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第7章 文化祭編
第238話「愛してるゲーム」
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1組教室
しばらくして、川嶋から料理を受け取った守里は、再び、この学校のトップ3である七月櫻のいるテーブルへ。
守里: お待たせいたしました。
若月: ありがとう。
七星: うわ、美味そうやな~
櫻宮: ね笑
守里: それでは、オムライスにはケチャップで文字を書かせていただきます。何か、リクエストはございますか?
櫻宮: お、これが例の笑
七星: う~ん、おつかれさま、でよろしく。
櫻宮: え~どうせなら、好きだよ系にしなよ!
七星: そんなん言うんやったら、自分で頼めば良かったやん。
若月: そうだね。これはなぁちゃんの好きにさせよう。
櫻宮: …は~い。
守里: おつかれさまですね。では、お・つ・か・れ・さ・ま。
七星: おぉ、綺麗に書けたな。
櫻宮: ねぇ、頼めばあ~んしてくれるって、サービスも執事にはあったよね?
守里: はい、ございます。
櫻宮: だったら、それもやってもらおう!
若月: やるとして、誰がやってもらうつもりだ?
櫻宮: そりゃもちろん…ジー
七星: え、なな?
櫻宮: だって、後輩からあ~んされるとか、ちょっとさ笑
若月: ってことなら、私も同じくだ。
七星: ななも守里は後輩なんやけど。
櫻宮: ただの後輩じゃないでしょ笑。ってことで、守里、よろしく!
七星: はぁ……若も敵に回ったみたいやし、しょうがないな。守里、お願い。
守里: …かしこまりました。それでは、失礼します。
スプーンを手に取り、オムライスをすくい上げる。
七星: 口開けといたら、ええか?
守里: はい。
七星: あ~
守里: …
一瞬、動きを止める守里。
七星: 何やってんねん、ほら、あ~
守里: …どうぞ。
七星: パクッ…モグモグ…ほぉ、見た目通り美味い!
若月: そうか笑
櫻宮: へぇ~味の感想は分かったけど、あ~んしてもらった感想は?笑
七星: 何ニヤついてんねん。昔ようやっとったから、今更どうと思うことないわ。な、守里。
守里: …はい。では、失礼し…
櫻宮: あ!待って待って。ゲームも今やる!
守里: …
何も言わず、すぐに若月の方を見る。
若月: うん。やるよ。
守里: かしこまりました。それでは、少々お待ちください。
そう言って、守里はボックスを取りに、テーブルを離れた。
一方、教室の外には…
東野: 守里君が、副会長にあ~んしてるよ笑
美月: フンヌ!!
梅澤: 待て待て、突入しようとするな。相手は会長達だぞ。
美月: 香蓮止めないで!先輩達の魔の手から、守里を救わないと!!
1組の教室に飛び込もうとする美月と、それを呆れた顔で止める梅澤、笑いながらその様子を見ている東野がいた。
梅澤: いや、魔の手って、ただお客さんとしてのサービスを受けているだけだろ。
美月: そ、それでも守里のあ~んを!
梅澤: んなこと言ったら、これまでに守里を担当に選んだお客さん全員に言えることだろうが。
美月: 違う!なんというか、七星先輩はまた別なの!
東野: (なんか、飛香も前に同じようなことを言ってたような…)
美月: は~な~し~て~
東野: お、そのままゲームをするみたい。
美月: ゲーム……はっ…まさか、あのゲームにはならないよね。アレは、私が守里と初めてやるはずなのに…
梅澤: …お前さ、それがフラグだって分かってないのかよ。
美月: え?
守里: では、この箱の中からカードを一枚引いてください。
櫻宮: じゃんけんで決めよっか。
若月: うん。最初はグー、じゃんけん、ポイ。
七星: あ、負けた。
櫻宮: いや~ほんと、なぁちゃんと守里は、目に見えない繋がりが強いね笑
若月: これぞ、幼なじみの力だ笑
七星: また、ななか……
ガサゴソ
櫻宮: これってさ、どんなのが入ってるの?
