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第7章 文化祭編
第251話「役員と委員長達の会議」
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文化祭3日目最終日
7時頃
生徒会会議室
登校している生徒が、まだ全然いない頃、生徒会室の隣の会議室に、生徒会役員と各委員長達が集まっていた。
櫻宮: さ、昨日までの報告と、今日のことを話すよ。
若月: 笑、緩くない?
櫻宮: いや、こんなもんでしょ。ね?麻里。
麻里: まぁ、そんなに気を張る必要はないよね。
七星: 笑、若が気を張り過ぎなんよ。
樋口: うんうん笑。もっとリラックス!
若月: そうか……そうならないように気をつけてはいたんだが、また無意識のうちに気を張り過ぎていたみたいだ。
鷲崎: 無意識にって笑
影野: え、若がそんなんなるって、なんかヤバいことでも起こるの?
中谷: 確かに、怖いよね笑
夏希: なんかヤバいことってなに?笑
影野: いや、分かんないけどさ。
大我: まぁ、警戒はしとくべきだろ。
樋口: でも、警戒し続けるのは、体に悪いし。何より、最後の文化祭なんだから楽しまないと!
櫻宮: 笑、紅葉の言う通りだね。ちゃんと楽しまないとだぞ~若。
若月: あぁ笑
中谷: 楽しむと言えば、絢音となぁちゃんとザキは景品をゲットしたわけだけど、どうするの?
天羽: 私は、ちょうど欲しい本があるので。
鷲崎: 両親にプレゼントした。
中谷: そっか。じゃあ、なぁちゃんは?
樋口: なぁちゃんは、赤の宝石だから、テーマパークのペアチケットだよね?誰を誘うの?!
鷲崎: 笑、紅葉、はしゃぎ過ぎ。落ち着いて。
樋口: ごめんごめん笑。だけど、気になってさ~
麻里: 同じく笑。なぁちゃんが誰を誘うのかは気になるな~
七星: まだ考えてへんわ。
樋口: え~候補はいないの?!
七星: 候補?う~ん…
中谷: 守里君じゃないの?笑
七星: 守里……守里か……
鷲崎: 笑、まぁまぁ。この件については、後から話そう。今は、この会議をさっさと終わらせて、あそこでソワソワしてるまゆちゃんを、早く解放してあげなきゃ笑
鹿川: ソワソワ
倉田: …まゆちゃん。書記に集中して。
鹿川: はっ!ごめんなさい!
櫻宮: 笑、今日は、まゆちゃんの研究成果の発表があるもんね。
中谷: そりゃ、ソワソワするか笑
鷲崎: 確か…ツチノコの生態研究だっけ?笑
鹿川: はい!
天羽: 頑張ってくださいね。
鹿川: 頑張ります!
ここで、会議室にいる大半の人達がこう思った。
「よく許可が下りたな。」
と。
櫻宮: さ、気を取り直して、会議を始めよう。謙心、よろしく。
灰崎: はい。それでは、会議を始めます。まず、スクリーンをご覧下さい。これは、昨日までの、模擬店、展示会、アトラクションそれぞれの売上です。
会議室にあるスクリーンに映し出された表とグラフに、全員の注目が集まる。
鷲崎: 今回は、ICFカードのチャージ制への対策なのか、全体的に値段設定が低めだったけど……問題なさそうだね。
大我: それだけ、たくさんの人が来たってことだろ。
天羽: ですね。
夏希: 去年に比べても、かなり増えたかな。
樋口: 飲食店だと、なぁちゃんのとこが、1位か~
影野: 美味しかったもん。
七星: あ、来てくれたん?
影野: うん。初日に。
七星: ありがと。
麻里: 次は、2年1組の執事&メイド喫茶、その次が3年5組のスイーツパラダイス。
櫻宮: いぇーい!
若月: 頑張った甲斐があったよ。な?夏希。
夏希: うん。でも、守里君のとこは強いな笑
櫻宮: あんな可愛い子が集まってるとこが、メイド喫茶なんてやったら、こうなっちゃうよ。まぁ、まだ巻き返すつもりだけどね。
中谷: 僕も今日、行くつもり。
影野: あ、じゃあ私も一緒に行きたい。
中谷: 分かった。一緒に行こ。
七星: 色んなタイプがおるから、楽しめると思うで。
中谷: へぇ~
影野: なぁちゃんは、誰に担当してもらったの?
