異世界召喚された回復術士のおっさんは勇者パーティから追い出されたので子どもの姿で旅をするそうです

かものはし

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パルメティの街

そして夜が明けました

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「……もうどうなっても知りませんよ!」
「夢の中の君は私に何をしてくれるんだろう?」
「もちろんエミリアさんの初めてを」
「流石にそれは夢でも駄目だよ」

 優しい言葉をかけて慰めてあげたい気持ちが溢れ出そうになったが、ここで言葉をかければ説得が無駄になる。
 ここは心を鬼にして、彼女が諦めるのを待つしかない。

「ふふふ……まるで本物の彼にフラれたみたいだ」
「はい?」
「夢でよかったぁ」
「ヤダー! 全然分かってない!」

 チュッチュッチュッ。
 エミリアからのキスの嵐に、懸命に我慢していたホイムもとうとう堪忍袋の緒が切れた。
「……もうどうなっても知りませんよ」
「えへ。夢のホイムは何をしてくれるのかな?」
「それはもちろんエミリアさんの初めてをいただくつもりで」
「それはダメだなぁ……」
「なんで!?」

 やる気満々になったのにまさかの拒否で出鼻を挫かれた格好になった。

「やはり操は守らねばならないし……」

 もじもじとする仕草に尚更興奮しそうになるホイムだが、拒否されたことでどうしていいか分からずにただひたすらに悶々とした想いが募っていく。

「じゃあどうすればいいんです!」

 思わず声を荒げてしまったところ、エミリアはホイムの欲求をどう打開するのかをきちんと教えてくれた。

「フォト様が言っていた。ホイムを気持ちよくさせるのならばまぐわうだけが手段ではないと」
「……まさか。その手段とは」

 生唾を呑み込むホイム。震える視線のその先に、エミリアが上着に手をかける姿。血眼になって凝視するのはその瞬間を見逃さぬため。
 やがてぺろんと捲れた服の下かr「なまちち!!」。
 これまで彼が目にしたことのな「んんんんんんんッ!」。
 とうとう自分から彼女の胸に「――――――」。
 暴力的なおっぱいの魔力に魅入られた彼は、その日おっぱいの素晴らしさを心ゆくまで堪能した。
 



 体が重い。
 戦場での朝を思い出させる……目覚めながらエミリアは考えていた。
 騎士団長の救出を成し遂げた代償でもあるし、変な夢を見た報いでもあるとすぐに自分を恥じた。

「…………なんて夢だ」

 エミリアは昨夜自分が見た夢と思い込んでいる行為を思い出し、頭を抱えると同時に顔を真っ赤に染めた。
 自分の中にそれほどの欲求があったのか。
 大仕事をこなして彼に慰められ気が緩んでしまったからか。
 女神様が夢枕に立ちホイムとのことに助言をくれたせいか。
 色んな要因が重なってあのような夢を見てしまったのか。
 考えれば考える程ドツボに嵌まるエミリアの思考を遮ったのは、体のあちこちが告げる得体の知れない感触と痛みであった。

「……?」

 上体を起こしはらりと落ちた毛布の下から曝け出された自分の裸体を見下ろすと、胸元の白い付着物を指先で掬った。
 粘っとした感触に今まで嗅いだことのない独特な臭いに思わず顔をしかめてしまう。
 しかもその粘性の物体は胸元だけとはいわず、胸と胸の間に尋常ではない量がべっとりと付いている。
 それに顎も妙に疲れている。ずっと何かを噛んで酷使したかのように疲弊していた。
 更に身動ぎした時、ズキズキとお尻が痛んだ。
 何かを突き刺されたかと思い、下半身に残った毛布をバッと剥ぎ取ると……そこには武器のたぐいは何もなかった。攻撃を受けたわけではない。
 ただし、手を伸ばしてそっと下半身を触るとやはりお尻は痛かったし、胸に付いていたのと同じ粘性のものがそこにも付着……いや、注がれているようであった。
 次第に自分の状況に混乱をきたすエミリア。
 この身に何が起きたのか。
 何故あちこち痛いのか。
 そもそも何故裸なのか。
 一体何者が……と、そこでようやくテントの中にいるはずのもうひとりの存在に思い至った。

「ホイ……!」

 名前を呼ぶまでもなく、少年は彼女の隣で毛布に包まり背を向けて眠っていた。
 彼なら何か知っているはずだと思ったエミリアは、すやすやと気持ちよさそうに眠るホイムを起こそうと伸ばしかけた手を止めていた。
 急に彼に触れるのが恥ずかしくなったのだ。
 赤い顔を更に赤くするエミリアの頭の中には、昨夜の淫夢が押し寄せて再放送されていた。

「…………!」

 細かいところまで覚えているわけではないが、とにかく普段からは考えられない言動でこれまで見聞きしたことも体験したこともない行為に耽っていたのは間違いなく、もう何も言葉にできないといった様子で毛布を胸に抱え、消えてしまいたいと言わんばかりに体を丸めて小さくなろうとしていた。

「はしたない……はしたない……」

 ぶつぶつと呪文のように繰り返していると、それを耳にしたホイムがもぞもぞと起き上がった。

「わわ、わあわあ!」

 何と声をかけていいか分からぬエミリアはとりあえず叫んでいた。
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