守里: 色々です。
七星: よし、これや!…えーっと……笑、愛してるゲームやって。
守里: っ!!
若月: ほぉ~笑
櫻宮: 愛してるゲームとは、中々攻めたヤツが入ってるね~
その3人の会話から、あの人の大きい声を経由しかけつつ、その話がどんどん広がって行く。
日向子: え、愛してムグッ
メイド: シッ
「え、愛してるゲーム?」
「副会長が愛してるゲームをやるの?」
「そんなのあるんだ~」
「俺も、愛してるゲームやりたい!」
梅澤: あ、ほら。
東野: あらら…
ゴゴゴゴゴゴゴ
美月: …わたしが…やるはず…だったのに……
梅澤: (なんちゅうオーラを放ってんだ……嫉妬って怖ぇな。)
その話は留まることを知らず、2組の教室にまで…
「なんか、この1000円以上注文したら挑戦できるゲーム、今、1組の方で愛してるゲームが出たらしいぞ。」
「ってことは、こっちの箱にも、それが…」
「あ、飛香ちゃんと愛してるゲームを……よし、追加注文を…」
「陽芽叶ちゃんを呼ぼう。引けなかったら再入店だ。」
「よし、何がなんでも愛してるゲームを引くよ。璃勇君とやらなきゃ!」
そして、この2人にも…
飛香: …七星先輩と守里が愛してるゲーム…
陽芽叶: ふ~ん。
飛香: 見てくる。
陽芽叶: 早めに帰ってくるんだよ。
飛香: うん。
陽芽叶: (ま、仕事だから、これで嫉妬なんかしてたら、私は体が持たないかな笑)
美月: 離しな、香蓮。
梅澤: 今のお前を放ったら、とんでもない事になりそうだから、やめとく。ってか落ち着け、深呼吸だ。
美月: スゥーハァースゥーハァー…うん、無理。
梅澤: 諦めが早いよ。
飛香: …
東野: 飛香も来ちゃったか。
飛香: 守里は?
東野: そこ。
飛香: …
美月: は~な~せ~
そんな視線を受けているとも知らず、七星と守里は…
守里: じゃあ、いきます。
七星: うん、かかってこい!笑
櫻宮: どっちが勝つと思う?
若月: う~ん、普段から激しいアタックを受け慣れている守里優勢かな。
櫻宮: なるほど、私は…なぁちゃんだね。
守里: 愛してます。
七星: 愛してる。
守里: お嬢様、愛してますよ。
櫻宮: ズルいぞ~笑、一旦、執事設定は無くしなさい。
若月: おいおい笑
七星: 守里、愛しとんで。
守里: …七星さん、愛してます。
櫻宮: 2人の時は、何て呼んでるっけ?笑
七星: 守里、愛してる。
守里: ……なぁちゃん、愛して…ます。
若月: おっとボソッ
七星: 守里、愛してるよ。
守里: ……///
櫻宮: はい!照れた!!守里が照れた!
ペシッ
若月: 子供かって。
櫻宮: 痛いよ~若~
七星: 笑、ななの勝ちやな。
守里: …ですね。こちらが景品のクーポン券になります。使い方の説明は大丈夫ですよね。それでは、失礼します。
すぐに守里はテーブルから離れた。
七星: なんや、もうちょっと話しても良かったやん。
若月: まぁまぁ、他に仕事があるんだって。
櫻宮: いや~守里のあんな顔が見れるとは笑
若月: 麗華、ちょっとやり過ぎ。
櫻宮: そう?
若月: うん。麗華が口出して、盛り上げたせいで……ほら。
廊下の方を指す。
櫻宮: え?…あ笑
バチバチ…バチバチ…
美月: いくら先輩とはいえ……ユルサナイ…
梅澤: 許さないって、別に美月が許さなかったからって何も起きないだろ。それに、もう終わったんだから、今更、突撃したところで意味がないって。
東野: 笑、もう嫉妬の塊ね。争奪戦の参加者の中では、美月が1番嫉妬が強いみたいだ。で、それに対して飛香は…
飛香: …
真顔で…いや、どこか悲しげな表情で、待機場所に戻った守里を見ていた。
飛香: (やっぱり、そうなんじゃん……守里。)
東野: …
美月: ぐおぉぉおお!!