七星: それは…
櫻宮: そりゃもちろん、守里だよ。あ~んもしてもらったし、愛してるゲームもしたし!ね笑
樋口: え~!!
鷲崎: 笑、そんなことしたんだ。
麻里: 詳しく話を聞きたいね~
灰崎: はい、皆さん。脱線しまくってるので、話を戻します。これは、昨日までに起こった問題の一覧です。やはり、人が多い分、トラブルは少なくない数が起こっています。
スクリーンに、風紀委員が対応した問題や、生徒からの報告があった問題の一覧が表示される。
若月: ざっと30件程度。全部、早期対処できたおかげで、大きな問題にはならずに済んだ。
夏希: 風紀委員の見回りのおかげだね。
鷲崎: やっぱり、風紀委員の腕章をつけてる生徒を見ると、お店側もお客さん側も安心するみたいよ。
麻里: もうインタビューを始めてるんだ笑
鷲崎: 当たり前じゃん笑。文化祭が終わったら、すぐに記事を出さないとだし。まぁ、私はもう引退してるから、直接関わってるわけではないけど。
麻里: ふ~ん笑
樋口: 見回りってさ、だいたい何組ぐらい同時に回ってるの?
若月: 4組。各ペアに回ってもらう場所を、予め決めておいて、そこを回ってもらってる。
樋口: 4組か~
若月: どうした?
樋口: いや、もしさ、4つ以上の問題が同時に起きた場合は、どうするのかな、って思って。
若月: その場合は、スマンが非番の風紀委員にも対処に当たってもらうことになってる。
影野: それって、仕事中でも?
若月: 最悪な。
樋口: じゃあ、最大で15、16件ぐらいは、同時に対処できるんだ。
若月: ま、そうなる。
天羽: しかし、自分達だけで対処できそうな場合は、風紀委員会に連絡はしつつも、風紀委員は来なくても大丈夫だと、言ってもらうようにしましょう。
と、若月の方を見ながら、天羽が提案すると、腕を組んだままの大我が、口を開いた。
大我: だが、それだと途中で状況が変わった場合はどうする?その店だけで対処しきれなくなったら、困るだろ。
天羽: その場合は、状況が変わった時に、改めて連絡をしてもらいます。この提案の目的は、風紀委員への負担を減らすためですから、お店だけで対処できたのなら、万々歳ぐらいの気持ちで良いと思っています。
大我: これまでは、風紀委員による早期対処で、問題の深刻化を防いできたのにか?
天羽: それは、同時に起こる問題が少なかったから、できたことです。
大我: …今日はそれが増えると?
天羽: 文化祭最終日ですから。それこそ、羽村君が先程言っていたように、警戒はしとくべきです。
大我: …
2人の言い合いで、会議室の雰囲気が少しピリつく。
夏希: まぁまぁ。2人とも、そんなに火花を散らさないで。
天羽: 笑、別にお互いの主張を言っているだけですから。ね?羽村君。
大我: …あぁ、すまん。俺の語気が強くなり過ぎてた。
天羽: いえ。羽村君の主張も分かりますから。
夏希: どうかしたの?大我。いつも以上に気が立ってるみたいだけど。
大我: いや…別に…チラッ
直也: ん?なんだよ。
大我: なんもない。ま、一旦、天羽の言う通りにしてみて、何か問題が起こったら、すぐに切り替えよう。
天羽: ですね。若月さん、それで良いですか?
若月: あぁ、問題ない。全員に共有しとく。
樋口: 問題と言えば、実習校舎の4階に変わりはない?
櫻宮: それに関しては…謙心。
灰崎: はい。見張りを頼んでいる先生方も、特に変わったことはないと言っていますし、監視カメラの映像からも、問題はありませんでした。
樋口: それって、4階に誰も上がって来なかったってことだよね?
灰崎: そうです。
樋口: そっか、なら大丈夫か。
鷲崎: コンピュータの動作の方は?
中谷: それは、僕のパソコンから確認できるけど、そっちも異常なし。
鷲崎: 奏雄のパソコンからは、向こうの動作ログしか見れないんだっけ?
