ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第6章 修学旅行編

第189話「何気に修学旅行で一番楽しい時間」

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食事処で、夕食を食べ終わった守里達は、順番にお風呂にも入り終わり、自分達の部屋に戻って、あとは寝るだけの状態になっていた。



春時: 消灯時刻って何時だっけ?


灰崎: 23時だよ。


春時: あと2時間半ってとこか。


守里: お風呂の順番が早かったからね。


3班男子1: 暇だ。


3班男子2: トランプとか、その他諸々のカードゲームは持ってきてるけど…



と言いながら、カバンの中から、どんどんカードゲームを出していく。



春時: 用意周到だな笑


守里: へぇ~こんなに。


3班男子1: あ、俺、これやってみたかったんだよ。


守里: なにそれ?


3班男子1: 知らない?


守里: うん。


春時: カードに書かれた変なキャラクターに名前をつけていくやつだろ?


3班男子1: そうそう。灰崎は知ってる?


灰崎: う~ん、やったことはないけど、聞いたことはあるかも。


3班男子2: じゃあ、まずは、これをやろうか。


3班男子1: おう!みんなやるだろ?


春時: やる!


灰崎: 僕もやるよ。


春時: 守里は?


守里: うん、僕も…



プルルルル



3班男子1: 誰の携帯だ?


春時: 守里のじゃない?


守里: ほんとだ、誰だろう………あ、忘れてた。


春時: 何を?


守里: 家族とテレビ電話の約束をしてたんだった。


春時: あぁ。それはやんないと、後々が怖そうだ笑


3班男子1: なんというか守里って、家族愛が強いんだな。


守里: まぁ、家族のことは大好きなんだけど、今回の場合は、電話に出ないと、向こうが拗ねちゃうか、下手したら泣いちゃいそうだから。


3班男子1: え、そんなに?


3班男子2: 向こうって、親とか?


守里: いや、姉と妹達。


3班男子1: 守里の妹となると、よく昼に一緒にいる1年のあの子達の誰か?


守里: そうだよって、よく見てるね。


3班男子1: だって、一時期、2年男子の中でトレンドだったもん笑


守里: どういうこと?


3班男子1: ただでさえ、女子に囲まれてる守里が、とうとう後輩の女子にまで囲まれ始めたぞ!ってな。


守里: 囲まれ始めたって…


春時: そういう表現になるのか……ってか、早く電話に出ないと、マズイんじゃないか?笑


守里: あ!確かに……ちょっと外…いや、あっち側に行くね。


3班男子1: おう。こっちはゲームを始めとく。


守里: うん。



そうして守里は、携帯とイヤホンを持って、広縁に出て、テレビ電話を始めた。



3班男子1: じゃあ、やるか。


3班男子2: うん。カードたぐっとく。


春時: よろしく。


灰崎: それにしても、今さっきの噂?森崎君が、女子に囲まれてるって話。


3班男子1: それがどうした?


灰崎: その、森崎君が悪いような感じではないんだなって思って。いや、男子と複数の女子が一緒にワイワイしてたら、大体の場合、男の方が悪いような感じで、噂が流れるじゃん。


3班男子2: あ~確かにそうかもね。でも、守里の場合は、小学校の頃からそうだったみたいだし、一緒にいるのも幼なじみってことで、あんまりそういう噂にはならないんだよね。


3班男子1: もちろん、そのことを知らないヤツは、最初は守里のことを羨んで、下手したら嫌うんだが、守里が優しくて良いやつだってことも、学年中に広まってるからよ。それに、超ハイスペックだし。ほぼ全員が、もうそういうもんだって納得するんだよな。そして、守里と1回でも話したら尚のことそうなる。


灰崎: つまり、森崎君のスペックと性格の良さに、男子も惚れ込んじゃうってわけね笑


3班男子1: ま、そんな感じ笑


3班男子2: 心の中に秘めてる人はいるかもだけど、今更、口に出して言う人はいないでしょ。それに言っても、ねぇ笑


春時: 幼なじみだし、家族だし、友達だし、で片付けられるだろうな笑


3班男子1: ってことで、守里のことを悪く言うヤツは、滅多にいないってことだ。


灰崎: なるほどね~


3班男子2: よし、OK。じゃんけんしよ。


春時: 最初はグー、じゃんけん、ポン!


3班男子1: …灰崎の一人勝ちか笑


灰崎: 笑、ラッキー。


3班男子2: 灰崎君から、時計回りで良い?


春時: うん。


3班男子1: 俺が最後かよ。


3班男子2: 上から1枚めくって場に出して、カードに書かれてたのが、新しいキャラだったら、ソイツに名前をつけて、既出のキャラだったら、ソイツの名前を言って、1番早く言えた人が、場に出されたカードの総取り。


灰崎: 分かった。じゃあ、出すよ。


春時: うん。


灰崎: ……笑、なんか見覚えがあるな。



場に出されたカードを見た灰崎が、そう呟く。



春時: 同じようなキャラクターを?


灰崎: うん。この丸い頭から、足だけが生えてる感じ……副会長がよく書いてるキャラクターに似てるんだよ。


春時: あ、どいやさんだっけか?


灰崎: そうそう。


3班男子1: え、副会長って、生徒会の副会長のことで良いんだよな?


