息抜き

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雑学

無駄を愛せる脳が、私たちを人間にしている

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■ 雑学は“脇道”であり、“寄り道”であり、“脱線”である
たとえば、
「カタツムリの殻は右巻きが多い」だとか、
「エスカレーターの最初の目的は移動ではなく、見世物だった」だとか、
「バナナは草の一種」だとか。

これらを知ったところで、
明日の会議が楽になるわけじゃないし、
家計が助かるわけでもない。

でも、
「へぇ」と思ったその瞬間、なにかが確かに動く。

たとえば口角。
たとえば脳のシナプス。
あるいは、日常の“退屈”という名の曇りガラス。

■ 雑学は「役に立たない」からこそ、“心の栄養”になる
学校では教えてくれなかったこと。
教科書には載らなかった“どうでもいいこと”。
それらが、いつの間にか人生の“潤滑油”になる。

雑学とは、
世界に対して「そんな見方があったのか」と目を開く小さな鍵だ。

・マンホールの蓋が丸いのは、落ちないため
・セミは7年間地中にいて、地上にいるのはたった数日
・笑うと脳が「楽しい」と錯覚して、ほんとに気分が上がる

こういう知識は、
人の役に立たなくても、自分の心の景色を少し変えてくれる。

■ 雑学は「知識の遊び場」であり、「知性の散歩道」
知識が“目的”になると、勉強になる。
でも、雑学は違う。
目的地を持たず、ただ知ることを楽しむ。

それはまるで、
行き先も決めずにふらっと電車に乗るようなもの。
気まぐれに本をめくり、
ページの片隅に書かれた豆知識ににやつく夜。

こういう無意味のようでいて意味のある時間が、
人間の“余白”を豊かにしてくれる。

■ AIは正確だ。だけど、雑学を愛せるのは人間だけだ
AIは、効率と目的に忠実だ。
“何のため”を問われれば、正しく応える。
でも、“へぇ”を楽しむ心は持っていない。

なぜなら、
雑学は“好奇心”と“無意味”の狭間で生まれる文化だから。

無意味を味わえること、
無駄に没頭できること、
そのどちらも、人間という不完全な生き物の美しさだ。

■ 雑学こそ、誰かの心を灯す“思いがけない火種”
雑学を披露しても、
「へぇ」で終わるかもしれない。
「だから何?」と返されるかもしれない。

でも、たった一人でも、
「それ、面白いね」と笑ってくれたら、
世界がほんの少し、柔らかくなる。

そういう火種を持ち歩ける人は、
きっと、日常を退屈で終わらせない人だ。

あとがき
雑学は、“実用”の外側にある。
けれど、“人間らしさ”のど真ん中にある。

知識にとって必要なのは、
正しさより、好奇心と余白。

どうでもいいことに目をとめ、
そこに愛おしさを感じるその瞬間に、
私たちは「生きている」と実感できるのかもしれません。

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