中谷: うん。こっちからは、動作に介入できないし、保存されたデータも閲覧できないよ。
樋口: 謙心のタブレットからも、監視カメラの映像が見れるだけで、コンピュータにはアクセスできないんでしょ?
灰崎: はい。
櫻宮: ってことで、最初の会議通り、外からコンピュータにアクセスする方法は無くて、まぁ、奏雄のパソコンからいけなくはないかもだけど、そのパソコンはネットにアクセスしてないし、常に生徒会室にあるから…
大我: 問題はないってことだろ?何度も聞いた。
櫻宮: 正解笑
大我: だが、外からの攻撃に強いってだけで、コンピュータに直接攻撃されたら脆い。しかも、そのコンピュータにのみデータが保存されるせいで、他のコンピュータで代用が効かないからな。
若月: そのための、この情報の共有と、先生の見張り、監視カメラの設置だろ?
夏希: おそらく大我は、それじゃ不十分って言いたいんでしょ?
大我: あぁ。天羽も言ってるように、警戒しとくことに越したことはないし。
天羽: あら、それは羽村君の言葉じゃないですか笑
大我: …とにかく、もうちょっと対策はできないもんなのかってことだよ。
櫻宮: 対策ね~
樋口: 単純に人を増やすって言うのは…
七星: アカン。見張りが増えたり、立入禁止をさらに強調したりなんかしたら、逆に注目が集まる。
樋口: だよね~
櫻宮: もちろん、私達も凄く考えた。その結果が、今の状態なの。
大我: ……正直、こう言っておいて、自分でも新たな対策は思いつかないから、文化祭中でも、何か思いついたヤツは、すぐにここの全員に共有して検討した上で、それを実行するようにしようぜ。
櫻宮: 笑、分かった。みんな、どんどんアイデア出してね。
影野: 頑張ってはみるよ。
七星: ただし、自分だけで考えるんやで。他に相談するのは無しや。
影野: 分かってる。
麻里: このことを知ってるのは、私達と守里君、あと先生の一部だけだから…って、こう言ってみると、守里君がこの中に入ってるのは、違和感というかなんというか笑
夏希: 確かに笑
大我: お前らも賛成しただろ。守里に知らせるのは。
夏希: いや、それはそうなんだけどさ。
大我: アイツは強くて信用に足る男だぞ。
天羽: 私もそう思います。
鷲崎: おぉ笑……前々から思ってたけど、随分と2人は森崎君のことを気に入ってるんだね。
大我: 俺は、相手と話せば、大体どういうヤツか分かるからな。
天羽: 私もしばらく観察すれば、分かります。
麻里: 笑、その結果、守里君はセーフだったんだ。
大我: あぁ。
櫻宮: いや~守里の人気が高まってるみたいで笑
若月: そんなアイツが、次の生徒会長にでもなってくれれば、私達も安心なんだけどな。
夏希: その言い方だと、森崎君は生徒会長になるつもりはないんだ笑
櫻宮: この前、キッパリ断られちゃった。
樋口: え~
鷲崎: それは残念だね。
七星: どうやら守里は、志帆ちゃんを生徒会長に推したいみたいやから。
鷲崎: 川嶋ちゃんか~その子こそ、次期生徒会長候補で、森崎君に対抗してる子なんだけど笑
麻里: またまたインタビュー情報?
鷲崎: うん。
櫻宮: ま、守里は生徒会に入らなくても、今みたいにお手伝いはしてくれるって言ったから、ひとまず安心だよ。
天羽: 一応言っておきますけど、今がギリギリのラインですからね。生徒会役員や委員長以外の生徒に課す仕事の量的には。
櫻宮: はーい。
天羽: 桃ちゃん、頼みましたよ。
倉田: 任せてください。
鷲崎: ほんと、生徒会に桃ちゃんがいてくれて良かったね笑
樋口: だね~
中谷: 桃ちゃんの人気も高いこと笑
倉田: ありがとうございます。でも皆さん、そろそろ時間が迫ってますよ。
櫻宮: え?あ、マジじゃん。
麻里: ごめん、私が話をズラしちゃったね。
影野: そんなこと言ったら、みんなその話に乗っちゃったんだから、同罪。
鷲崎: うんうん。
天羽: すみませんでした。
櫻宮: 笑、別に謝んなくても良いよ。今日の会議で共有しとくべきことは、もう共有し終わったし。ね?謙心。
灰崎: はい。用意していたスライドも、今映ってるやつで最後ですから。
夏希: おっと、それは良かった。
櫻宮: ってことで、みんな、文化祭最終日、頑張っていくよ!おーー!!