梅澤: 吠えるなよ。
と、1組の教室の前で美月が騒いでいると…
??1: なんや楽しそうやな笑
??2: ちょっと美月、何してるの?
美月: 教室に突撃しようとしてるの!…って…
梅澤: はっ!!!
??3: 久しぶり、梅ちゃん。
美月: お姉ちゃん?!
結真: お店の前で騒がないの。目立ってるよ。
美月: でも…
??1: おぉ、この子が美月ちゃんか。ホントびっくりよな~私は、ななみんと同じぐらい、結真と一緒におるのに、ななみんとは違って、結真の家族とは会ったことないやなんて。
結真: 笑、たまたま機会が無かったんだよ。
奈々未: この様子だと、梅ちゃんも大変ね笑
梅澤: た、橘さんに、白城さん…ってことは…
もう1人の関西弁の女性を見る。
??1: 君、大っきいな~美人さんやし。
奈々未: そうだよ。羽村小百合。
小百合: やっほ~羽村小百合やで!みんな、よろしく!
東野: ねぇ、飛香。あの3人って…
飛香: …ん、あぁ、あの一番白くて綺麗系の人が美月の姉の白城結真さんで、クールビューティーって感じの人が、守里のバイトの先輩の橘奈々未さん。あと、一番背が高くて関西弁の人が、おそらく御三家のもう1人の羽村小百合さんだね。
東野: え、あの有名な?
飛香: うん。よし、私は教室に戻るよ。ありがと、見逃してくれて。
東野: 笑、いいえ。なにか悩みがあるなら、ちゃんと相談してよ。私は飛香の味方なんだから。
飛香: …分かった。
結真: あれ、飛香ちゃん?
梅澤: (まだ私はこの空間には、いれない!)し、失礼します!!美月、仕事に戻るよ!!
美月: え~!!
梅澤: おそらく若月さんは、私達に気づいてるだろうから、いつまでここにいるのはマズいって。
美月: 確かに……お姉ちゃん、また後で。
結真: うん笑、またね。
小百合: え~もうちょっと話そうや~
奈々未: まぁまぁ、明後日も来るんだから、その時に話せるって。
そうして、1組教室前の廊下には、その他の人物を除き、東野と御三家だけが残った。
東野: (この人達が御三家なんだ。やっぱオーラあるな。)
結真: じゃ、早く入ろう。誰かさんのせいで、文化祭終了の時間も迫ってることだし。
小百合: もしかしてそれ、私のこと言ってる?
結真: 笑、それ以外ないでしょ。
3人は、文化祭も終わりかけということで、短くなった列に並び…
執事(受付): いらっしゃいませ。担当の執事もしくはメイドをお選びください。
小百合: 誰にすんの?
結真: 日向子ちゃんも良いけど、ここは…
奈々未: 守里君だね。ちゃんとジャッジしないと笑
結真: カフェのバイトの先輩として?笑。でも、ここでの守里は、カフェの店員じゃなくて執事だよ?
奈々未: それでも接客の仕方は見れるじゃない。
結真: なるほど。守里には事前に言ってるの?
奈々未: この前のバイトの時に言ったよ。ジャッジしに行くねって。
小百合: 私も、結真の弟君と直接話してみたいわ~
結真: なら、決定だね。森崎守里でお願いします。
執事(受付): かしこまりました。少々お待ちください。(この人が噂の守里と白城さんのお姉さんで、こっちの人が、守里がたまに話してる悪魔のようなバイトの先輩か…綺麗な人じゃん。)
守里: お帰りなさいませ、お嬢様方。
すぐに守里が受付にやってくる。
結真: これはカッコいいね。
奈々未: 笑、バイトの時もこうしてもらおうかな。
小百合: へぇ~君があの時、電話越しで話した守里君か!
