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第六十二話 レオナの買い物
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意を決して店に入った私は近くに居た店員に声をかけました。
「すいません。水着を買いたいんですけど」
「はい。水着ですか?」
笑顔で私に対応してくれる女性の方。とても魅惑的な体型をした女性でした。
「ええ。今度ラムネスの街に行くので……」
「ああ、なるほど。それは水着が必要になりますね。では、こちらへどうぞ」
私は促されるままに水着が沢山展示されている所まで案内されました。
「へぇ。結構あるんですね……ちなみに男性の水着とかありますか」
「ええ、もちろんございますよ。あちらに」
「あそこですね」
店員さんが指し示す方には、男性用の水着が沢山展示されていました。
「男の子と行くんですか? 彼氏さんですか?」
「え! い、いや! そんな! そんなんじゃないです……」
突然の発言に、私は全力で否定してしまいます。
「なるほどなるほど。じゃあこんな水着は如何です? 悩殺出来ますよ?」
と言いながら店員が見せたのは一着の水着でした。いや、それは水着と呼んでいいのかでしょうか? 私にはわからりませんでした。それの見た目は……
「か、貝? それ、水着じゃなくて貝じゃないですか?」
「これは水着ですよ? シーシェルズってタイプの水着です」
大事な部分が三ヶ所、白い貝で隠されているだけの物でした。
こんなの着るのは変態しかいないでしょ……恥ずかしすぎる……
と私は若干引いてしまいました。
「ちょ、ちょっと! こ、これじゃないのでお願いします!」
「お気に召さなかったかしら? じゃあ、これは?」
次に出てきたのは……水色の貝でした……
「ただの色違いじゃないですか! 白い貝が水色になっただけです! どれだけそれ着させたいんですか?」
「じゃあこれとかどうかしらね」
「これも殆ど変わんないですよ! ただ肩から股に紐があるだけじゃないですか? 殆ど隠れてないですよ! シーシェルズといい、こんなの着る人いるんですか! 居たら見てみたいくらいです!」
「シーシェルズの方なら今着てますけど?」
「え? ちょ、ちょっと待って!」
私はおもむろに脱ごうとする店員を慌てて止めました。
これはガチです! この人、貝をまとってます! 変態はここに居た……! と、私の頭に考えが過ります。でも、私は見たい訳じゃないので全力で止めました。
「と、とにかく言葉のあやなので脱がないで下さい! 見たい訳じゃないんです!」
「えー。減るもんじゃないですよ? ちょっとくらい見てもいいじゃないですかー」
見たい需要は無いけれども、見せたい供給はあるようでした。
でも、私にそんな時間はないのです。それ以上にそんな趣味はないのです。
「いや、大丈夫ですから! 男物も買わなきゃいけないし! そ、そう! 時間が無いんです!」
「ああ、そう言えばそうだったわね。男物ならこんなのはどうです?」
「だからさっきとほとんど一緒じゃないですか! 葉っぱ一枚あっても良くないです!」
「じゃあこっちかな」
「これもさっきと一緒です! こんな小さい水着じゃほとんどはみ出しちゃいます! あ……」
言った瞬間、しまった! と私は思いました。
多分顔にも出てしまってます。だんだんと顔が赤くなっていくのが自分でもわかりますので。
「へぇ……彼氏さん凄いんですね……普通ならあれで大丈夫なんですけどね……」
店員さんは何とも言えない笑みを零していました。
「と、とにかく! 今のは忘れて下さい! そ、そうだ! これくらいの長さの無いですか?」
私は膝上くらいの場所で手を止めて店員に問いかけます。
「ええ、ございますよ これとか如何ですか?」
店員が見せたのはちょうど膝上くらいのゆったりとした水着だった。
「あ……こ、これは良いですね」
意外とまともな水着が出てきたことに、私は意表を突かれてしまいます。
「お気に召しましたか? ではこちらは?」
「悪くないです……これは葉っぱなんで結構です……こっちは良いと思います。これも葉っぱなんで却下です」
次々に色や柄、長さが異なった物を店員はレ私に見せてくれました。
その中からが気に入った一着を選びます。途中途中に挟んでくる色違いの葉っぱは、もう完全に無視してですけど。
「うん! これがいいかも?」
「なるほど。お気に召した物があって何よりです。じゃあ彼女さんにはこちらは如何ですか?」
そう言って店員が見せたのは上下が分かれているタイプの水着だった。
腰布と日焼け用の羽織るものも一緒についている。
そして先程、ご主人様用に選んだ物の、同じ柄の色違いだった。
「これって!」
「ええ、先程の色違いです。同じ色だとちょっとまだ早そうなのかなと思いまして……お節介なら申し訳ありません。でも、これくらいのアピールはしてみてもいいんじゃないかしら?」
ウィンクして語り掛けてくる店員に、私はこう、応じます。
「う、うん……そうですよね……いい、かな……うん! これください!」