樋口: おーー!!…え?
櫻宮: え?みんなノリ悪い!
鷲崎: 笑、さすがにそんな急なテンションの上がり方には、ついていけない。
影野: うん。ついていけるのは、紅葉だけ。
麻里: 私もキツい笑
櫻宮: なら、またやるから今度は合わせてよ。
鷲崎: はいはい笑
中谷: なんかそれ、フリに聞こえるんだけど笑
櫻宮: フリじゃない!
七星: 謙心も桃ちゃんも、まゆちゃんも、参加してあげてや。
灰崎: 分かりました。
倉田: はい。
鹿川: お仕事終了?!
若月: 笑、よく頑張った。
麻里: 絢音もだよ。
天羽: 分かっています。
影野: ちゃんと手あげなよ笑
樋口: こんな感じで、おー!ってね!
夏希: 大我?
大我: あぁ。
直也: 笑、全く、しょうがないな~
櫻宮: じゃあ、改めて、頑張るぞ、おーー!!
「おーー!!」
こうして、能高の生徒会役員と各委員長…いわゆる上層部が、改めて気合いを入れ直したのだった。
to be continued
7時頃
生徒会会議室
登校している生徒が、まだ全然いない頃、生徒会室の隣の会議室に、生徒会役員と各委員長達が集まっていた。
櫻宮: さ、昨日までの報告と、今日のことを話すよ。
若月: 笑、緩くない?
櫻宮: いや、こんなもんでしょ。ね?麻里。
麻里: まぁ、そんなに気を張る必要はないよね。
七星: 笑、若が気を張り過ぎなんよ。
樋口: うんうん笑。もっとリラックス!
若月: そうか……そうならないように気をつけてはいたんだが、また無意識のうちに気を張り過ぎていたみたいだ。
鷲崎: 無意識にって笑
影野: え、若がそんなんなるって、なんかヤバいことでも起こるの?
中谷: 確かに、怖いよね笑
夏希: なんかヤバいことってなに?笑
影野: いや、分かんないけどさ。
大我: まぁ、警戒はしとくべきだろ。
樋口: でも、警戒し続けるのは、体に悪いし。何より、最後の文化祭なんだから楽しまないと!
櫻宮: 笑、紅葉の言う通りだね。ちゃんと楽しまないとだぞ~若。
若月: あぁ笑
中谷: 楽しむと言えば、絢音となぁちゃんとザキは景品をゲットしたわけだけど、どうするの?
天羽: 私は、ちょうど欲しい本があるので。
鷲崎: 両親にプレゼントした。
中谷: そっか。じゃあ、なぁちゃんは?
樋口: なぁちゃんは、赤の宝石だから、テーマパークのペアチケットだよね?誰を誘うの?!
鷲崎: 笑、紅葉、はしゃぎ過ぎ。落ち着いて。
樋口: ごめんごめん笑。だけど、気になってさ~
麻里: 同じく笑。なぁちゃんが誰を誘うのかは気になるな~
七星: まだ考えてへんわ。
樋口: え~候補はいないの?!
七星: 候補?う~ん…
中谷: 守里君じゃないの?笑
七星: 守里……守里か……
鷲崎: 笑、まぁまぁ。この件については、後から話そう。今は、この会議をさっさと終わらせて、あそこでソワソワしてるまゆちゃんを、早く解放してあげなきゃ笑
鹿川: ソワソワ
倉田: …まゆちゃん。書記に集中して。
鹿川: はっ!ごめんなさい!
櫻宮: 笑、今日は、まゆちゃんの研究成果の発表があるもんね。
中谷: そりゃ、ソワソワするか笑
鷲崎: 確か…ツチノコの生態研究だっけ?笑
鹿川: はい!
天羽: 頑張ってくださいね。
鹿川: 頑張ります!