奈々未: あ、言ってた通り、ジャッジするから笑
守里: っ!!…笑、かしこまりました。では、お荷物をお持ちいたします。
執事(受付): B席です。
守里: コクン…お席にご案内します、お嬢様方。
奈々未の一言で、気合いを入れ直した守里は、いつもの感じで接客を再開するのだった。
ちなみに…
櫻宮: モグモグ
小百合: あれ?!そこにおるんは!
若月: あ、ちょっと、麗華。
櫻宮: ん?あ。
七星: お久しぶりですね~皆さん。
結真: おぉ、偶然。みんなもここに来てたの?
櫻宮: はい、ちょっと時間が取れたんです。白城先輩は少し前にお会いしましたけど、橘先輩と羽村先輩は本当にお久しぶりです笑
奈々未: 一応、体育祭の時に、こっちは見てるんだけどね笑。って知ってるか。
若月: はい、守里に聞いてました。笑、今回の文化祭も来ていただき、ありがとうございます。
小百合: 何言ってんねん。母校の文化祭ぐらい普通に来るもんやから、お礼なんか言わんでええわ笑
結真: うんうん笑
櫻宮: 白城先輩はご家族の、橘先輩はバイトの後輩達の、羽村先輩は弟さんの様子を見に来たんですか?
結真: ま、そんな感じ。
小百合: なぁ、なぁちゃん。そのオムライス美味しい?
七星: はい、美味しいですよ笑
若月: ところで……うちの部下がそちらのお店で、よくお世話になっているようで笑
奈々未: 笑、良いのよ。こっちとしてはお店の売上が伸びるだけだから。
という、今では滅多に見れない組み合わせでの会話が、守里の目の前で行われたそうだ。
その後、御三家をお店から送り出して、少しした後に文化祭が終了し、守里達は片付けと反省会をして解散となった。
守里は元気過ぎる日向子を落ち着かせ、拗ねている美月をケアしつつ帰宅し、自分のベッドに入った瞬間に眠りにつく。
こうして、文化祭の初日が終わった。
to be continued
しばらくして、川嶋から料理を受け取った守里は、再び、この学校のトップ3である七月櫻のいるテーブルへ。
守里: お待たせいたしました。
若月: ありがとう。
七星: うわ、美味そうやな~
櫻宮: ね笑
守里: それでは、オムライスにはケチャップで文字を書かせていただきます。何か、リクエストはございますか?
櫻宮: お、これが例の笑
七星: う~ん、おつかれさま、でよろしく。
櫻宮: え~どうせなら、好きだよ系にしなよ!
七星: そんなん言うんやったら、自分で頼めば良かったやん。
若月: そうだね。これはなぁちゃんの好きにさせよう。
櫻宮: …は~い。
守里: おつかれさまですね。では、お・つ・か・れ・さ・ま。
七星: おぉ、綺麗に書けたな。
櫻宮: ねぇ、頼めばあ~んしてくれるって、サービスも執事にはあったよね?
守里: はい、ございます。
櫻宮: だったら、それもやってもらおう!
若月: やるとして、誰がやってもらうつもりだ?
櫻宮: そりゃもちろん…ジー
七星: え、なな?
櫻宮: だって、後輩からあ~んされるとか、ちょっとさ笑
若月: ってことなら、私も同じくだ。
七星: ななも守里は後輩なんやけど。
櫻宮: ただの後輩じゃないでしょ笑。ってことで、守里、よろしく!
七星: はぁ……若も敵に回ったみたいやし、しょうがないな。守里、お願い。
守里: …かしこまりました。それでは、失礼します。
スプーンを手に取り、オムライスをすくい上げる。
七星: 口開けといたら、ええか?
守里: はい。
七星: あ~
守里: …
一瞬、動きを止める守里。
七星: 何やってんねん、ほら、あ~
守里: …どうぞ。
七星: パクッ…モグモグ…ほぉ、見た目通り美味い!
