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ローズマリア場合

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朝になり、メイドのエリーに私は目を覚ました。

「おはようございます、お嬢様。」

『おはよう、エリー。』

目を擦りながら私は身体を起きた。

「今日ですよ、王子様の婚約者候補パーティー。おめかししましょ。」

『派手過ぎず、シンプルの物が良い。』

淡い水色のドレスに着替えた。

アクセサリーも色を合わせシンプルに着飾った。

「とてもお似合いです。ローズ様。」

『ありがとう、エリー。』

準備が整った私は家の紋章の入った馬車に乗ってパーティー会場に向かった。

会場に着くと華やかな薔薇園に案内された。

『エリー、とても綺麗ね。』

「はい、お嬢様。殿下が来るまで少し庭園を見て回るのはいかがですか?」

『良いわね、そうしましょう。』

私はエリーと庭園を見て回った。色とりどりの薔薇を眺めていたら、人だかりが出来ていた。

「ローズ様、第一王子、ルシフェル殿下がいらっしゃたようです。」

『そう。では、向こうに行きましょか。』

私はエリーを連れて会場に戻った。

そこで私はルシフェル王子では無く、遅れて来た令嬢の方に目線が行った。

「お嬢様!其方では無く彼方です。」

エリーに声を掛けられ、王子の方に目を向けた。

『初めまして、アルフォード家長女、ローズマリアと申します。』

王子に挨拶してカーテシーをし、離れた。

私は、遅れてやって来た女の子を探した。

彼女は王子に挨拶する為に列に並んでいた。

『スカーレット!』

「ローズマリア?会えて良かったわ。心細かったの。」

『私もよ。挨拶が終わったらまた話しましょ。』

私はスカーレットに声を掛けて列から離れた。
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