ここで、会議室にいる大半の人達がこう思った。
「よく許可が下りたな。」
と。
櫻宮: さ、気を取り直して、会議を始めよう。謙心、よろしく。
灰崎: はい。それでは、会議を始めます。まず、スクリーンをご覧下さい。これは、昨日までの、模擬店、展示会、アトラクションそれぞれの売上です。
会議室にあるスクリーンに映し出された表とグラフに、全員の注目が集まる。
鷲崎: 今回は、ICFカードのチャージ制への対策なのか、全体的に値段設定が低めだったけど……問題なさそうだね。
大我: それだけ、たくさんの人が来たってことだろ。
天羽: ですね。
夏希: 去年に比べても、かなり増えたかな。
樋口: 飲食店だと、なぁちゃんのとこが、1位か~
影野: 美味しかったもん。
七星: あ、来てくれたん?
影野: うん。初日に。
七星: ありがと。
麻里: 次は、2年1組の執事&メイド喫茶、その次が3年5組のスイーツパラダイス。
櫻宮: いぇーい!
若月: 頑張った甲斐があったよ。な?夏希。
夏希: うん。でも、守里君のとこは強いな笑
櫻宮: あんな可愛い子が集まってるとこが、メイド喫茶なんてやったら、こうなっちゃうよ。まぁ、まだ巻き返すつもりだけどね。
中谷: 僕も今日、行くつもり。
影野: あ、じゃあ私も一緒に行きたい。
中谷: 分かった。一緒に行こ。
七星: 色んなタイプがおるから、楽しめると思うで。
中谷: へぇ~
影野: なぁちゃんは、誰に担当してもらったの?
七星: それは…
櫻宮: そりゃもちろん、守里だよ。あ~んもしてもらったし、愛してるゲームもしたし!ね笑
樋口: え~!!
鷲崎: 笑、そんなことしたんだ。
麻里: 詳しく話を聞きたいね~
灰崎: はい、皆さん。脱線しまくってるので、話を戻します。これは、昨日までに起こった問題の一覧です。やはり、人が多い分、トラブルは少なくない数が起こっています。
スクリーンに、風紀委員が対応した問題や、生徒からの報告があった問題の一覧が表示される。
若月: ざっと30件程度。全部、早期対処できたおかげで、大きな問題にはならずに済んだ。
夏希: 風紀委員の見回りのおかげだね。
鷲崎: やっぱり、風紀委員の腕章をつけてる生徒を見ると、お店側もお客さん側も安心するみたいよ。
麻里: もうインタビューを始めてるんだ笑
鷲崎: 当たり前じゃん笑。文化祭が終わったら、すぐに記事を出さないとだし。まぁ、私はもう引退してるから、直接関わってるわけではないけど。
麻里: ふ~ん笑
樋口: 見回りってさ、だいたい何組ぐらい同時に回ってるの?
若月: 4組。各ペアに回ってもらう場所を、予め決めておいて、そこを回ってもらってる。
樋口: 4組か~
若月: どうした?
樋口: いや、もしさ、4つ以上の問題が同時に起きた場合は、どうするのかな、って思って。
若月: その場合は、スマンが非番の風紀委員にも対処に当たってもらうことになってる。
影野: それって、仕事中でも?
若月: 最悪な。
樋口: じゃあ、最大で15、16件ぐらいは、同時に対処できるんだ。
若月: ま、そうなる。
天羽: しかし、自分達だけで対処できそうな場合は、風紀委員会に連絡はしつつも、風紀委員は来なくても大丈夫だと、言ってもらうようにしましょう。
と、若月の方を見ながら、天羽が提案すると、腕を組んだままの大我が、口を開いた。
大我: だが、それだと途中で状況が変わった場合はどうする?その店だけで対処しきれなくなったら、困るだろ。
天羽: その場合は、状況が変わった時に、改めて連絡をしてもらいます。この提案の目的は、風紀委員への負担を減らすためですから、お店だけで対処できたのなら、万々歳ぐらいの気持ちで良いと思っています。
大我: これまでは、風紀委員による早期対処で、問題の深刻化を防いできたのにか?
天羽: それは、同時に起こる問題が少なかったから、できたことです。
大我: …今日はそれが増えると?
