ただ守りたい…〜大事な人を守るには、金と権力と腕っ節…あと諦めない心が必要です〜

ドラると

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第7章 文化祭編

第240話「偶然の店長対談」

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午前も終わりに近くなった頃、無事、守里からのエールを受け取れて嬉しそうな紗耶と、それを見て満足気な菊山、守里からの頭なでなでによりエネルギー満タンになった珠美が、執事&メイド喫茶を後にした。

そんな3人と入れ替わるように、1組の教室の方に、ある人物達が偶然同じタイミングで、来店する。



??: 担当は…飛香ちゃんで。



執事(受付): かしこまりました。少々お待ちください。


??: は~い。


飛香: おかえりなさ……ゲッ


??: 笑、そんな表情しなくても良いじゃん!メイドの飛香ちゃん。


飛香: …お帰りなさいませ、お嬢様。


??: お嬢様…良い響きね。ねぇ、飛香ちゃん。お店でもそう呼んでくれない?


飛香: 嫌です。逆に、新井さんはお嬢様ってあの店で呼ばれて、恥ずかしくないんですか?もしかしたら、向こうの店長も視察に来るかもしれないのに。


新井: あ、やっぱいいや。


飛香: はい。それでは、お嬢様。お席にご案内します。


執事(受付): えっと…1番です。


飛香: うん。行きますよ。


新井: 私相手だからって、緊張せずに通常運転でよろしく!


飛香: 笑、今更、新井さん相手に緊張なんかしないです。


新井: え~私、先輩だよ!少しぐらい緊張して~


飛香: フッ笑



鼻で笑いながら、飛香は新井を席に案内した。


そして、そのすぐ後…



守里: っ!お帰りなさいませ、ご主人様、お嬢様。


奈々未: 笑、相手が男女で来ると変になるわね。


店長: さっき会った中村さんが言ってた通り、カッコいいね。様になってるよ、森崎君。


守里: ありがとうございます。では、お席にご案内します。


執事(受付): α席(2人席)です。


守里: はい。お荷物をお持ちいたします。


店長: 笑、ありがとう。


奈々未: うん。



こうして、何の因果か、それぞれのカフェの店長2人が、隣同士の席になったのだった。



守里: ご注文がお決まりになりましたら、このボタンを押して、お呼びください。


飛香: このボタンを押して、お呼びください。では…


守里 飛香: 失礼します……あ。


奈々未: 飛香ちゃんと息ぴったりじゃん笑


新井: あれ?隣の男の子、どこかで会ったことない?


守里: えっと……あ、ゴールデンマーケットのカフェの店長さん、ですよね?


新井: そうそう、ジコチューカフェの店長。


奈々未: カフェの店長?


店長: へぇ~


守里: 夏休み中に、一度行ったんですけど…


新井: あ、あぁ~お店開ける前に、私が入れたお客さんだ。妹連れの。


守里: はい……って、開店前だったんですか?


飛香: え、あの時のお客さんって、守里だったの?!


守里: ん?…まさか、飛香のバイト先って、あそこ?


飛香: う、うん…


奈々未: その表情だと、守里君にバイト先を知られたくなかったんだ笑


飛香: …


守里: ずっと教えてくれなかったもんね笑


新井: ちなみに、なんでなの?笑


飛香: …なんとなくです。


奈々未: 笑、バイト先に来て欲しくなかったからでしょ?


飛香: …


守里: ちょっと奈々未さん。飛香の心まで読まないでください笑


奈々未: 別に読んでないわよ。飛香ちゃんの性格を考えれば、誰でも分かるって。


新井: まぁ確かに。そうなの?飛香ちゃん。


飛香: …ご想像にお任せします。それでは、失礼します。


新井: え~まだ喋ろうよ~


守里: では、そろそろ僕も…


店長: あ、待って森崎君。橘さんは注文を決めてるんだったよね?


奈々未: はい。昨日来た時に食べたいって思ってたものが。


店長: なら、このまま、注文をお願いしても良いかな?


守里: かしこまりました……って、店長に料理を出すのは、かなり緊張します笑


新井: 店長?