若月: そうか笑
櫻宮: へぇ~味の感想は分かったけど、あ~んしてもらった感想は?笑
七星: 何ニヤついてんねん。昔ようやっとったから、今更どうと思うことないわ。な、守里。
守里: …はい。では、失礼し…
櫻宮: あ!待って待って。ゲームも今やる!
守里: …
何も言わず、すぐに若月の方を見る。
若月: うん。やるよ。
守里: かしこまりました。それでは、少々お待ちください。
そう言って、守里はボックスを取りに、テーブルを離れた。
一方、教室の外には…
東野: 守里君が、副会長にあ~んしてるよ笑
美月: フンヌ!!
梅澤: 待て待て、突入しようとするな。相手は会長達だぞ。
美月: 香蓮止めないで!先輩達の魔の手から、守里を救わないと!!
1組の教室に飛び込もうとする美月と、それを呆れた顔で止める梅澤、笑いながらその様子を見ている東野がいた。
梅澤: いや、魔の手って、ただお客さんとしてのサービスを受けているだけだろ。
美月: そ、それでも守里のあ~んを!
梅澤: んなこと言ったら、これまでに守里を担当に選んだお客さん全員に言えることだろうが。
美月: 違う!なんというか、七星先輩はまた別なの!
東野: (なんか、飛香も前に同じようなことを言ってたような…)
美月: は~な~し~て~
東野: お、そのままゲームをするみたい。
美月: ゲーム……はっ…まさか、あのゲームにはならないよね。アレは、私が守里と初めてやるはずなのに…
梅澤: …お前さ、それがフラグだって分かってないのかよ。
美月: え?
守里: では、この箱の中からカードを一枚引いてください。
櫻宮: じゃんけんで決めよっか。
若月: うん。最初はグー、じゃんけん、ポイ。
七星: あ、負けた。
櫻宮: いや~ほんと、なぁちゃんと守里は、目に見えない繋がりが強いね笑
若月: これぞ、幼なじみの力だ笑
七星: また、ななか……
ガサゴソ
櫻宮: これってさ、どんなのが入ってるの?
守里: 色々です。
七星: よし、これや!…えーっと……笑、愛してるゲームやって。
守里: っ!!
若月: ほぉ~笑
櫻宮: 愛してるゲームとは、中々攻めたヤツが入ってるね~
その3人の会話から、あの人の大きい声を経由しかけつつ、その話がどんどん広がって行く。
日向子: え、愛してムグッ
メイド: シッ
「え、愛してるゲーム?」
「副会長が愛してるゲームをやるの?」
「そんなのあるんだ~」
「俺も、愛してるゲームやりたい!」
梅澤: あ、ほら。
東野: あらら…
ゴゴゴゴゴゴゴ
美月: …わたしが…やるはず…だったのに……
梅澤: (なんちゅうオーラを放ってんだ……嫉妬って怖ぇな。)
その話は留まることを知らず、2組の教室にまで…
「なんか、この1000円以上注文したら挑戦できるゲーム、今、1組の方で愛してるゲームが出たらしいぞ。」
「ってことは、こっちの箱にも、それが…」
「あ、飛香ちゃんと愛してるゲームを……よし、追加注文を…」
「陽芽叶ちゃんを呼ぼう。引けなかったら再入店だ。」
「よし、何がなんでも愛してるゲームを引くよ。璃勇君とやらなきゃ!」
そして、この2人にも…
飛香: …七星先輩と守里が愛してるゲーム…
陽芽叶: ふ~ん。
飛香: 見てくる。
陽芽叶: 早めに帰ってくるんだよ。
飛香: うん。
陽芽叶: (ま、仕事だから、これで嫉妬なんかしてたら、私は体が持たないかな笑)
美月: 離しな、香蓮。
梅澤: 今のお前を放ったら、とんでもない事になりそうだから、やめとく。ってか落ち着け、深呼吸だ。
美月: スゥーハァースゥーハァー…うん、無理。
梅澤: 諦めが早いよ。
飛香: …
東野: 飛香も来ちゃったか。
飛香: 守里は?
