箱庭の幸福~奴隷を買ったらいつの間にかハーレムが出来ていた~

氷雨

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初めての討伐

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パチリ、と瞼が開くとともに窓から差し込む光が眩しい。

あれから俺は体も洗わずに寝ちゃったのか。

いっぱい寝たおかげなのか、体の調子が凄くいい。


(ステータスオープン…)

心の中で唱えるとヴィンッという機械音と共にステータス画面が現れた。


ユキ     18歳    rank.40

人間   :    男

体力    750/750

魔力    1500/1500

スキル   剣技  lv.6  かぎ爪 lv.1  気配察知  lv. 1   鑑定  lv.3  new 創造 lv.1  new  クリーン  lv.1

称号    【異世界転移者】【闇に好かれし者】【ドランゴンスレイヤー】【セーリャ神の加護】


「…いや、いやいやいや」

これはやばいでしょ、おかしいでしょ。
魔力限界まで使って一晩寝たらエグいくらい上がって、創造とかクリーンとか習得しちゃってるのはおかしいでしょ!!

何これッ!!??


ふぅ…と息を吐き出して興奮を抑えると、俺は「クリーン…」と唱えた。


ふわっと髪の毛が浮く感覚と、肌をやわらかい風が掠めていくような感覚。
見ると、髪の毛がサラサラに、腕も足もお風呂に入った後のようにスベスベしていた。


「なにこれすごい…」


俺は次に「創造」と呟いた。

しかし、創造と呟いた後は特に何が起きることはなく、ステータス画面を見ても魔力は減っていなかった。

という事は創造というスキルは文字通り何か物を創造するスキルなのかもしれない。



俺は目に付いた部屋のランプに意識を向け「創造」と唱えた。

すると、もともとあったランプと全く同じ物が俺の掌の上に創造された。
それも汚れひとつ、埃ひとつ、全てが完璧に複製されたランプだった。

次に俺は日本でよく食べていた某会社のポテトのチップスを創造した。

案の定創造は成功し、掌には某会社のポテトのチップスが詰まった赤い袋が乗っかっていた。

バリィッ!!と開封し、中の匂いを嗅ぐ。

「うん…普通に美味そうな匂いだ」



香ばしい塩の匂いにつられ袋の中に手を突っ込み、一枚引き抜いて口の中に入れる。


「美味っ!!!」

いやうまっ!!

てか創造スキル凄すぎ!!!

もうこれ複製もできて、好きな物創造しまくりじゃん!


「あ…」

これってもしかして、俺が風呂に入れなくて落ち込んでたからなのか?もしかしてお風呂が自分で作れるように神様が習得させてくれたとか。

そう考えると、ますます神様は俺に甘すぎる気がしてならない。いいのかそれで。俺は嬉しいけど、それじゃダメだろ。


ただ、今作るにしてもお湯はどうするのか。

取り敢えずお風呂は保留で、いつか目処がたったら作ってみることにしよう思う。


ステータス画面を見ると、思ったよりも魔力が減っていて、1500あった魔力が700まで減っていた。

そしてレベル1だった創造スキルがレベル2に上がっていた。どうやら何回か条件回数を超えるとスキルレベルが上がるようだ。


スキルレベルが一番高いのは剣術で、ま確かレベル6だが、スキルの上限はどこまであるんだろうか?


いやそもそもないかもしれない。


そんなことを考えながら他にも何かないかとステータス画面を見ていたら、ステータス画面の右下に小さいアイコンがあることに気がついた。


「なんだろ…これ」


何か無性に嫌な予感がしたが、勇気をだしてタッチしてみた。


ヴィンッ

機械音とともにウィンドウが現れる。


【アイテムボックス】

所持金     ♾

持ち物     冒険者カード、麻布の服一式、ブーツ、麻布の小袋、ロングソード



「……」

もう俺は言葉が出なかった。


ウィンドウが現れた瞬間、まず目に入ったのは所持金だった。
おかしい、無限とかおかしい。
俺死ぬまで遊んで暮らせるぞ。
俺をどれだけ驚かせれば気が済むんだ。
確かセーリャ神だっけ、そいつおかしい、頭のネジ外れてるよ。