店長: なんで笑


守里: 僕が料理を作るわけではないですけど、レシピの作成には少しながら携わってますから、どう思われるかな、ってちょっと笑


店長: じゃあ……楽しみにしてるよ笑


守里: 余計にプレッシャーをかけないでください笑。では、ご注文をどうぞ。


新井: (確か、あの男の子はカフェでバイトしてるって言ってたよね。ってことは、店長と呼ばれてたおかっぱのおじさんが、そのカフェの店長で、女性は店員さんかな?……あれ、あの女の人、どこかで見た気が……あ。)


守里: かしこまりました。それでは、少々お待ちください。



そう言って、守里が席を離れたところで…



新井: あの~


奈々未: ん、どうされましたか?


新井: あなた、ここのOGだったりしない?


奈々未: 能高のってことですよね。はい、そうですけど…


新井: 41回生?


奈々未: えっと…はい。


新井: 周りからさ、御三家って呼ばれてなかった?


奈々未: …確かに呼ばれてはいました。


新井: やっぱり。風紀委員長になった子だよね。あなた、もの凄く美人さんだったから、覚えてるのよ。


奈々未: ありがとうございます。


新井: 名前はなんて言うの?御三家の他の2人は、仕事の関係で会うことがあったから知ってるんだけど、あなたの名前だけは知らなくて。


奈々未: 橘奈々未と言います。


新井: 奈々未ちゃん…良い名前。あ、私は新井眞衣。


奈々未: ん、新井眞衣先輩と言うと……前の放送委員長さんじゃないですか?


新井: あれ、知ってるの?そうだよ。


奈々未: はい。その友達の…御三家の2人が、先輩のことを話してたのを聞いてまして。


新井: へぇ~なんて話してた?笑


奈々未: えっと、仕事ができる人だって言ってました。


新井: そっか~笑、嬉しいな~


奈々未: (その後に、おっちょこちょいだっては言ってたけど。)


新井: いや~こんなこともあるんだね。


奈々未: びっくりです笑


新井: それでさ、さっきの男の子との会話を聞いてたんだけど、今は、カフェで働いてるの?


奈々未: はい、カフェでバイトしています。


新井: お隣の男性は店長さん?


奈々未: はい。


新井: これまた偶然。私も今は、カフェの店長をやってるのよ。


奈々未: そう言ってましたね。凄いです。


新井: 笑、ありがと。でも、奈々未ちゃんは大学生なんでしょ?


奈々未: はい。


新井: 能大?


奈々未: そうです。


新井: やっぱ、優秀だね。


奈々未: いえいえ、新井先輩は、その年齢でカフェの店長をされているんですから、相当優秀ですよ。


新井: あら、そう?笑。奈々未ちゃんからそう言われると、モチベーションが上がるな~


奈々未: そうですか。それなら良かったです。


新井: でも、色々と悩んでることがあってね~チラッ


奈々未: へぇ~(店長と話したいみたいね。)


新井: ってことで、突然なんですけど、カフェの経営について話しません?


奈々未: えっと…店長。


店長: 僕も、ぜひ話したいですね笑


新井: やった笑。じゃあ、まずは…


奈々未: 笑(店長も乗り気だ。)



こうして、カフェの店長同士のカフェ経営についての対談が、繰り広げられたのだった。


ちなみに…



飛香: 新井さん、早く注文を!!


新井: ご、ごめんなさ~い


奈々未: (やっぱり、結真達が言ってたことは、間違ってなかったみたいね笑)


店長: (面白い人だな~それに、まだ若いのに、かなり優秀な人だ。)


守里: (あれが飛香のバイトの先輩…)



という場面もあったのだった。


そして、美月は…



美月: (飛香のバイトの先輩の新井眞衣さん。奈々未さんの1つ上ということは、守里のお姉さんと同級生か……話を聞いてみる必要があるな。)



ニャンニャン



美月: ご注文をお伺いします、ご主人様♡



と、華麗に仕事をこなしながら、そう考えていたのだった。




to be continued

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