東野: そこ。
飛香: …
美月: は~な~せ~
そんな視線を受けているとも知らず、七星と守里は…
守里: じゃあ、いきます。
七星: うん、かかってこい!笑
櫻宮: どっちが勝つと思う?
若月: う~ん、普段から激しいアタックを受け慣れている守里優勢かな。
櫻宮: なるほど、私は…なぁちゃんだね。
守里: 愛してます。
七星: 愛してる。
守里: お嬢様、愛してますよ。
櫻宮: ズルいぞ~笑、一旦、執事設定は無くしなさい。
若月: おいおい笑
七星: 守里、愛しとんで。
守里: …七星さん、愛してます。
櫻宮: 2人の時は、何て呼んでるっけ?笑
七星: 守里、愛してる。
守里: ……なぁちゃん、愛して…ます。
若月: おっとボソッ
七星: 守里、愛してるよ。
守里: ……///
櫻宮: はい!照れた!!守里が照れた!
ペシッ
若月: 子供かって。
櫻宮: 痛いよ~若~
七星: 笑、ななの勝ちやな。
守里: …ですね。こちらが景品のクーポン券になります。使い方の説明は大丈夫ですよね。それでは、失礼します。
すぐに守里はテーブルから離れた。
七星: なんや、もうちょっと話しても良かったやん。
若月: まぁまぁ、他に仕事があるんだって。
櫻宮: いや~守里のあんな顔が見れるとは笑
若月: 麗華、ちょっとやり過ぎ。
櫻宮: そう?
若月: うん。麗華が口出して、盛り上げたせいで……ほら。
廊下の方を指す。
櫻宮: え?…あ笑
バチバチ…バチバチ…
美月: いくら先輩とはいえ……ユルサナイ…
梅澤: 許さないって、別に美月が許さなかったからって何も起きないだろ。それに、もう終わったんだから、今更、突撃したところで意味がないって。
東野: 笑、もう嫉妬の塊ね。争奪戦の参加者の中では、美月が1番嫉妬が強いみたいだ。で、それに対して飛香は…
飛香: …
真顔で…いや、どこか悲しげな表情で、待機場所に戻った守里を見ていた。
飛香: (やっぱり、そうなんじゃん……守里。)
東野: …
美月: ぐおぉぉおお!!
梅澤: 吠えるなよ。
と、1組の教室の前で美月が騒いでいると…
??1: なんや楽しそうやな笑
??2: ちょっと美月、何してるの?
美月: 教室に突撃しようとしてるの!…って…
梅澤: はっ!!!
??3: 久しぶり、梅ちゃん。
美月: お姉ちゃん?!
結真: お店の前で騒がないの。目立ってるよ。
美月: でも…
??1: おぉ、この子が美月ちゃんか。ホントびっくりよな~私は、ななみんと同じぐらい、結真と一緒におるのに、ななみんとは違って、結真の家族とは会ったことないやなんて。
結真: 笑、たまたま機会が無かったんだよ。
奈々未: この様子だと、梅ちゃんも大変ね笑
梅澤: た、橘さんに、白城さん…ってことは…
もう1人の関西弁の女性を見る。
??1: 君、大っきいな~美人さんやし。
奈々未: そうだよ。羽村小百合。
小百合: やっほ~羽村小百合やで!みんな、よろしく!
東野: ねぇ、飛香。あの3人って…
飛香: …ん、あぁ、あの一番白くて綺麗系の人が美月の姉の白城結真さんで、クールビューティーって感じの人が、守里のバイトの先輩の橘奈々未さん。あと、一番背が高くて関西弁の人が、おそらく御三家のもう1人の羽村小百合さんだね。
東野: え、あの有名な?
飛香: うん。よし、私は教室に戻るよ。ありがと、見逃してくれて。
東野: 笑、いいえ。なにか悩みがあるなら、ちゃんと相談してよ。私は飛香の味方なんだから。
飛香: …分かった。
結真: あれ、飛香ちゃん?
梅澤: (まだ私はこの空間には、いれない!)し、失礼します!!美月、仕事に戻るよ!!