灰崎: そうだよ。


3班男子1: へぇ~


3班男子2: こんな奇妙なキャラクターを書くんだ笑


灰崎: これは、あとから森崎君にも見せよう笑


春時: で、どうする?名前は。


灰崎: そうだな~ここは、副会長で行こう。


春時: え、マジ?笑


灰崎: なんなら、神田七星でも良いけど笑


春時: いやいや笑


灰崎: ってことで、副会長で笑


3班男子1: お、おう…(良いのかよ…)


春時: 次は俺か。



こんな感じで、春時達は、楽しくカードゲームを始めた。




30分後…



3班男子1: 次は大富豪やろうぜ。


3班男子2: 良いね。


灰崎: トランプはっと……次は僕がシャッフルするよ。


春時: おう。(守里はもう少しかかるだろうな笑。さくちゃんとか蓮花ちゃんの、守里への大好き具合を考えれば。)



と、守里が家族とのテレビ電話を楽しんでる?間に、春時達がゲームをして遊んでいると…


ブーブー


再び、誰かの携帯が鳴った。



春時: また電話か?


3班男子1: 俺のじゃねぇぞ。


3班男子2: 僕も。ほら、鳴ってない。


灰崎: 僕も違うよ。


春時: 俺のも違うってことは…守里か?でも今、テレビ電話してるんじゃ…



電話の鳴り所を探すと、やはり守里のカバンの中であった。



春時: どういうことだ?


灰崎: 2台持ちなんじゃない?


3班男子1: あ、そういうこと。


3班男子2: でも、2台持ちって珍しくない?


灰崎: 社会人になれば、そこまで珍しくはないだろうけど、学生だと珍しいかもね。


春時: あぁ……と、とにかく、守里のとこに持ってかないとだよな。



少し戸惑いつつも、春時は、守里のカバンから、音の鳴っている携帯を取り出し、守里がいる所へ。



春時: 守里~


守里: ん?春時?ちょっと待ってて…うん、春時が来た……話したい?


春時: これ、携帯鳴ってる。


守里: っ!!わ、分かった…えっと、春時、話す?


春時: え?


守里: 結真姉さんが話したいって言ってるからさ。


春時: ま、まぁ良いけど…


守里: じゃ、よろしく。僕は外で電話してくる。


春時: うん…



イヤホンを春時に渡した守里は、春時から受け取った携帯を持ち、部屋の中の灰崎達に一言伝えてから、部屋を出た。



春時: …まぁ、とりあえず話すか。



守里の後ろ姿を眺めながら、春時はイヤホンをつけ、結真達とテレビ電話を始める。



春時 T: こんばんは。


結真 T: 笑、こんばんは、春時君。ごめんね、急に。


春時 T: いえ笑。それで、どうしたんですか?


結真 T: いや、春時君は修学旅行を楽しんでるかな?って思って。


春時 T: そういうことなら、めちゃくちゃ楽しんでますよ笑


結真 T: それは良かった。


春時 T: 笑、何か俺に聞きたいことがあるんでしょ?守里には聞けない…いや、守里じゃ話せないことを。


結真 T: さすが春時君ね笑。うん、そうだよ。守里と美月がどんな感じか、聞きたいのよね。あと、その辺のライバル関係というか、春時君から見て、どんな風になってるのかをさ。


春時 T: それは、守里じゃ話せないですね笑。了解です。俺の推測の話で良ければ、話します。


結真 T: 頼んだ笑


春時 T: ところで、さくちゃんと蓮花ちゃんは?


結真 T: あぁ、桜はお風呂に行って、蓮花は…


蓮花 T: zzzz



結真が携帯を動かしたのか、画面に蓮花の寝顔が映る。



春時 T: 守里との電話中に寝ちゃったんですね笑


結真 T: うん笑。話し始めは、すごいハイテンションだったんだけど、段々と眠くなってきちゃったみたいで。


春時 T: そういう事ですか笑。じゃあ…



そうして、春時は主に、修学旅行中の美月の様子についてを、結真に話し始めた。


◇◇◇


ブーブー


もう少し待ってくださいね…


人のいないところ…っと、良い場所発見。

ここでならいける。


ピ



守里 T: もしもし、すみません、出るのが遅くなって。


森田 T: いえ、こちらこそ突然、電話をかけてしまい、すみませんでした。


守里 T: 大丈夫ですよ笑。それで、何かありましたか?


森田 T: 何かあったというか、そうですね……坊ちゃんは、今、旅館の外に出ることってできます?


守里 T: 外にですか……まぁ、できないことはないかもですが…


森田 T: 無理はしなくても……いや…う~ん…


守里 T: どうしたんですか?


森田 T: それが、私の上司にあたる人が、坊ちゃんに会いたいということで、旅館の近くまで来ていて。


守里 T: 森田さんの上司が……それで、森田さんは唸ってるんですね笑


森田 T: はい笑


守里 T: 分かりました。上手いことやって、旅館の外に出ます。


森田 T: ありがとうございます。


守里 T: その上司の方って、旅館の入口の近くにいるんですか?


森田 T: いや、旅館から出て、右側にちょっと進んだところの、うどん屋さんにいると思います。


守里 T: うどん屋さん…


森田 T: お腹空いてたみたいで、すみません。


守里 T: いえ笑。それにしても、僕に会いたいというのは?


森田 T: どうやら、情報部の統括…坊ちゃんのお母様に、挨拶しときなさいと言われたらしく。


守里 T: お義母さんに…ということは、情報部の団員……それに、森田さんの…1級団員の上司ってことは……特級団員ですか?


森田 T: 正解です笑


守里 T: …なんか緊張します。


森田 T: そうですか笑。まぁ、実際に会ってみたら…確実に驚くでしょうけど、面白い人ではあるので。


守里 T: 分かりました。じゃあ、会ってきますね。


森田 T: はい。失礼します。



ピ



守里: 情報部の特級団員か…



森田さんは、会ったら絶対に驚くって言ってたけど、どういう人なんだろうな…

うどん屋さんで晩ご飯を食べてるわけだから、うどん好き?


う~ん…って、そういえば、その団員さんの名前聞くの忘れた。

まぁ、行って会ってみるか。


ということで、守里は一旦、部屋へと戻るのだった。




to be continued
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