異世界召喚された回復術士のおっさんは勇者パーティから追い出されたので子どもの姿で旅をするそうです

かものはし

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獣狼族の森

フラグに見えました

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 話が落ち着いたところでルカは背後からホイムの頬に手を添えて、後ろを向かせるようにした。

「なんっ」

 不意を突かれる格好でホイムの口はルカの唇に塞がれていた。
 そのまま何秒、何十秒か同じ姿勢でじっと時間だけが過ぎていき、ホイムの瞳が慌ただしく泳ぎ始めたところでようやく開放された。

「っぱあ! はぁはぁ……く、苦しいよルカ」

 鼻で息をすることを忘れていて激しく喘ぐホイムから体を離したルカは立ち上がった。

「ホイムありがと! 元気出た!」
「あ、うん。それは良かった」
「ルカは絶対ホイムと家族なる!」
「期待して待っておくよ」

 そう答えるとルカは本当に元気いっぱいになったようで、ぴょんぴょん木から木へと跳ねていった。

「少し散歩してくる!」

 あまり遠くに行かないようにと注意する前に、ルカは森の中に姿を消していた。

「……」

 元気をもらったのはホイムもだった。
 少しだけ前屈みの状態で枝から飛び降り、

「キュア【飛翔】」

 得意の呪文を唱えて静かに地面へと降り立った。そのままへっぴり腰でテントへ戻ると、出ていく前と同じく背を向けてで横になるアカネの側に寝そべって毛布を被った。
 明日は大仕事になるはずである。早めに眠り、体を休めることにした。

「ルカの様子はいかがでしたか?」

 その問いかけに、ホイムはまだ冴える目を開けて隣を見たると、こちらに体を向けたアカネが見つめていた。

「起きてたんだ」
「ホイム様より先に寝るわけには」

 気にしなくっていいのにと笑うホイムは、先のアカネの問いに答えた。

「ルカは大丈夫だよ。すごく落ち着いてた」

 仇を目前に控えたとは思えない落ち着きぶりだった。あの様子なら激情に呑まれても冷静にこちらの声に耳を傾けてくれるだろう。

「ていうか、気付いてたんだね。ルカのところに行ったの」
「ええ」
「話し声も聞こえた?」
「そこまで地獄耳ではありませんし、聞き耳も立ててはおりません」

 アカネにも気を遣わせてしまったようだとホイムは思った。
 彼女の気遣いに感謝しつつ、眠りにつこうと、

「お手洗いは済んでいませんね」

 覆面を外したアカネの吐息が耳に触れると同時に、右手がホイムの下着の中に滑り込んできた。

「ちょ、あの」
「このままではしっかりと寝付けないでしょう……お任せください」

 ルカの不意打ちで元気になっていたところに追い打ちをかけられ、更に元気を増していくホイム。
 突然の誘いに拒絶の感情はないのだが、何故という疑問は残ってしまう。
 その最後の理性を吹き飛ばすようにアカネの唇がホイムに重ねられた。
 ただ触れ合うだけだったルカとの行為と、どうしても比較してしまう。
 口内を蹂躙されるような舌使いと、一際敏感なところを優しく包み込むアカネの手付きに、ホイムは呆気なく彼女の手中で疲れて果ててしまった。
 そのまましばらく、何もせずに体と唇を重ねるアカネがゆっくりと顔を上げたところで、少しだけ頭がクールダウンしたホイムが訊ねる。

「どうか、しましたか……?」

 同意もなしに突然襲われたことへの疑問が戻ってきたので、息も絶え絶えではあるがどうにか質問して答えを待った。
 アカネは返答する前にもう一度ホイムに顔を寄せ……今度はキスではなくただ身を預けて抱きつくだけだった。

「不安になりました」
「不安……?」
「明日の相手は竜。一人でここで横になっている間、もしかしたらホイム様ともう帰ってこれないのではないか……ついそんな考えが過ってしまったのです」

 確かにホイムも、アカネとルカが一緒にいるし、明日は戦闘をするわけではないので安全だと思い込もうとしていたが、それは最善の条件が揃った場合だ。
 もしもこちらに感づいたドラゴンがいきり立って襲いかかってくれば、最悪全滅の可能性もある。
 アカネが一人で思い描いてしまった不安の怖さは、ホイムにも理解できるつもりだ。

「ホイム様……最後に私ともう一度してください」

 お願いと同時に接吻。たちまちホイムは元気を取り戻していく。
 また頭がくらくらしていく。
 朦朧としていく中で、ホイムはアカネの肩に優しく手をおき、

「分かりました」

 そっと引き離した。

「でもそれは今じゃありません」
「ホイム様……?」
「ルカも一緒に、三人で戻ってきた後に続きをしましょう」

 ホイムもこのまま欲望に負けて続けたいと本気で思っていた。だからこそここはしっかりと拒否しておかないとやばいと直感した。
 これきっとそのままヤッたら死亡フラグだ、と。

「大丈夫。僕らは絶対誰も欠けませんから……信じてください」

 ホイムの説得に、アカネも安心を得たのか緊張の面持ちを解いていた。

「はい……」

 ホイムは欲望に打ち克ち死亡フラグを回避した。

「……でもこっちは処理してしまいますね」
「あ、はい……」

 しかし性欲には負けたので今夜は合計二回、アカネの手の中で精魂尽き果てました。
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