 笑(どういう反応。)


飛香: 笑、よし、2人とも食べ終わったみたいだし、6組に確認しに行ってみてよ。


美月: 分かった笑。行こ、香蓮。


梅澤: おう。


春時: ちゃんと、全員の名前を覚えるんだぞ笑


柿谷: 目を見て話すんですよ!


飛香: 仲良くね笑


美月: 私がついてるんだから、安心して笑


桜: 頑張ってください。


菊山: ファイトです!


守里: いってらっしゃい。


梅澤: …笑、あぁ。



こうして、一足先に昼食を食べ終わった美月と梅澤は、梅澤の班のメンバーを確認し、挨拶をするために、6組へと向かった。


その結果、見事、守里の予想は的中しており、梅澤の班には灰崎と、他に男子が2人と女子2人がいた。

そして、梅澤は、灰崎とはタイミングが合わなかったものの、他のメンバーとは、美月と共に挨拶をし回ったことで、それ以降、少しだけ話せるようになったらしい。




to be continued


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