「ええ、ありがとうございます。ではあちらでお会計をお願い致します」
そして、私は上機嫌で店を後に致しました。
「すいません。水着を買いたいんですけど」
「はい。水着ですか?」
笑顔で私に対応してくれる女性の方。とても魅惑的な体型をした女性でした。
「ええ。今度ラムネスの街に行くので……」
「ああ、なるほど。それは水着が必要になりますね。では、こちらへどうぞ」
私は促されるままに水着が沢山展示されている所まで案内されました。
「へぇ。結構あるんですね……ちなみに男性の水着とかありますか」
「ええ、もちろんございますよ。あちらに」
「あそこですね」
店員さんが指し示す方には、男性用の水着が沢山展示されていました。
「男の子と行くんですか? 彼氏さんですか?」
「え! い、いや! そんな! そんなんじゃないです……」
突然の発言に、私は全力で否定してしまいます。
「なるほどなるほど。じゃあこんな水着は如何です? 悩殺出来ますよ?」
と言いながら店員が見せたのは一着の水着でした。いや、それは水着と呼んでいいのかでしょうか? 私にはわからりませんでした。それの見た目は……
「か、貝? それ、水着じゃなくて貝じゃないですか?」
「これは水着ですよ? シーシェルズってタイプの水着です」
大事な部分が三ヶ所、白い貝で隠されているだけの物でした。
こんなの着るのは変態しかいないでしょ……恥ずかしすぎる……
と私は若干引いてしまいました。
「ちょ、ちょっと! こ、これじゃないのでお願いします!」
「お気に召さなかったかしら? じゃあ、これは?」
次に出てきたのは……水色の貝でした……
「ただの色違いじゃないですか! 白い貝が水色になっただけです! どれだけそれ着させたいんですか?」
「じゃあこれとかどうかしらね」
「これも殆ど変わんないですよ! ただ肩から股に紐があるだけじゃないですか? 殆ど隠れてないですよ! シーシェルズといい、こんなの着る人いるんですか! 居たら見てみたいくらいです!」
「シーシェルズの方なら今着てますけど?」
「え? ちょ、ちょっと待って!」
私はおもむろに脱ごうとする店員を慌てて止めました。
これはガチです! この人、貝をまとってます! 変態はここに居た……! と、私の頭に考えが過ります。でも、私は見たい訳じゃないので全力で止めました。
「と、とにかく言葉のあやなので脱がないで下さい! 見たい訳じゃないんです!」
「えー。減るもんじゃないですよ? ちょっとくらい見てもいいじゃないですかー」
見たい需要は無いけれども、見せたい供給はあるようでした。
でも、私にそんな時間はないのです。それ以上にそんな趣味はないのです。
「いや、大丈夫ですから! 男物も買わなきゃいけないし! そ、そう! 時間が無いんです!」
「ああ、そう言えばそうだったわね。男物ならこんなのはどうです?」
「だからさっきとほとんど一緒じゃないですか! 葉っぱ一枚あっても良くないです!」
「じゃあこっちかな」
「これもさっきと一緒です! こんな小さい水着じゃほとんどはみ出しちゃいます! あ……」
言った瞬間、しまった! と私は思いました。
多分顔にも出てしまってます。だんだんと顔が赤くなっていくのが自分でもわかりますので。
「へぇ……彼氏さん凄いんですね……普通ならあれで大丈夫なんですけどね……」
店員さんは何とも言えない笑みを零していました。
「と、とにかく! 今のは忘れて下さい! そ、そうだ! これくらいの長さの無いですか?」
私は膝上くらいの場所で手を止めて店員に問いかけます。
「ええ、ございますよ これとか如何ですか?」
店員が見せたのはちょうど膝上くらいのゆったりとした水着だった。
「あ……こ、これは良いですね」
意外とまともな水着が出てきたことに、私は意表を突かれてしまいます。
「お気に召しましたか? ではこちらは?」
「悪くないです……これは葉っぱなんで結構です……こっちは良いと思います。これも葉っぱなんで却下です」
次々に色や柄、長さが異なった物を店員はレ私に見せてくれました。
その中からが気に入った一着を選びます。途中途中に挟んでくる色違いの葉っぱは、もう完全に無視してですけど。
「うん! これがいいかも?」
「なるほど。お気に召した物があって何よりです。じゃあ彼女さんにはこちらは如何ですか?」
そう言って店員が見せたのは上下が分かれているタイプの水着だった。
腰布と日焼け用の羽織るものも一緒についている。
そして先程、ご主人様用に選んだ物の、同じ柄の色違いだった。
「これって!」
「ええ、先程の色違いです。同じ色だとちょっとまだ早そうなのかなと思いまして……お節介なら申し訳ありません。でも、これくらいのアピールはしてみてもいいんじゃないかしら?」
ウィンクして語り掛けてくる店員に、私はこう、応じます。
「う、うん……そうですよね……いい、かな……うん! これください!」
「ええ、ありがとうございます。ではあちらでお会計をお願い致します」
そして、私は上機嫌で店を後に致しました。
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