美月: え~!!
梅澤: おそらく若月さんは、私達に気づいてるだろうから、いつまでここにいるのはマズいって。
美月: 確かに……お姉ちゃん、また後で。
結真: うん笑、またね。
小百合: え~もうちょっと話そうや~
奈々未: まぁまぁ、明後日も来るんだから、その時に話せるって。
そうして、1組教室前の廊下には、その他の人物を除き、東野と御三家だけが残った。
東野: (この人達が御三家なんだ。やっぱオーラあるな。)
結真: じゃ、早く入ろう。誰かさんのせいで、文化祭終了の時間も迫ってることだし。
小百合: もしかしてそれ、私のこと言ってる?
結真: 笑、それ以外ないでしょ。
3人は、文化祭も終わりかけということで、短くなった列に並び…
執事(受付): いらっしゃいませ。担当の執事もしくはメイドをお選びください。
小百合: 誰にすんの?
結真: 日向子ちゃんも良いけど、ここは…
奈々未: 守里君だね。ちゃんとジャッジしないと笑
結真: カフェのバイトの先輩として?笑。でも、ここでの守里は、カフェの店員じゃなくて執事だよ?
奈々未: それでも接客の仕方は見れるじゃない。
結真: なるほど。守里には事前に言ってるの?
奈々未: この前のバイトの時に言ったよ。ジャッジしに行くねって。
小百合: 私も、結真の弟君と直接話してみたいわ~
結真: なら、決定だね。森崎守里でお願いします。
執事(受付): かしこまりました。少々お待ちください。(この人が噂の守里と白城さんのお姉さんで、こっちの人が、守里がたまに話してる悪魔のようなバイトの先輩か…綺麗な人じゃん。)
守里: お帰りなさいませ、お嬢様方。
すぐに守里が受付にやってくる。
結真: これはカッコいいね。
奈々未: 笑、バイトの時もこうしてもらおうかな。
小百合: へぇ~君があの時、電話越しで話した守里君か!
奈々未: あ、言ってた通り、ジャッジするから笑
守里: っ!!…笑、かしこまりました。では、お荷物をお持ちいたします。
執事(受付): B席です。
守里: コクン…お席にご案内します、お嬢様方。
奈々未の一言で、気合いを入れ直した守里は、いつもの感じで接客を再開するのだった。
ちなみに…
櫻宮: モグモグ
小百合: あれ?!そこにおるんは!
若月: あ、ちょっと、麗華。
櫻宮: ん?あ。
七星: お久しぶりですね~皆さん。
結真: おぉ、偶然。みんなもここに来てたの?
櫻宮: はい、ちょっと時間が取れたんです。白城先輩は少し前にお会いしましたけど、橘先輩と羽村先輩は本当にお久しぶりです笑
奈々未: 一応、体育祭の時に、こっちは見てるんだけどね笑。って知ってるか。
若月: はい、守里に聞いてました。笑、今回の文化祭も来ていただき、ありがとうございます。
小百合: 何言ってんねん。母校の文化祭ぐらい普通に来るもんやから、お礼なんか言わんでええわ笑
結真: うんうん笑
櫻宮: 白城先輩はご家族の、橘先輩はバイトの後輩達の、羽村先輩は弟さんの様子を見に来たんですか?
結真: ま、そんな感じ。
小百合: なぁ、なぁちゃん。そのオムライス美味しい?
七星: はい、美味しいですよ笑
若月: ところで……うちの部下がそちらのお店で、よくお世話になっているようで笑
奈々未: 笑、良いのよ。こっちとしてはお店の売上が伸びるだけだから。
という、今では滅多に見れない組み合わせでの会話が、守里の目の前で行われたそうだ。
その後、御三家をお店から送り出して、少しした後に文化祭が終了し、守里達は片付けと反省会をして解散となった。
守里は元気過ぎる日向子を落ち着かせ、拗ねている美月をケアしつつ帰宅し、自分のベッドに入った瞬間に眠りにつく。
こうして、文化祭の初日が終わった。
to be continued
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