天羽: 文化祭最終日ですから。それこそ、羽村君が先程言っていたように、警戒はしとくべきです。
大我: …
2人の言い合いで、会議室の雰囲気が少しピリつく。
夏希: まぁまぁ。2人とも、そんなに火花を散らさないで。
天羽: 笑、別にお互いの主張を言っているだけですから。ね?羽村君。
大我: …あぁ、すまん。俺の語気が強くなり過ぎてた。
天羽: いえ。羽村君の主張も分かりますから。
夏希: どうかしたの?大我。いつも以上に気が立ってるみたいだけど。
大我: いや…別に…チラッ
直也: ん?なんだよ。
大我: なんもない。ま、一旦、天羽の言う通りにしてみて、何か問題が起こったら、すぐに切り替えよう。
天羽: ですね。若月さん、それで良いですか?
若月: あぁ、問題ない。全員に共有しとく。
樋口: 問題と言えば、実習校舎の4階に変わりはない?
櫻宮: それに関しては…謙心。
灰崎: はい。見張りを頼んでいる先生方も、特に変わったことはないと言っていますし、監視カメラの映像からも、問題はありませんでした。
樋口: それって、4階に誰も上がって来なかったってことだよね?
灰崎: そうです。
樋口: そっか、なら大丈夫か。
鷲崎: コンピュータの動作の方は?
中谷: それは、僕のパソコンから確認できるけど、そっちも異常なし。
鷲崎: 奏雄のパソコンからは、向こうの動作ログしか見れないんだっけ?
中谷: うん。こっちからは、動作に介入できないし、保存されたデータも閲覧できないよ。
樋口: 謙心のタブレットからも、監視カメラの映像が見れるだけで、コンピュータにはアクセスできないんでしょ?
灰崎: はい。
櫻宮: ってことで、最初の会議通り、外からコンピュータにアクセスする方法は無くて、まぁ、奏雄のパソコンからいけなくはないかもだけど、そのパソコンはネットにアクセスしてないし、常に生徒会室にあるから…
大我: 問題はないってことだろ?何度も聞いた。
櫻宮: 正解笑
大我: だが、外からの攻撃に強いってだけで、コンピュータに直接攻撃されたら脆い。しかも、そのコンピュータにのみデータが保存されるせいで、他のコンピュータで代用が効かないからな。
若月: そのための、この情報の共有と、先生の見張り、監視カメラの設置だろ?
夏希: おそらく大我は、それじゃ不十分って言いたいんでしょ?
大我: あぁ。天羽も言ってるように、警戒しとくことに越したことはないし。
天羽: あら、それは羽村君の言葉じゃないですか笑
大我: …とにかく、もうちょっと対策はできないもんなのかってことだよ。
櫻宮: 対策ね~
樋口: 単純に人を増やすって言うのは…
七星: アカン。見張りが増えたり、立入禁止をさらに強調したりなんかしたら、逆に注目が集まる。
樋口: だよね~
櫻宮: もちろん、私達も凄く考えた。その結果が、今の状態なの。
大我: ……正直、こう言っておいて、自分でも新たな対策は思いつかないから、文化祭中でも、何か思いついたヤツは、すぐにここの全員に共有して検討した上で、それを実行するようにしようぜ。
櫻宮: 笑、分かった。みんな、どんどんアイデア出してね。
影野: 頑張ってはみるよ。
七星: ただし、自分だけで考えるんやで。他に相談するのは無しや。
影野: 分かってる。
麻里: このことを知ってるのは、私達と守里君、あと先生の一部だけだから…って、こう言ってみると、守里君がこの中に入ってるのは、違和感というかなんというか笑
夏希: 確かに笑
大我: お前らも賛成しただろ。守里に知らせるのは。
夏希: いや、それはそうなんだけどさ。
大我: アイツは強くて信用に足る男だぞ。
天羽: 私もそう思います。
鷲崎: おぉ笑……前々から思ってたけど、随分と2人は森崎君のことを気に入ってるんだね。
大我: 俺は、相手と話せば、大体どういうヤツか分かるからな。
天羽: 私もしばらく観察すれば、分かります。
麻里: 笑、その結果、守里君はセーフだったんだ。
大我: あぁ。
櫻宮: いや~守里の人気が高まってるみたいで笑
若月: そんなアイツが、次の生徒会長にでもなってくれれば、私達も安心なんだけどな。
夏希: その言い方だと、森崎君は生徒会長になるつもりはないんだ笑
櫻宮: この前、キッパリ断られちゃった。
樋口: え~
鷲崎: それは残念だね。
七星: どうやら守里は、志帆ちゃんを生徒会長に推したいみたいやから。
鷲崎: 川嶋ちゃんか~その子こそ、次期生徒会長候補で、森崎君に対抗してる子なんだけど笑
麻里: またまたインタビュー情報?