なんか、必死に働いている人に申し訳ない。

俺ばっかりこんな楽してて。



でもまぁ、この世界に来たばかりの俺にとっては喜ぶべきことなので、罪悪感はこの際捨てることする。でないとやっていけない。


取り敢えず俺は、所持金に意識を向け500ギルと意識した。

すると、チャリンという小気味いい音と共に掌に金色の硬貨が一枚現れた。

やはりこの世界の硬貨は日本と大体同じようで500円玉のような金色の硬貨が掌に現れた。

それから俺は持ち物の中にあった麻布の服一式、ブーツ、麻布の袋、ロングソードを取り出すと、少しざらつく服とズボンを着て取り出した5000ギルを袋に入れ腰に括り付けると、ロングソードを左側の腰に帯剣した。

仕上げに門兵のおじさんからもらった外套を着てフードを目深に被ると、俺は1階の食堂へと移動した。








1階の受付のカウンターを通って食堂の方へと行くと、店員さんが慌ただしそうに料理を運んでいた。

ガチャガチャ、タンタンタンという食器やまな板の音がいかにも朝っていう感じの音で、俺の荒んだ心を酷く落ち着かせた。


「よく寝れたかい!」と言いながら空いてる角の席に腰を下ろした俺のもとに店員が料理を持ってきた。

「お客さん見ない顔だね!って言ってもフード被ってるから分かんないけどさ、うちの料理は美味しいよ!いっぱい食べてってくれよ!!」


そう言ってパンと野菜がゴロゴロと入ったスープを置いて行った。



思いの外俺の心は疲れていたようで、暖かいスープとフワフワのパンに、気を張っていた強ばった体が徐々に、徐々に、ほぐれていった。









料理を食べ終わった俺は、宿にあと1週間泊まることを伝えお金を支払うと、冒険者ギルドに向かった。


冒険者ギルドは朝のためか、殆ど人はいなかった。


スタスタと歩き、掲示板に向かう。

見ると、端っこの方にEランク級のゴブリンの討伐依頼が張り出されていた。

俺は迷わずその依頼紙を剥ぎ取ると、受付まで持って行った。


「おはようございます、依頼でございますね」

「はい」

「それでは冒険者カードの提示をお願いいたします」


俺はポケットの中から出すと見せかけてアイテムボックスから冒険者カードを取りだした。


「お預かり致します…それではこちら依頼書の方になります、本紙はこちらの方で預かっておりますので万が一ユキ様が持つ依頼書が紛失しても問題ありません…それではいってらっしゃいませ!」

そう言って昨日とは違った受付嬢に見送られ、俺はゴブリンの生息するという森へと向かった。


道行く先々で場所を訪ねながら1時間ほどでたどり着いたムルという森は、依頼書通りゴブリンが生息していた。


ただ流石Eランク依頼か、受付嬢の反応を見るにFランクの俺でも簡単に倒せる魔物のようだった。現に俺と同じ低ランク冒険者達がチラホラゴブリンと戦っていたが、いかにも剣術初心者といった女の子や男の子が「えりゃっ!!」だの「とりゃあぁっ!!!」だの言って簡単に倒せるくらいには、ゴブリンはクソほど弱かった。


俺は剣術がレベル6の為か、自分でも驚くほど綺麗にスパッとゴブリンの首を切り落としたことに、自分のことながら驚いた。

それとともに、平和な日本で暮らしていたあまちゃんのはずの俺が、ゴブリンを殺しても、血を見ても、全く恐怖心が芽生えなかった。


自分が以前の自分じゃないように感じて、酷く不安を覚えるも、きっと神様がこの世界で俺が安心して暮らせるように、俺の感覚を麻痺さてくれたんだと思うことにして、引き続き依頼をこなした。



生き物の死を悼みながら、俺はゴブリンの耳と小さな紅い魔石を回収していくと、もう用は終わったとばかりに森から離れ、1時間ほどかけてギルドへ戻った。



ギルドにゴブリンの耳と魔石を渡して報酬を貰うと、俺は宿へと向かった。


何だか今日は、やるせなくて、もう何もしたくなくなって、宿のベットで一人、横になった。







俺はそのまま、夕ご飯も食べずに眠った。



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