鷲崎: うん。
櫻宮: ま、守里は生徒会に入らなくても、今みたいにお手伝いはしてくれるって言ったから、ひとまず安心だよ。
天羽: 一応言っておきますけど、今がギリギリのラインですからね。生徒会役員や委員長以外の生徒に課す仕事の量的には。
櫻宮: はーい。
天羽: 桃ちゃん、頼みましたよ。
倉田: 任せてください。
鷲崎: ほんと、生徒会に桃ちゃんがいてくれて良かったね笑
樋口: だね~
中谷: 桃ちゃんの人気も高いこと笑
倉田: ありがとうございます。でも皆さん、そろそろ時間が迫ってますよ。
櫻宮: え?あ、マジじゃん。
麻里: ごめん、私が話をズラしちゃったね。
影野: そんなこと言ったら、みんなその話に乗っちゃったんだから、同罪。
鷲崎: うんうん。
天羽: すみませんでした。
櫻宮: 笑、別に謝んなくても良いよ。今日の会議で共有しとくべきことは、もう共有し終わったし。ね?謙心。
灰崎: はい。用意していたスライドも、今映ってるやつで最後ですから。
夏希: おっと、それは良かった。
櫻宮: ってことで、みんな、文化祭最終日、頑張っていくよ!おーー!!
樋口: おーー!!…え?
櫻宮: え?みんなノリ悪い!
鷲崎: 笑、さすがにそんな急なテンションの上がり方には、ついていけない。
影野: うん。ついていけるのは、紅葉だけ。
麻里: 私もキツい笑
櫻宮: なら、またやるから今度は合わせてよ。
鷲崎: はいはい笑
中谷: なんかそれ、フリに聞こえるんだけど笑
櫻宮: フリじゃない!
七星: 謙心も桃ちゃんも、まゆちゃんも、参加してあげてや。
灰崎: 分かりました。
倉田: はい。
鹿川: お仕事終了?!
若月: 笑、よく頑張った。
麻里: 絢音もだよ。
天羽: 分かっています。
影野: ちゃんと手あげなよ笑
樋口: こんな感じで、おー!ってね!
夏希: 大我?
大我: あぁ。
直也: 笑、全く、しょうがないな~
櫻宮: じゃあ、改めて、頑張るぞ、おーー!!
「おーー!!」
こうして、能高の生徒会役員と各委員長…いわゆる上層部が、改めて気合いを入れ直したのだった。
to be continued
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この世界では「職業ガチャ」で与えられた職業がすべてを決める。勇者、魔法使い、騎士――次々と強職を引き当てるクラスメイトたち。だが俺、蒼井拓海が引いたのは「情報分析官」。幼馴染の白石美咲は「清掃員」。
戦闘力ゼロ。
「お前らは足手まといだ」「誰もお荷物を抱えたくない」
親友にすら見捨てられ、パーティ編成から弾かれた俺たちは、たった二人で最低難易度ダンジョンに挑むしかなかった。案の定、モンスターに追われ、逃げ惑い――挙句、偶然遭遇したクラスメイトには囮として利用された。
「感謝するぜ、囮として」
嘲笑と共に去っていく彼ら。絶望の中、俺たちは偶然ダンジョンの最深部へ転落する。
そこで出会ったのは、銀髪の美少女ダンジョン主・リリア。
「あなたたち……私のダンジョンで働かない?」
情報分析でダンジョン構造を最適化し、清掃で魔力循環を改善する。気づけば生産効率は30%向上し、俺たちは魔王軍の特別顧問にまで成り上がっていた。
かつて俺たちを見下したクラスメイトたちは、ダンジョン攻略で消耗し、苦しんでいる。
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